2014年06月25日 21:41

Galaxy Note3 SC-01Fを導入した。以下では、本機の動画再生能力及び発色にフォーカスして感想を述べる。
比較対象は同じサムスン製スマートフォンのGalaxy S3α SC-03Eを中心に行う。
■外観など
5.7"@1920x1080のダイアモンドペンタイル方式だが、SC-03E(4.7"@1280x720、ペンタイル)よりもdpiは向上、通常の使用でドットの視認は出来ず、満足の行く解像度の高さだ。LumiLiaはこれまでGS2で採用されたRGB配列のOLEDを理想としていたが、ペンタイルはOLEDの蛍光体の各色の劣化ペースの差を低減する役割を持っていることも察し、ペンタイル方式からの脱却は、ほぼ無理であると思うに至った。
枠も狭まっているが、ベゼルレスのコンセプトでは、LGのL-01F等の方が完成度が高いと思っている。
■動画再生能力は大きく向上
特にハードウェア再生支援機能の向上が顕著だ。
MX動画プレイヤーにて、うたわれるものED MPEG4-AVC@60fpsを最後まで完走出来た初めての機種となった。
終盤、壁画が全画面となる箇所でSC-03Eはブラックアウト、Nexus7では同期ズレを起こしハードウェア再生支援の限界を確認する形となっていたが、SC-01Fではコマ落ち無く最後まで完走。
また、ハードウェアデコードに対応していないmpeg2やwmvの再生能力も向上している。
角砂糖系の超ハイビットレートmpgやはつゆきさくらの製品版収録wmvがまともに再生できるようになった。これまで確認していた機種では全てでコマ落ちが発生していた。
以前にも検証に用いたminori movie collection Vol.2収録のeden* OP MPEG4-AVC@m2tsのハードウェア支援再生もコマ落ち無く再生出来ることを確認。
MPEG2-TS動画についてもBS11等のハイビットレートでも、MX動画プレイヤーにて、デインターレース処理を効かせた状態でスムーズな再生が可能となった。SC-03EやNexus7(2013)ではBS11ソースでは処理が追いつかず、次第に音ズレが発生してしまい、実用に耐えうる品質になった。
強いて面倒くさい点を挙げると、ソフトウェア側の問題だが、プログレッシブ動画を見る際、デインターレース処理を有効にしていると解像度が低下してしまうことだ。
動画再生に関しては、残す所、フレーム補間さえあれば何も不満がないのではないかという次元に達したとの判断だ。

■発色傾向も改善が見られる
SC-03EとSC-01Fの発色を比較して感じるのは、SC-01Fの白の自然さ。両者を比べると違いすぎて、おもわず笑いが出るレベルだ。
デジカメだと差が出せないので、キャリブレーターによる測色結果でご覧頂きたい。
まず、1年間半の使用で、SC-03Eに画質劣化が生じているのか、検証。
・Galaxy S III α SC-03E 色域
13年1月(購入時):

14年6月:

・ホワイトバランスは若干シアン寄りに。
・中間色に変化が見られるがリニアリティは変化なし。
・Galaxy S III α SC-03E 各グレースケールのガンマ値
13年1月(購入時):

14年6月:

・グレースケール毎のガンマ値の比較では右肩下がりの方向感は変わらず。
SC-03Eの経年劣化をまとめると、使用経過により、元々大きくずれていた白色の基準点D65との乖離は広がり、より緑がかった感覚を持つ。
これがOLEDの劣化で、実際の使用感として、かなり気になる。
続いて本題であるGalaxy Note3 SC-01FとSC-03Eの比較。
・Galaxy Note 3 SC-01F vs Galaxy S III α SC-03E:色域
SC-01F:

SC-03E:

・色域はGN3でやや狭めに
・ホワイトバランスが改善
・リニアリティは圧倒的に改善。特にG,R,Y。
正しい色を求めるのであれば、OLEDよりも液晶を選ぶべき、との目線は変わりない。
しかし、GS3以降、OLEDの発色には賛否が出たせいか、相当調整された印象を受ける。特に中間色の改善が顕著だ。まだ正しい色からは乖離があるとはいえ、GS3と比較して驚くのは白の自然さだ。
Galaxy Note 3 SC-01F vs Galaxy S III α SC-03E:各グレースケールのガンマ値
SC-01F:

