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ALcot「Clover Day's」 体験版 感想

2014年03月12日 22:46

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Alcot10周年記念ライブ━━━━昨年開催されたソレは、私の心に大きな傷を残した。
それから半年、ALcotが10周年記念作品と題し、威信をかけて製作を手がけている作品が「Clover Day's」だ。

開発の経緯を辿れば毎年エイプリルフールにクロハ2ネタをかました結果、ユーザーの声が大きくなりすぎて本当に作ることになったと冗談交じりではあるが現実を帯びた話が聞こえてくる。名前に共通した特徴の通り、本作はClover Heart'sから10年後の世界が舞台となっている。(ただし、前作のメインヒロインが攻略可能、ということはない)
新本三部作で大きな転換に成功したALcotが、再び原点を見つめ返した作品━━━━そこにはALcotの10年が積み上げられているはずだ。その手がかりを探りに、体験版の感想を書き連ねたい。
■ビジュアル:精細感あるタッチ、複数原画の違和感は塗りによりカバーされている
杏璃ちゃんペロペロ。
これまでのALcotが好きなら…もといロリスキーにはたまらない絵柄でしょう。
動作解像度は1280x720ですが、CGは2560x1440で収録され、拡大する箇所では一層高精細に描かれている。
パッケージ画像を見ればわかる通り複数原画だが、塗りの統一によって違和感なく仕上がっている。

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立ち絵の表情もオーソドックスなものからデフォルメ調まで豊富。スクリプトが豊富に組まれ、コロコロと表情が変わっていく様はキャクラターの可愛さを巧く引き出していると思う。
ただ個人的には////は気になる。

システムの安定性、UIの統一感も含めて最高水準だと思います。
ALcot作品の特徴でもあるが、テキストウインドウが立ち絵の位置に合わせて動くため、キャラクター名が表示されることなく、自然と世界観に入ることが出来る。

背景は十字路、噴水、商店街…そうClover Heart'sでみられた場所があって懐かしさを感じることが出来る。10年での街並みと解像度の進化をひしひしと感じます。

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まぁガタッとなったのはこのロシアーな服ですがね!


■音楽:アコースティックを中心に水準の高さを感じる
担当はManack氏、まにょ氏。ねこねこ系列やVA等過去の多くの名作を担当されてきた半端ない方々が揃っております。この陣営の曲を聞くのはRewrite以来だろうか。弦楽器を中心にアコースティックなBGMが多く、ピアノの旋律だけでも胸に切なさを抱かせる。音楽だけでも本作の購入を決意できる。
音質も体験版段階で文句なし。クロハを意識した旋律が多かったことも破壊力を倍増させました。
一番やられた、と思ったのは体験版本編で聞くことはできなかった、ラストの告知で流れた「memories for us.」の弦楽器バージョン。泣けるシーンで流れたらあかんやつな気がする。
ジングルは10周年を記念してかオーケストラ調で豪華。
CloverDay'sはOPムービーと共に見て歌詞の意図するところがより明瞭になったと感じられる。OPムービーはサビ前でヒロインの台詞が入る。ALcotの十八番だ。
特典ではfripSideによるClover Heart'sカバーアレンジとのことで追加余裕ですね。


■声:ALcotの集大成……とその良し悪し
まずはメインキャストのお名前を見ておこう。比較的良く見る名前が多く並ぶ中、一際目立つ名前が…

杏璃:黒須桐子

くろす……CC?くろすとうこ?…黒スト子。
どう見ても名付けたのは宮蔵氏ですね。

見慣れぬ名義に、ネットではアグミオン説等様々な思惑が走り、私は冬コミにその声を確認しに参りました。その正体は咲野かなで。Navel御用達だった印象が強く、最近は大きなメジャー作品を担当している。私的には好みの声質なので、思った以上にポジティブキャスティングだった。

全体的に声を聞いて、キャラクターとのマッチングは、非常に高いレベルだと思います。
泉ちゃんは低めの声で輪郭の柔らかい楠原ボイスの本領がフル発揮されている。(ドストライクです)
つばめは大阪弁風だが、いつものそよそよボイスですね。
ヒカル、ヘキルも…りっかりんこと北見六花さんはこのところ壊れんばかりのマシンガン変態キャラが多かったことを踏まえると、普通の役になって良かったですね。クール系は新鮮かも。演じ分けについては個別√での本領発揮を期待したい。
サブキャラクターは、あすりんをクロハを踏襲し青山ゆかり担当。あと一ノ宮葵は私的に本当に推せる。
ひな葉月はとても良い声です。ラジオによればエロゲ出演は初とのことだが、パーソナリティとの会話を見るに、経験年数的に大御所。シーンはないのだろうな。

ただ、えろげぷれいやーなら、間違いなくどこかで聞いたような…と思わせるシーンは存在する
杏鈴が「わふっ」→杏鈴・ガイヤール、
杏璃の妹キャラ、「兄さん」との呼び方、大体の口調→大蔵杏璃
…と浮かんでしまったのは私だけではないと思う。

