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fripSide LIVE TOUR 2014-2015 FINAL in YOKOHAMA ARENA 感想

2015年04月18日 03:02

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2015/3/1に横浜アリーナで開催されたfripSideのワンマンライブ「fripSide LIVE TOUR 2014-2015 FINAL in YOKOHAMA ARENA」に参加してきたので感想を述べたい。
初めに横浜公演の立ち位置に触れるが、fripSideが昨年10月から開始した6都市公演「fripSide LIVE TOUR 2014 -infinite synthesis 2 -」のFINALに位置付けられている。
横浜公演は異常な高倍率となったis2ツアーに対し、追加公演という位置づけで後から8月末のアニサマで公表されたものだが、LumiLiaは当初のis2ツアー募集の段階で、横浜の開催はほぼ決まっていたものと捉えている。営利的に見てあざとい戦略である。

さて、Decade以降、LumiliaがfripSideのライブに参加に至っている原動力は、LumiLiaをご覧いただいている方々ならお察しかとも思うが━━━━━
全てfortuna on the Sixteenth nightの初披露を見届けるためである。

フォルトゥーナの楽曲はその知名度は高いが、その作品をプレイし、最後まで見届けた人はどの程度いるだろうか。
かねてから繰り返している通り、私が本曲を生で聞きたいと思う背景は、それがOPを飾る「十六夜のフォルトゥーナ」がそれだけ良いと思う作品だからだ。
八木沼氏本人がプロデュースした本作はライターの変更なども挟んで完成までに3年半の歳月を要した。
本作の良さが語られる場はあまりないが、その内容の濃さ、本作が語ろうとしたことは私に深く刺さり、名作に位置する作品となった。
fortuna on the Sixteenth nightという曲の歌詞、ムービーは純粋に作品そのものと比較するとイメージと合わない。それは開発期間の中で幾度も軌道修正が図られ、当初のプロットがほとんど変更となったことが背景である。
だが、この1曲は作品を見通せる曲として、ルシアに捧げる楽曲として、私の中で初披露の現場に何としても立ち会いたい1曲となった。

しかし、フォルトゥーナ発売直後であった2013→2014カウントダウンライブ聞くことは叶わず、
is2ツアーの日替わりに望みを託すも披露されることは無く、
FC限定と期待も高まった直近のカウントダウンでは裏切りにも近い感覚を覚えたのだった。


それでも、私は十六夜のフォルトゥーナという作品が好きで、それが生み出される土台となり相応の私財を投げた八木沼氏の姿勢に敬意を表している。
作品を終えたばかりの2013年のカウントダウンではその思いを、そして舞浜公演ではフォルトゥーナという楽曲を生で聞くことに対する意義、強く聞きたいという思いをレターに書き綴り、投書した。
この一年半の中で、Lapis lazuliは実質休止状態となり、聞ける可能性が回を追うごとに下がってきている…そう予感めいた嫌な感覚に顔を背けつつ、横浜公演に至った━━━━




当日。冒頭に恒例の当日の会場の外観の写真を載せているが、見ての通り、見事に雨であった


LumiLiaは秋葉原でfortunaを警戒用の白いリウムを買い込み、会場へ向かった。
予期せぬトラブルもあって開演予定時間ぎりぎりに到着したが、開演の気配はなかった。舞浜に続き、開演時間が押すのは悪しき風習になりつつある。

LumiLiaらの座席はアリーナF(SSAでいう2階席)。ステージ向かって右側のステージサイドだった。とはいえ、奥の演出が見えないようなこともなく、会場全体を見渡すことが出来た。更に最後列通路脇と何をやってもが起きても問題が無い位置だったため、高まるにはうってつけだった。

一般チケットも比較的早い段階で完売となったが、空席はちらほらとみられた。外のダフ屋も結構な数が見られたことから、転売組の確保も多かったのだろう。
客層は女性率も相応に高く、年齢層もツアーよりもなお幅広くなった印象を受けた。我々の隣は30代、さらに隣はもっと上の年代のご夫婦。キャパシティの増加によって、ライブイベンター以外が増えたのだ。イベンターという枠で捉えれば多いのはラブライバー。行きの電車でもにこにーの缶バッジ(なぜ?)を付けたイベンター、えりちTを着た人などもいた。