SC-03E:

・青線の平均値で各スケールのガンマ基準との乖離が縮小していることが確認できる。
暗部の表現はSC-03E以上に秀逸である。
SC-03Eでは輝度を最大とした時に光漏れが確認できていたが、SC-01Fではそれが一切見られ無い。
ヴァニタスのOPを再生したときの序盤、完全な漆黒の中から、赤が鮮烈に立ち上がる様は感動ができる。
OLEDの出せる漆黒は、未だ液晶が到達出来る次元には無い。
■サムスンのOLEDは大分まともになっていた
…まとめると、ホワイトバランスに関してはまだ課題は残している状況だ。さらに、OLEDはまだ経年劣化に対するリスクを残しているように感じる。大型化が進んでいない要因も一つだが、OLEDは技術的な障壁もあり、各社の投資額は減少傾向、飛躍的な進化はあまり望めそうにない。
それでも、過去のパネルと比べれば、その特性は圧倒的に改善され、調整された印象を受ける。
暗部表現は更に秀逸になり、ギトギトの広色域の発色は強烈だ。
最近はDJイベント前の暇な時間にデモムービーを見る機会が増えたので、wmvとmpeg2の再生能力が向上したことは大いに喜ばしいと思った。
原色多めのHGBのOPムービーで輝くような発色に目を奪われている。
自然な色合いも良いものであるが、広色域で彩度の高い発色で見るアニメやエロゲムービーにも、楽しさがある。
発色の特性を踏まえた上で、OLEDを選択することは大いに推奨したい。
5.7"@1920x1080のダイアモンドペンタイル方式だが、SC-03E(4.7"@1280x720、ペンタイル)よりもdpiは向上、通常の使用でドットの視認は出来ず、満足の行く解像度の高さだ。LumiLiaはこれまでGS2で採用されたRGB配列のOLEDを理想としていたが、ペンタイルはOLEDの蛍光体の各色の劣化ペースの差を低減する役割を持っていることも察し、ペンタイル方式からの脱却は、ほぼ無理であると思うに至った。
枠も狭まっているが、ベゼルレスのコンセプトでは、LGのL-01F等の方が完成度が高いと思っている。
■動画再生能力は大きく向上
特にハードウェア再生支援機能の向上が顕著だ。
MX動画プレイヤーにて、うたわれるものED MPEG4-AVC@60fpsを最後まで完走出来た初めての機種となった。
終盤、壁画が全画面となる箇所でSC-03Eはブラックアウト、Nexus7では同期ズレを起こしハードウェア再生支援の限界を確認する形となっていたが、SC-01Fではコマ落ち無く最後まで完走。
また、ハードウェアデコードに対応していないmpeg2やwmvの再生能力も向上している。
角砂糖系の超ハイビットレートmpgやはつゆきさくらの製品版収録wmvがまともに再生できるようになった。これまで確認していた機種では全てでコマ落ちが発生していた。
以前にも検証に用いたminori movie collection Vol.2収録のeden* OP MPEG4-AVC@m2tsのハードウェア支援再生もコマ落ち無く再生出来ることを確認。
MPEG2-TS動画についてもBS11等のハイビットレートでも、MX動画プレイヤーにて、デインターレース処理を効かせた状態でスムーズな再生が可能となった。SC-03EやNexus7(2013)ではBS11ソースでは処理が追いつかず、次第に音ズレが発生してしまい、実用に耐えうる品質になった。
強いて面倒くさい点を挙げると、ソフトウェア側の問題だが、プログレッシブ動画を見る際、デインターレース処理を有効にしていると解像度が低下してしまうことだ。
動画再生に関しては、残す所、フレーム補間さえあれば何も不満がないのではないかという次元に達したとの判断だ。

