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ミクパ 2013 in Sapporo 感想

2013年05月09日 19:01

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2/9に札幌市民ホールで開催された初音ミクライブイベント「ミクパ♪ 2013 in Sapporo」に参加したので感想を述べたい。

  <時間のない人向け要約>
総評:公演時間2時間とコンパクトだが未来のライブの在り方を感じた完成度の高いライブ
・二次元のおにゃのこが歌って踊るのは存外素晴らしい
・フロントPJのスタック投射による立体感ある映像を高く評価
・生演奏により、音の品質は高い
・観客からはミクへの愛が溢れる

セットリスト:
・「千本桜」初披露
・「ココロ」や「ロミオとシンデレラ」の演出で舌を巻く

環境:
・3枚横連結のディラッドボード、PJ縦2台、左右からリア投射
・会場背後から縦2台スタックで大型スクリーンに投射

観客:
・アニメ・ゲーム系とは一部層が異なる
・女性率は非常に高い
・ガチ系から溢れるインドア臭
・PPPHはあるが警報はない
・Fu!Fu!もない
・オイオイ厨多し


■序章
まず断っておくと、LumiLiaはこれまでボカロ曲を多くは知らず、こういったボカロ系ライブも初参加であった。

今まで率先して聞いてこなかった理由は、楽曲数が多い分、音の品質に甘い部分があったり、好みの曲にあたる確率も低いからであった。
また、私の感覚ではボカロの音声は、声と言うよりも一つの電子楽器に近い。その中で気に入ったのは電子楽器としてボカロを生かすこと、すなわち音域変化や機械的特徴を生かした曲であった。

ライブ前、いつものように雰囲気や要領を掴むために掲示板を覗いたが、
ミクパははがないライブ等とは別方面で敷居が高いものであった。
まず、ボカロライブスレはアニソン板でもなく、アニメサロンex板でもなく、Youtube板にある。さすがはニコ動で培われたジャンルだ。
そして、アニメ系ライブスレとは雰囲気が違うのだ。

・予想セットリストは挙げられない
→ボカロライブは基本となる鉄板リストに、新曲が数曲追加される構成のため、予想リストを挙げる意味はないため。有名曲は知っていることも前提なのだろう
・サイリウムに対する規律が厳しい
→公式発表に先立ちスレ内ルールが存在。高輝度が推奨されない理由は、ライブで使用される半透明スクリーンの反射率が高く、輝度の高いサイリウムが映りこんでしまい映りが悪くなる、というまっとうなものだ。

遠征中心だけあってご当地ネタ、旅行ネタも豊富だ。関東系フェスとは違う。リウムカラーも決まっているため、論争もない。
故に馴れ合い色が強く、情報を得ることには向かないスレなのであった。

一点運営について苦言を呈すと、サイリウムのルールが前日になって公表されたことはいただけない。
fripside等でも見られた開催直前のルール設定であるが、特に地方開催でLEDペンライトの持込み可否にまで言及する場合、ある程度の期間を置くべきだ。
解釈は各々に任せるが、面倒くさいことになった際のリスクヘッジとしての事務的対応の側面が強いとも思える。実際、ライブでもキンブレXもかなり多く見かけていた。現状は、ルールを守る側が損をする形に近いと思う。



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朝早くの飛行機で北海道へ到着。
ミクパは雪祭りに合わせて開催されたため、ライブ前にまず雪祭りを巡った。

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無事雪ミクとも邂逅を果たした。

ただし、

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天候は大雪だった。


雪まつりが思った以上の混雑で移動が制限されたため、会場到着はギリギリに。

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ホールに入ると、クリプトンとセガのスタッフ、そしてミクの中の人である声優の藤田咲さんが前説をしていた。
案の定暖房が効いてかなり室内温度が高かったので、半袖の臨戦態体制に。