基本的にスタッフは潤沢に配置されており、公演中、スタンド席を中心に熊手がちらほら見られたが短い時間で消灯するなど、過度な迷惑行為に対する注意は行き届いていた。
一方、バルログはSP席を筆頭に相当な数で見られた。サイリウムは1人1本までとするレギュレーションがあることが公演前に話題になったが、これはis2ツアーでは消えていた過去のレギュレーションが復活したものだ。(過去にレギュレーションが消えた経緯は、誰も守っていなかったからだろう)
点滅や改造リウム等の迷惑行為自体は制限されるべきものだが、局所的に複数本炊くこと自体は、私がDecadeで味わった洗礼(当時の記事参照)などもあって建前の側面が強いとの認識に至っており、湯水のように炊いた(※レギュレーションは遵守している)時間もあったが注意に至るようなことは無かった。

さて、fripSideにとって横アリ規模の公演は初めて、つまりは総決算だともいえる。
すなわち何が来てもおかしくは無い。あらゆる楽曲が降ってくる可能性がゼロではないと考えた結果、

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警戒は過去最多となった()

久々の座席ありのfSライブ。ゴミのように折ろうとUOもバルク4パック(100本)を持ち込んだが結局使用したのは数曲で半分が残った。
数年前まで高まりを光量に依存していたLumiLiaだが、昨今サイリウムを持つ楽曲はほぼなくなった。衝動に身を任せ高まれるようになったのは、この1年幾度もイベントに行く中で定着した大きな変化である。身体の中で反芻する想いは、何にも代えがたいのだ。
また、LumiLiaはライブにおいてできるだけ多くの楽曲を楽しむスタンスを長年心がけてきたが、近年は全ての楽曲を把握することを前提に、緩急をつけるスタイルに変化した。
聞きたい楽曲が聞けるかどうかが効用に占めるウェイトが増加したのだ。そのような背景もあって、本命曲を除くと、とても静かに聞くようになった。

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横アリといえばANIMAX MUSIXなどの真ん中のステージが花道を介して突き出たステージ構成が思い浮かぶが、fs横浜公演は花道などは特になく、シンプルだった。SP席はセンターA,Bにあたり、特典として配布された青系のTシャツを揃って身に包んでいたので判りやすかった。
fripSideの演出といえばレーザーだが、今回横アリでの演出についてLumiLiaの印象は「アニサマっぽい」。アニサマもレーザー演出に力を注いでおり、近年は数の暴力だ。横アリではアリーナとスタンドの間の壁、そして天井への投射に限られるため、差別化が難しいのだと思った。

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カウントダウン2013からより積極的に使われているが、緑色のため、フラッシュで多用されたあのシーンでは、リウムの色が吊られる面白い現象がみられた。

開演は20分押して17時20分、ステージ後方巨大スクリーンにこれまでのアルバムが移り変わるような演出と共に、横浜公演が始まった。

■fripSide LIVE TOUR 2014-2015 FINAL in YOKOHAMA ARENA セットリスト
01. fermata ~Akkord:fortissimo~
02. pico scope -SACLA-
03. scorching heart
04. I'm believing you
05. Secret of my heart
06. lost dimension
07. rain of tears
08. black bullet
09. fortissimo-from insanity affection-
10. late in autumn
11. endless memory ~refrain as Da Capo~
12. everlasting
13. future gazer
14. eternal reality

DJタイム 川崎海
Silverlight→SHOOT!→You&I→Fight 4 Real→ Shining Star-☆-LOVE Letter→Get goal!→ →unfinished→ →ONE→I'll believe

15. Burst The Gravity / ALTIMA
16. the chaostic world / ALTIMA
17. CYBER CYBER / ALTIMA
18. before dawn daybreak / fripSide 黒崎真音コラボ
19. Red -reduction division-
20. come to mind (version3)
21. whitebird
22. last fortune
23. Hesitation Snow
24. fortuna on the Sixteenth night
25. a silent voice
26. Heaven is a Place on Earth
27. trusty snow
28. infinite synthesis
29. sister's noise