■発色傾向も改善が見られる
SC-03EとSC-01Fの発色を比較して感じるのは、SC-01Fの白の自然さ。両者を比べると違いすぎて、おもわず笑いが出るレベルだ。
デジカメだと差が出せないので、キャリブレーターによる測色結果でご覧頂きたい。
まず、1年間半の使用で、SC-03Eに画質劣化が生じているのか、検証。
・Galaxy S III α SC-03E 色域
13年1月(購入時):

14年6月:

・ホワイトバランスは若干シアン寄りに。
・中間色に変化が見られるがリニアリティは変化なし。
・Galaxy S III α SC-03E 各グレースケールのガンマ値
13年1月(購入時):

14年6月:

・グレースケール毎のガンマ値の比較では右肩下がりの方向感は変わらず。
SC-03Eの経年劣化をまとめると、使用経過により、元々大きくずれていた白色の基準点D65との乖離は広がり、より緑がかった感覚を持つ。
これがOLEDの劣化で、実際の使用感として、かなり気になる。
続いて本題であるGalaxy Note3 SC-01FとSC-03Eの比較。
・Galaxy Note 3 SC-01F vs Galaxy S III α SC-03E:色域
SC-01F:

SC-03E:

・色域はGN3でやや狭めに
・ホワイトバランスが改善
・リニアリティは圧倒的に改善。特にG,R,Y。
正しい色を求めるのであれば、OLEDよりも液晶を選ぶべき、との目線は変わりない。
しかし、GS3以降、OLEDの発色には賛否が出たせいか、相当調整された印象を受ける。特に中間色の改善が顕著だ。まだ正しい色からは乖離があるとはいえ、GS3と比較して驚くのは白の自然さだ。
Galaxy Note 3 SC-01F vs Galaxy S III α SC-03E:各グレースケールのガンマ値
SC-01F:

SC-03E:

・青線の平均値で各スケールのガンマ基準との乖離が縮小していることが確認できる。
暗部の表現はSC-03E以上に秀逸である。
SC-03Eでは輝度を最大とした時に光漏れが確認できていたが、SC-01Fではそれが一切見られ無い。
ヴァニタスのOPを再生したときの序盤、完全な漆黒の中から、赤が鮮烈に立ち上がる様は感動ができる。
OLEDの出せる漆黒は、未だ液晶が到達出来る次元には無い。
■サムスンのOLEDは大分まともになっていた
…まとめると、ホワイトバランスに関してはまだ課題は残している状況だ。さらに、OLEDはまだ経年劣化に対するリスクを残しているように感じる。大型化が進んでいない要因も一つだが、OLEDは技術的な障壁もあり、各社の投資額は減少傾向、飛躍的な進化はあまり望めそうにない。
それでも、過去のパネルと比べれば、その特性は圧倒的に改善され、調整された印象を受ける。
暗部表現は更に秀逸になり、ギトギトの広色域の発色は強烈だ。
最近はDJイベント前の暇な時間にデモムービーを見る機会が増えたので、wmvとmpeg2の再生能力が向上したことは大いに喜ばしいと思った。
原色多めのHGBのOPムービーで輝くような発色に目を奪われている。
自然な色合いも良いものであるが、広色域で彩度の高い発色で見るアニメやエロゲムービーにも、楽しさがある。
発色の特性を踏まえた上で、OLEDを選択することは大いに推奨したい。
コメント
しゃかもと | URL | -
Re:GALAXY Note 3 SC-01F の発色、動画再生能力を検証
GALAXY Tab Sの有機ELは非常に評価が高いですが
小型のエロゲディスプレイ用途としてはどう思いますか?
( 2014年08月11日 14:54 [編集] )
Prima | URL | 3/2tU3w2
Re:GALAXY Note 3 SC-01F の発色、動画再生能力を検証
>しゃかもとさん
広色域が受け入れられるのであれば、OLEDは非常にエロゲ向きだと思います。
私があくまでエロゲデモの再生を中心に解説しているのは外部映像入力や、Android環境下でのエロゲ用途を想定していないためです。
Galaxy Tab Sについてもどのようにしてエロゲ画面を映すかがポイントとなるのではないでしょうか。
( 2014年08月18日 22:12 [編集] )
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