序盤のこの発音なぞまさにぐぬぬさんである。
cdtri001.jpg

クロデのCVキャスティングはALcotの方針を踏襲した集大成ともいえるものと考えている。
ALcotのキャスティングにはこれまで継続採用志向と新人採用志向、2つの傾向がみられてきた。
前者は率直に言えば宮蔵御用達キャスティングだ。ALcot作品にはメインヒロインを担当後、更に別の作品のメインヒロインを担当するといったキャスティングが多く見られる。一度使ったことのある人は使いやすい等の収録事情の面や、製作者の好みが出てしまうのは人間的に理解できる一方で、私の考える世界観の広がりという観点とは相反する要素であると考えている。
ただし、声優の固定化は、ブランドイメージの確立や、遠野そよぎに見られるような熱狂的な信者層が売上のリスクヘッジとして機能するなどメリットも大きい。人気の高い中の人を効率よく起用する(以前一緒に録ったんじゃないか?という位キャスティングが被って一緒に契約したんじゃないかという作品がありましたな)のはビジネス的にも正しい。(だからこそ私はここにリスクを取りに行くファーボの路線を評価しているのであるが)
というわけでこの路線の起用でそよそよ、りっかりん…そして桐谷華もALcotでは5作品目、メイン担当3作目と考えればその範疇であろう。中の人などいないに続いてだから、相当気に入られているものとみる。

後者、もう一つの傾向が新人採用志向だ。ALcotは姉妹ブランドを中心に、出演経験の少ない新人を採用している。その後大きく躍進した人も少なくない。
立花あやを曲芸系以外で最速起用したことや、藤咲ウサの名があまり知られない中、春ポコのメインに配置したことは最たる功績との認識だ。最近は新人をまずサブヒロインから、その後メインヒロインを…という流れが主流だ。今回の黒須桐子、一ノ瀬葵はそのパターン。
泉役の楠原ゆいは、本当の意味でALcotとして新しい顔ぶれだ。minoriの夏ペル以来主演作が増えつつあり、かなり巧い所を持って来た印象を持つ。ALcotと仲が良いFavorite繋がりで縁が出来たんじゃないかと思わなくも無いところだ。

私がクロデにおいて最も懸念していたのは御用達CVで占められてしまうことだったが、結果としては継続採用志向で最大限のリスクヘッジをかけながらも、ある程度は意識されて調整された印象を持った。佐藤しずくは高すぎたんじゃないかと思っている。


■システム:透明感あるUIで統一され、完成度は非常に高い
KIRIKIRIベースだが、統一されたカラーとUI、スムーズに動くテキストウインドウ、立ち絵、更にシーンジャンプの搭載など、そのバランスの良さと統一感は最高峰といってよいと思う。
特に淡い翠色で統一され、透明感のあるUIがあらゆる画面で統一され、美麗の一言。
シーンが移るときに表示される「Clover Day's」のタイトルロゴや、バックログ両端に仄かに浮かぶクローバー模様…ココロ@ファンクションと同様、システムに求められる安定性という枠を超えた、美学を感じた次第。


■シナリオ:体験版はスタート地点。一定の成功を得られると予想する
ALcotが導き出した10年の答えはハーレムだった━━━━

パロディやノリの良い会話等、今のALcotさを充分に活かしながら、しかし背景や服装からだけではない、Clover Heart'sから受け継がれたものも確かに感じ取った。
それをまず感じ取ったのは過去編の描写だ。優人にとっての和、杏鈴にとっての杏璃、優人…という自らを保つための、他人を踏み入ませない、不変が望まれる聖域━━━━これは、クロハでは白兎にとって教室で、夷月には街の喧騒だった。
同じ観点をクロデに持ち込めば、最終的な聖域の形となった"主人公を取り巻く今の関係"からの変化が本作の趣旨なのであろう。

Clover Day's体験版は本作の趣旨とみられる変化を描いたものではなく、変化に至る前の足がかりで終わった。
なぜなら街や外見の変化は示されながらも、登場人物の性格は過去からほぼ変化はなく、話も幼少時代に完成された関係が全員が一同に介し、再開されたに過ぎないからだ。体験版はスタート地点、だから作品を見据えることは難しい。
日常会話はパロ成分を含ませながら、テンポ良く進行する。ここからはALcot後期で培ったノウハウを感じさせる。
優人については、その思考の機微がモノローグで描写されるわけではなく、あくまでテキスト量は極力軽く、行動でヒロインへの気の遣い方や性格が表されている。イケメンは正義なのだ……