アンコール
en1. way to answer
en2. LEVEL5 -judgelight-

ダブルアンコール
en3. only my railgun



以降、時系列で追っていく。

01. fermata ~Akkord:fortissimo~
02. pico scope -SACLA-

1曲目はfermata。事前に1曲目の予想はついったなどでも話していたのだが、やっぱりぃぃぃという感じ。

is2と同じですねー。
相変わらずデデデデデッデッデッの止めが良いな!と思う楽曲ですが、この曲で感じたのはこれまでとの観客層の違い。
一発目のFu-Fu-!が入らないのは他の都市でも見られたが、その後のFuFu!がすぐには続かない(2番から入るようになった)。今日の空気感を察した。鉄板曲を除いてPPPHは概ね静かな傾向があったが、これは"弁えた"からではなく、"慣れていない人が多かった"から。これは曲をちゃんと聞けるし大変よろしいんですけれどね。
ジョルノは相変わらずハイではなく「ファーイ!」、そしてBメロ前に自ら警報を入れ始めるsat氏。舞浜のアンコールに続いて煽ったのは、やはり序盤いきなり入るサビで振りがバラバラなのを察したからなのだろうか。
その後はノリやすいテンポと煽られれば呼応する観客だけあって、会場は徐々にヒートアップ。
2曲を経て初のご挨拶。

ジョルノ「fripside 2014 2015いん横浜…」
ジョルノ・sat「アリーナーー!!」
噛まずに言えました。

sat「あの…(開演時間について)少々お待たせしました。ごめんね…ごめりんこ☆」
ジョルノ「なんですか、そのいきなりぶっこむスタイル…」
この温度差w

03. scorching heart
04. I'm believing you
05. Secret of my heart

1曲目に続いて2曲目の段階で察しましたが、昨年からの6都市ツアーと全く同じ流れですね。
何度練習しても演奏の入りでミスるとツアーで話題になったscorching heartは入りで遂に成功したかと思いきや、前奏からAメロの流れでループミスってたと思うアチャー。

4曲目が終わった後の
ジョルノ「この3曲は私が作詞して~(略)~」
ここもツアーと同じですね。

以降もis2と同じ流れが続くが、スクリーンのVの演出の向上、前奏の追加、楽器が変化する等、これまでの演奏とは異なる工夫もみられたのも確かで、ここはチケット代が上がった相応の対価といえた。

しばらくツアーの流れだろうと思って落ち着いてみていたところで、sat氏がショルキーを出してきたときは「おおおお前半なのにbefore dawn daybreak来るか!?」(舞浜公演ではショルキー登場後に歌唱)と凄い勢いで立ち上がったがSecret of my heartが始まってズコーだった

MCのネタとしては、前日アニマックス大阪に出演後にSP席用の直筆サイン色紙夜3時までサインを書いていたとのこと。
観客の年齢アンケートでは、20,30代中心の構成に対し、「10引いて年齢が二けたになったとき辛かった」となんじょうよしの。表現が判り辛さが日本語不自由界隈。
ちなみに22で立花あやの良い声を聴かせて頂いていたわけですね。

ジョルノのボーカルは前半調子は悪くなかったと思うが、横アリの音響がライブハウスと違うせいか、出だしの音程を外す頻度が高かった。
後半は見事にばてたのでやはり睡眠はしっかりとりましょう

06. lost dimension
07. rain of tears
08. black bullet

lost dimensionはis2の中ではアップテンポに属するので気持ちで1本折って、咥えておりました、UO。
rain of tearsは以前の記事からさんざん触れているようにダンス鑑賞曲。
black bulletはフリフリのドレス衣装のダンサーが出てきて、お、これはかわいい。恒例、煽られての「ぶらーくおぁぶれーっ」

ちなみにここまでのFuFu-!聞いていてしばしば感じるのですが、
FuFu-!  FwFwFwFw →ライブイベンター
FuFu-! (せーのっ)FwFwFwFw →ラブライバー(掛け声入れて一体感を出そうとする印象
FuFu----------FwFwFwFw →アニクラ勢
サビクラップ →(ry
こういう傾向あるよね。

09. fortissimo -from insanity affection-
10. late in autumn
11. endless memory ~refrain as Da Capo~
12. everlasting

そしてながーい前奏の後はfortissimo。入りが大阪公演と同じだったので判る人は分ったかと思う。
PPPHに入ると見せかけて「きーみーにー!」「ふたーりーの!」とセルフコーラスが入れられるのが気持ち良いですね。2番に入ってコールが激減するのもお約束。あと間奏の中二っぽさとても良いよね。

13.future gazer
14.eternal reality

出たぁ超電磁砲タイム。

……
「かんぱああああああああああい!!!!」
only my railgunが抜け落ちたことに終盤の展開を察しつつ高まるのはほかの方々にお任せして、
我々は酒盛りを開始した。
だって売店でスミノフ売ってるんだもん。
nice BGM.

この2曲は嫌いでもない…が、さすがにこれだけ聞いていればというのとツアー時のトラウマの印象が強すぎて。satさんの衣装はエタリアのPVと同じ。LEDスクリーンを使ってPV全画面で放映していてなかなか良かった。

ここで6分間の休憩タイム。川崎海によるmixはド高まりますね。というかこの作曲者にして腰を低くサポートに徹している彼の姿は美しい。
今度AJ NightでDJやるそうなので気になる方は行きましょう。←終わりましたが最高でした。
セトリは八木沼作曲の楽曲で構成、川崎海のDJプレーで高まる会場。
本当に格好良かった。

鉄板の繋ぎとはいえ、なんでアレがないんだろう?と思っていたら休憩時間のカウントがゼロになって流れ始めました。
そしてALTIMAが登場。盛り上がる会場。
おもわず私「まっじで」。

15.Burst The Gravity

会場のリウムは黄色に加えて、なぜか緑に会場は染まったのだけど、それは上を見て納得。ここ一番で緑色のレーザー演出が使われ、これでもかとフラッシュしていたためだ。
よって多くの人が色が吊られた。
別にALTIMAは嫌いではないのだけど、私はfripSideのライブに来ているのであって、なんともいえぬ気持ちで静観。しばらくこの流れは続くのだろうな……と思っていた。

そして何事もなく唐突に始まるイントロ。あれ、聞き覚えある…z
友人と共におもわず「あああああああああああ!!???」
the caostic worldだあああああああああああああ!!!!!!

16. the chaostic world

the chaosticの文字がVに浮かび上がる中、8本のUOを叩き折っっていた。複数本持つとレギュレーション違反だが咥える分には何も問題はない何も。床に散らばる。
なお「あああああああああ!!!」という声はリアルで上がっているものだが、この声を分析すると「やったああああああ!!!!」と「嘘だああああああ!!!!」が含まれている。
会場のリウムは前の曲の緑、黄色から変わることは無く、これが一期の曲であると気付いている人も少ないことが伺えたが、一部で猛烈に炊かれ激しい動きをしている光はやはり遠目でもわかる。ただSP席がめっちゃ静かなのはいかんでしょ。

「なぜ一期の曲をALTIMAがカバーするのか」という疑問めいた感情と共に、「真音のカバーする曲は強い(※)」といつぞや思ったことを再度思い出した。
古い曲やるとあったツイートはこれだったかー…しかしなぜノンタイのこの曲を選んだ。

※彼女が選んだのか知る由もないが、超音楽祭でのMighty Heart披露など、彼女のカバーは強い傾向がある。そして知名度もアレと思われる本曲がどういう経緯で選ばれたのか…

17. CYBER CYBER
18. before dawn daybreak

次のさいばーさいばーは消耗して座り込んでいた。アニサマで振付はさんざん練習させられたな。

そしてお次は「コラボ行きたいと思います」とbefore dawn daybreak。
ああ超オタ芸曲だ(※やりません)。
ダーク系かつ気づいたらサビに入っている本曲のメロディラインは私的に非常に刺さる楽曲だ。これだけやたら演奏されるのはブサイクの版権が降り易いからなのか、それともそういう整理になっているからなのか。
それにしてもなおすん呼ぶのは無理だったんですねー。
正直、この曲はジョルノでは勢いや力強さがないと今まで感じていたが、コラボにより真音が低域をカバーしたことで聞ける曲になったと感じた。
the chaostic worldに続き、bddとなかなかのパフォーマンスではないかと思い始め、そろそろ本命曲よ来いと願い始めていたところで。


Vには下部に教会とそれを模した十字架、象徴的な月。リーリーと鈴虫の音が雰囲気を醸し出し、星野氏のギターソロが会場に響きわたった。
相方に思わず話しかける。
僕「あれ、このコード進行、Redっぽい…?」

ティロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリロリ「うわああああああああああ

月の箱庭だ……

19. Red -reduction division-
20. come to mind (version3)
21. whitebird

あまり公言はしないが、私がfripSideで一番好きな曲がこのRedだ。
本曲の内容と作品とのマッチングは本当に素晴らしく(故に私の中で孤高の存在となっている)、一方作品そのものの知名度もありながら、それを最後まで見届けている人は少ないとの印象を持っている。原作のムービーでも語りきれていない面がそれだけ多くあるのだ。
これは是非鳥羽莉の歌として聞いてほしいし、Redが最高のRedたる瞬間はあの時しかない。隠れた名作なので是非プレイして聞いて頂きたい楽曲だ。