崩壊した日常から始まったクロハと比較すると構成は非常にマイルドだ。まずヒロインの好感度はほぼ全員MAXに等しい。心が締め付けられるようなシーンは、クロハの影を感じた主人公の過去シーンでの和との会話程度であった。
つまり、凄く優しい。これは時代に合わせて来たのだろうと思う。
Clover Heart'sが基本的に2人の関係の変化、それに伴う成長を描くことに特化していたとすれば、その形が集団になったことがClover Day'sでの挑戦なのかなと思った。宮蔵氏のシナリオは修羅場こそ本領を発揮するため、巧く舞台は整っているように思う。

各個別ルートに至る伏線は撒かれており、展開される話を予想するに、オーソドックスながら、王道ともいえるべきテーマを揃っていると感じられる。
クロデのヒロインは何かしら問題を抱えている。
泉は両親や金銭に絡む家庭事情、つばめは演劇関係の問題へのフォーカス。
ヘキル、ヒカルは、双子ネタであればこそだが、10年前と現在で2人が入れ替わっているのだろうと思う。
杏鈴は兄への依存が趣旨なのではないかと思った。
そして杏璃ルートは肝でもあるが、OP内のフレーズ「双子×双子×双子」の明かされなかった最後の双子、優人と真の双子である和との再会が絡むシナリオではないか。(和に位置するヒロインは実在し、つばめを双子という解釈はミスリードであると考えている)。
おそらく杏璃と物凄く立ち絵が似るはず。ああ、修羅場るな。

体験版から感じた不安な点は2つ。まずテキストの技量だ。
終盤の展開は、茶番であることを察せさせながらも、文量が多く、冗長だと思った。前置きを長くして軌跡を辿り、街を散策するという舞台を整えた割に、泉とヒカル・ヘキルの和解が唐突でそのまま体験版は終了。リソースを注ぐべきテキストのバランスがあまりよくないように思えた。
日常がパロで固めれば固めるほど、シリアスでの起伏や抑揚、その転換を描き分ける技量が必要になる。書くべきところが書かれ、冗長さを無くすことは全体の重さやテンポにも繋がる。
もう一つの不安が構成面だ。例えば過去のストーリーの入れ方。必要以上に分散したように思えた。描かれたものは「10年前」と「今」という点でしかなく、それを線で結ぶ情報が不足していたように思う。昔のメンバーが揃い、止まっていた時計が動き出す。流れは素敵だが、主人公と別れずに10年を一緒に過ごしたメンバーとの関係はどうだったのか?
今、多くのエロゲ作品で見られるのは、「これはこうです」とただ説明されるだけの世界設定だ。設定を伝えたい気持ちはとても分かるが、それを説明する段取りがテキストに現れていないことが多い。アイルノーツを始めとして、このような作風に対し、プレイヤーには今はそれを無視する技術が求められていると思うが、物語に感動という要素を含ませる場合、論理の一致、人間としての自然な行動は不可欠だと思われる。
クライマックスをクライマックスとしてより端的に感動を呼び起こせるライターは非常に少ない。
おそらく個別シナリオは相応に面白いと思うが、クライマックスの感情が最も高まるシーンを感動に押し上げられるかという点で、私にとって先の2つの不安点はネックになりかねないと思った。

すでに好感度が高い状態で関係が出来上がったところから描写され、また幼少期の好感度が上がる過程は短く、淡白だ。恋人になって以降の変化にフォーカスする作品は非常に多いが、10年間という期間を対比して描く以上、その過程、一見無意味に見えても地道に人間関係の積み上げを描くことは、感動という波の高さを左右する重要な要素なのではないかと思う。
描きたい内容にテキスト、構成が追いついているかどうか、注目点である。

ところで、現在のところ、Twitterハッシュタグを参照するとClover Day'sに対するコンセンサスは非常に良質で、ALcotファンの心を掴んでいるように思える。(私のような不安を持っている人は少ないと思われる)
予想される個別ルートの内容が展開されれば、本作はALcotファンにとって一定の評価を得ることが予想されるだろう。

つまり、Clover Day'sは成功する。それが名作に至るかどうかは別として。

体験版終了までは2時間半ほどであった。
思ったよりクロハっぽいところもあって嬉しさを感じた。
既存の関係を壊したくないという葛藤が描かれる作品(真っ先に上がったのはぐだぐだの極地だったマブラヴアンリミだが)は今までたくさんあって、またグループの絆を扱った作品(るいともとかりとばすとか)も結構あったのだけど、2つを組み合わせて、人間関係の変化を主軸に置いた作品はもしかして他にないのかも知れないと思った。計算の上で踏み込んでいるような気がする。

そんなことを思いながら、発売まであと2週間程。不安ばかりだった本作であるが、少しだけ光が見えたような気がした。今のALcotの姿が現れるその時を、やや緊張感を持ちながら楽しみにしている。

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余談:管理人は泉の性格が大変好みで、容姿も含めてならば杏璃推しだが、友人からは「ツンデレ好き」との論評が下った。あと一ノ宮葵さんの声は全く、素晴らしい。(記事を書くためにやり直した感想)



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