正直、月が出たら無意識に「フォルトゥーナかRed」が刷り込まれており、事前の警戒も無くはなかったが、あのイントロが流れ始めた瞬間の鳥肌は覚悟していた比ではなかった。
キーは半音下げて歌われていて、より怪しげな雰囲気に。バンドアレンジもかなり効いており、より電子音に近く、キーが正規であったら私の高まりはこんなものでなかっただろう。
半音下げたといっても、ジョルノの声にはキーが高く、やはり原曲と比較してはいけないと思った。
知名度は相応に高く、会場も赤一色に。昨年の5月になおすんの本曲を聴き、そして今のfripSideでのRedとしてこの曲をこのタイミングで聞けたのはやはり嬉しいプレゼントであった。

2013年のカウントダウンで初めて20曲超を歌い切ったジョルノだが、30曲はまだ荷が重く、この辺からボーカルは出だしだけでなく本格的にばててきた。
一旦MCが入り、まだまだ盛り上がる曲いきたいと思いますとジョルノ。

ジョルノ「それでは聴いてください――last fortune」
我々「ああああ!!!」

22. last fortune

日本語不自由界隈極まれりだが、大体イントロ段階で無言か「ああああ」とか「はーー!?」とかしか叫んでないのでどうしようもない。

えろげ曲とはいえ、way to answerのタイアップであり歌われる可能性も高いと思われてきた、しかしこれまで一度も歌われてこなかった楽曲、それがlast fortuneであった。
その背景は作編曲にあるのだろう。というのも、音色は完全に川崎色だからである。(えろげ楽曲の多くは川崎作編曲であるところが辛い)。本曲は八木沼作曲、作編曲が八木沼氏、川崎氏の両クレジットだが、聞けば判るこの川崎感。あとは察して欲しい。
本公演ではglow in the darknessが歌唱されなかったが、本曲が同じ川崎曲ERG枠として代わる位置に据えられたとみるべきだ。

鈍重さを出さないバスドラム、そして軽やかなメロディラインは八木沼編曲とは良い意味で差別化の効いた川崎楽曲の特徴である。
その中でもlast fortuneは特にそれが存分に生き、洗練された"綺麗さ"を感じられる楽曲だ。コーラスと合わさった美しい旋律から聞きたいという人も多く、歌唱アンケートでも高い順位に入る楽曲が、今回ようやく初披露となった。

電子音で構成された本曲は、ライブではセルフコーラス前のメロディがエレキギターで演奏され、ずいぶんバンドアレンジされた印象を持った。まぁそれはこの際よい、聞けたことは大きい。他の楽曲に隠れ触れる機会も少なかったがそれでも初披露の本曲を聞けたうれしさは大きく、間奏以降は連番者と共にとても自然に、正座していた。

あとあれだ、ご本人自ら出演されているえろげ曲歌ったのclosest love以来ですね。

ご本人が歌われていなかったセルフコーラスはきっちり入れさせて頂きました。

23. Hesitation Snow

生で聞いたの8回目。南條愛乃の声がする。
これまでと違うところは発売から"1095日"が経過した(2015/2/23にあたる)ことでしょうか。
会場の色はすっかりと白が定着し、サガプラライブのあの時とは真逆に、これまでになく静かに聞き入っていた。(※last fortuneで消耗しすぎていた)
現世に未練を残し、卒業に至れないゴーストたる初雪を、フォルトゥーナを追い求めfSから逃れられない私に重ねていた━━━━


MCも入らず、ドラマーがスティックを掲げ合図、次の楽曲に入る拍を刻む。
チッ、チッ、チッ━━━━
fripSideのライブでよく目にするおなじみの光景だった。
しかしその時は、あまりに自然と訪れた。

24. fortuna on the Sixteenth night


遂に、きてしまった……。

一年半近く待ち続けた楽曲が、遂に歌われた。
ようやく迎えたその時の第一印象は冒頭の文言で、意外にもあっけないものであった。

しかし、その瞬間の光景はいまなお鮮明だ━━━━
スティックによるカウントで2拍目にリバースシンバルが入らず(glow in the darkness)、3拍目でジョルノが息を吸った瞬間に、最高の高まりが私の中を駆け巡った。

まずは反芻だった。

フォルトゥーナが歌われる可能性にかけた過去5回のライブ、そこで抱いた期待と失望。
DJイベントで幾度にも渡り拾ったfSが、流れ始める瞬間とそのたびに高まった、さまざまなシーンの思い出が。
そして、フォルトゥーナという物語の中で描かれた過去と今が。(その延長には3組の姉妹の姿がある)

10秒にも満たない時間が私にはとても長く感じられた。
崩れ落ち、俯いた先には

砂時計が、
パッケージが、
そして捧げるべき光が。

この瞬間が訪れた時、自分はどういう反応をするかこの1年間思い描いていた。
崩れ落ちるのか、はたまた高まるのか。しかし何が起きても高まれるように、積み上げたもの。目の前にあったのは一年半の中で自分が築き上げてきた覚悟であった。
(唯一オリジナルTシャツのみ間に合わなかった)

16拍目で誘われるままUWバルクパック25本を床に叩き付け全灯。(人生初)
闇を切り裂く白き光が溢れ出た。
今日この日のために、このパッケージは用意されたものなのだ。

一方衝撃のあまり静止していた相方も白き光によって息を吹き返した。さすが聖なる光。
(後から聞くことによるとにゅるりとはじまりすぎて反応できなかった模様)

以降は圧倒的な、ただひたすらに高まる時間だった。

2番Bサビ…
「ルシアに捧げる――――」
「「アペリオ・アーラエ!!!」」(すべてを手放し両手のみを掲げる)

示し合わせたわけでもなく驚くほど綺麗に入り、天使に導かれた感。

そして間奏後の「誓う」、みんなやったよね?。
fSという楽曲の中で特に好きな1フレーズはこの部分だろう。そしてこれは、私たちが声を上げる箇所でもある。

本公演では唯一のアリーナ周回曲。歌唱はというと、だいぶばててしまっていて、原曲でみられた力強さなんて無かった。
次聞ける機会あるならきちんと聞きたいとも思ったが、この瞬間は夢の時間だった。

「Will I change the fate?」ドヤ顔で一緒に歌うsat氏。お前も歌うのかよ…
よくよく考えればHestation Snowで歌えばいいんじゃないの?そういうバージョンを一昨年世に出しているのだし。

余談過ぎる解説を挟むが、デジタル臭さが前面に推し出たfSに一期らしさを感じた人もいるかと思うが、これは主に一期で楽曲を提供していたtkm(オカモトタクミ)氏がgrand blue以来、2期になって初めて提供した楽曲だからである。エッジの効いたシンセ音を始めとして、勢い、躍動感など随所にその特徴が出ている。(故に、sat氏ご本人を褒めるときはfSという楽曲のみだけで称賛しないように…)
八木沼プロデュースの作品であれど、ライブの歌唱にはこの点がハードルになると捉えていたが、今回それを超えての初披露となった。
何度も書いてしまう位に最高の時間だった。

僕が十六夜のフォルトゥーナという作品を高く評価している理由は、現実に当たり前にあっても無意識に目を背けていたり、認識することを忘れていたりする事柄を、正論を持って丁寧なシナリオの中でその必要性を示唆し、提言されていることが極めて刺さるからなのだろう。
fortuna on the Sixteenth nightという楽曲そのものには先鋭さが含まれている。反して、フォルトゥーナが語らんとすることは、気持ちの区別のつけ方(死という概念で語られる)であったり、自然であることをを肯定すること、そして不変の存在を見せる中で変化あっての人間という存在を知らせる、当たり前のことなのですよね。(それを圧倒的な物量で語る本作の出来の良さは異常です)これが冒頭で書いたイメージの差。

僕の中でfSライブ横浜公演は終わりました。ありがとうございました。

25. a silent voice
26. Heaven is a Place on Earth
27. trusty snow
28. infinite synthesis
29. sister's noise

しずくさんの宇宙人みたいな衣装を見つつ灰になっておりました。

en1. way to answer
en2. LEVEL5 -judgelight-
en3. only my railgun(ラスト部分繰り返し)

アンコールは当然のごとく超電磁砲構成ですね。僕からするとway to answerはいつも流れる位置が恵まれない。
聞きたい曲が聞けたし、この流れは当然のようにわかっていたので文句は言わないです。あ、この時間着替えてました。

アンコール一発目にクロゼが来て、一番最後ががWith the lightだったら生涯最高のライブになっていたと自負しますが、ないよね。

全ての楽曲を歌い終えた後、重大告知があって、
PCゲームコンピVol.2の発売日が8月26日に決定(sword of virgin、fortuna、の収録が決定しており予想よりも早かったので高まった)
さらに9月から8都市ホールライブ(ということは座席有ということかな)開催が決定。(他の情報は要らないので削ります)

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ツアーで設置するようになったリウムのゴミ箱も。

ライブ終了後、界隈の人達と軽く話して解散。


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参加された方々、お疲れ様でした。

帰宅後に、十六夜のフォルトゥーナを起動した。
僕が一番好きな、ラストの姉との会話の回想シーン。あるがまま自然であれと、私が一番刺さった場面だ。

fortuna on the Sixteenth nightがもたらしたものは圧倒的な高まりだったが、With the lightを聞いて、私は泣いた。


総評:横浜公演単独でみれば本来の期待に応えた水準
長かった……
けれどもフォルトゥーナを巡る旅は終わった。fSが歌唱された点については、ようやく、という気持ちだ。

ライブの構成としては、ゲーム曲の構成も期待を満たす水準であり、さらに古参、2期からのファン双方が楽しめる構成だったと思う。アニメ、ゲーム双方のファンがバランス良く楽しめる構成が本来求めるべき姿であると考えており、優秀な出来であったと言えるだろう。

良かったといえばその通りだが、絶賛するかとどうかといえば、むしろ「本来求めていた水準にようやく達した」というのが実感であろうか。それくらいis2ツアーやカウントダウンライブの構成は偏っていた。
このブログを見に来るであろうエロゲクラスタな方々にはまずもってfSのライブはお勧めできない。余談3に書いた通り、最終公演のみ参加して効率を稼ごう。






余談1:the chaostic worldとRedを仕掛けたのは?
これまでのライブ等を通じて感じてきた八木沼氏の特徴は、自己主張が強い、またノリを重視する面が挙げられると思う。だから、ライブ等においてはロジカルにライブやセットリストをくみ上げるというよりは自分のやりたいことを実現する方を優先したり、周りのスタッフにやりたいようやらせるマネジメントをしがちで、(周りのスタッフが優秀でなければ)客観的な構成そのものを作ることには向いていないように思える。これはサイリウム放置が問題になった札幌公演や、変わらず遅延する開演などからも現れているように思う。ファンとの対話に関しても、どちらかといえば肯定的意見ばかりを見る傾向にあると思う。一方で職人的な目線も持っていて、多くの人が評価しているように、ボーカリストの音域に合わせた楽曲を作るなどのこだわりも見られる。

私の中で、fripSide一期が解散した要因の一つは、二人の方向性が逆だったからと考えている。なおすんはファンとの対話を大事にしていく一方で、八木沼氏の姿勢はワンマン体制、黙って俺に付いてこい的な姿勢であったからだ。(今のfc運営やグッズ展開等から察してほしい)この点をみると、八木沼氏とジョルノの相性は非常に良い。ある程度幅広く仕事をこなす彼女の姿勢はサバサバとしており、仕事は仕事として割り切っていることが見てとれるからだ。これはライブ中のMCにおいても、彼女が非常に気を遣っていて、八木沼氏が発言する際には距離を置き、彼が触れない話題には追求しない姿勢から読み取ることが出来る。

さて、なぜこんなことに触れたかというと――――ライブ後にあるコンセンサスが出来ていたからだ。それは、
「the chaostic worldが来たのは頭おかしかった(褒め言葉)けど、あの選曲考えたのって絶対八木沼…というかこれまでのスタッフではないよね」

今回のライブにおける違和感を集約すると、
the chaostic world、Redの2曲である。この2曲は恐ろしく配慮が行き届いていて、似たような違和感は前にも感じたことがあった。カウントダウンライブ2013におけるAlice in Rossoが降ってきたとき、そして超音楽祭でShooting starがカバーされた時だ。

the chaostic worldは基本的に喋りたがるsat氏が全く触れなかった(先ほどの性格分析に繋がる)こと、さらにALTIMAに歌わせたこと、Redに関してはまず音域がここまで違う曲をキーを変えてまで、八木沼氏本人が歌わせたとは思えず、更にわざわざメーカーに許諾を取りに行く(なおすんは130cmに電話して昨年Redの歌唱に至った)発案をするとは思えなかったからだ。
しかし、ここでthe chaostic worldを持ってくるのは古参ファン歓喜であるし、Redは一期をそう知らずとも知名度の高い、象徴ともいえる超アンセム楽曲で、歌われれば間違いなく会場が盛り上がる曲だ。この2曲は、本当に分かっている発想で、恐ろしく配慮が効いていたのだ。
私はこの2曲が歌われたことに、"調整の匂い"を感じ取った。
これらを発案し、仕掛けたのは八木沼氏やこれまでのライブ関係スタッフではなく、昨年からのfripSideの展開を冷静に見つめていたライブ構成に口を出せる立場の第3者であると思う(より深く突っ込めばNBCUのプロデューサーレベル以上)。
Redが歌われた後に、なおすんの話題でやや話を濁していたのは単純にグループ解散に通ずる話というよりは、八木沼氏の意志によらない調整が影にあったからではないか。

無論八木沼氏に関しては、優れたアイディアに対しては寛容的である面も見えるが、私の中でisツアー、カウントダウンライブの運営レベルで発案出来るのはALTIMAをサプライズゲストに呼ぶまでであったとみている。
規模がここまで大きく拡大し、記念行事ともいえる横浜公演であるからこそ、そしてここまでの流れやファン層の声を冷静に見ていて、いい加減アレとアレはやるべきだろうと、ライブの裾野を広げた指示が降りてきたのではないかと考えている。(正直言ってあのRedの演出は異常といえるほど、段違いの完成度でした)

ちなみにfortunaの歌唱は八木沼氏の発案でもおかしくないとの認識。だってめっちゃドヤ顔で歌ってたから。
(私以外にも訴えかけた人いるかもしれないし、「仕方ねーなー入れてやるかー」的な)


余談2:PCゲームコンピ2収録曲を考える

1. sword of virgin (恋剣乙女 OP)
2. Happy Go Round (恋剣乙女 ED)
3. Blaze of Reunion (恋剣乙女 ~再燃~ OP)
4. Clover Heart's -Re:product mix- (Clover Day's sofmap特典 Clover Heart's AR)
5. fortuna on the Sixteenth night (十六夜のフォルトゥーナ OP)
6. With the light (十六夜のフォルトゥーナ ED)
7. Hesitation Snow (はつゆきさくら OP)
8. glow in the darkness (南十字星恋歌 OP)
9. keep your promise (1/7の魔法使い OP)
10. join forces (1/7の魔法使い ED)
11. last fortune (ティンクル☆くるせいだーす -Passion Star Stream- OP)
12. Sweetest memory (ティンクル☆くるせいだーす -Passion Star Stream- キャラクターソング)
13. Hesitation Snow (playbutton edition) playbutton 収録
14. precious time (花咲ワークスプリング! グランドED)
15. before dawn daybreak (:南條愛乃カバー)



※playbuttonにfripSideとしての収録実績があるため

列挙しただけなのだがアルバム発売には十分、しかし驚くべき川崎海率。
描きおろしあっても良いかもしれないけど、演奏されまくっているbddのカバーを本収録しても面白いのでは。
そして闇と化しつつあるHesitation Snow (playbutton edition)は入るのか。
現状で八木沼作曲の楽曲が少な過ぎなので可能性はありうる。あとは最新シングルのunlimited destinyもわざわざ"PCブラウザゲー"と入っているくらいだし、八木沼作曲だし入るのでしょうかね、はぁ…


余談3:fSライブは最後が肝心らしい

この意味も含めて、PC八木沼作曲以外の曲オンパレードである夏の8都市ホールツアーのセットリストが、どうなるのか、非常に楽しみですねぇ。

本ツアーライブを通じての教訓は、初披露にこだわらないのであれば、
fripSideライブは最後の規模が一番大きい公演に参加すれば大体カバーできるいうこと。憶えておきましょう。

fripSide現場を引退していいかなと思うとともに、「ああ、9月からのツアー、フォルトゥーナ作品内の季節と同じだ」「With the light」という単語が脳裏を過るLumiLiaであった。

(※私はfSは夏に聞く曲だと思っている)

長い記事をお読みいただきありがとうございました。


コメント

  1. 倉印 | URL | JBFGtPPo

    こんにちは
    月の箱庭のアレは山下慎一狼の作詞している楽曲にも注目するといいですよ
    feeling trust
    prominence
    absolute one
    このあたりがオススメです
    binary digitはアレの為のアルバムといっても過言ではありません
    使われているのは違うところですが・・・

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