会場環境は、ステージ中央に初音ミクを投影する横長のディラッドボードが設置されていた。3枚を横に連結したもので、黒い継ぎ目が確認できた。
ディラッドボードには背面からプロジェクター2台の縦スタックを左右に配置し計4台の投射体制であった。
その背後に400インチ程の大型スクリーンが吊り下げられ、こちらはフロントから縦スタック2台での投射。
フロントPJにはDLPロゴが確認、かつカラーブレーキングも見えなかったことから、3板式DLPプロジェクター、パナソニック製であることが伺えた。
黒の沈み、コントラストが大変優れており、奥行き感ある映像であった。

ホールは300人程度でさほど広さは感じず、1階席と2階席も通路を挟んで繋がっていた。
女性比率は4割以上でかなり多く、また男女問わずコスプレをした人も多い。
角川アスキー総研の調査ではボカロメイン層は10代女性が一番多く、20代男性、30代男性、20代女性と続く結果となっていたが、それを裏付けるような比率だったように思えた。
私の2列前にはょぅι゛ょがいたり、周りを見渡せば外人や50過ぎたようなおっさんもいたり、年齢層も広めだ。
男性の年齢層は女性に比べ高く、悪く言えばスパゲー以上に在宅臭がした。(ライブ最中の臭いもその証であった)

ちなみに管理人らが席に着くと、
「あqwなななな何回ですか?」
突然隣のミクT・ミクタオル完全武装のイベンターが話しかけてきた。
意味が掴みとれなかったので聞き返すと、
今回のイベントは何回参加しますか?」とのこと。
お、おう。この初回のみの参加であることをと伝えると、
そうですか。私は全部参加します
お、おう。このやや噛み合わぬ会話、距離感、全身武装、角刈りヘアー、コミケでよく見るオーラ?

「ミク、ミク、ミクうううぅぅぅぅぅぅぅううううううっ×△□!!!!!!!!」
ライブ前にしてこのテンション。(やるおのヘブン状態の顔を思い浮かべて欲しい)
あかん、この人ガチや。

コール&レスポンスでは、巧い返し、定番のコール等があると思うがそれとは異なり、MCの時にひたすら「ミクさん愛してる、愛してるよーー!」と叫びを挙げ続ける。魂を捧げている……
こういう方々によってミクパは支えられているのだと敬意を称したくなったが、彼がオイオイ厨(※)であったことはいただけなかった。

※無駄に合いの手「オイ!オイ!」を煽る人のこと。OPの台詞箇所でオイオイはねぇわ。合いの手は雰囲気を見てするべきというのが私の持論。

以下、セットリスト及び印象深い箇所の所感。

ミクパ 2013 in Sapporo

01: 千本桜
02: 恋色病棟
03: カラフル×メロディ (ミク & リン)
04: 私の時間
05: Yellow
06: ぽっぴっぽー
07: トリノコシティ
08: メランコリック (リン)
09: ココロ (リン)
10: fire◎flower (レン)
11: 右肩の蝶 (レン)
12: ローリンガール
13: 結ンデ開イテ羅刹ト骸
14: ロミオとシンデレラ
15: ピアノ×フォルテ×スキャンダル (MEIKO)
16: Pane dhiria (KAITO)
17: 千年の独奏歌 (KAITO)
18: ダブルラリアット (ルカ)
19: ルカルカ★ナイトフィーバー (ルカ)
20: 初めての恋が終わる時
21: こっち向いて Baby
22: 白い雪のプリンセスは
23: 初音ミクの激唱
24: Tell Your World

encore
 メルト
 Letter Song

・千本桜
一曲目は新曲披露だ…が!
これはキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

本曲をまともに知ったのが昨年のfripsideライブ帰りに立ち寄ったカラオケ店で作成したメンバーカードであった。
ボカロならではの曲という感じでもないが楽器の質や音圧が他に比べて良好で、過去の演奏歴もないことから、聞ければサプライズだと感じていた曲だ。
テンションは開幕にしてこの日一番のピーク、初めて目にする初音ミクの立体感ある姿と、背後で流れる桜並木の疾走感も相まって素晴らしい幕開けであった。
コスチュームは1曲目はデフォルトというお決まりもあってか、標準衣装での歌唱。しかし最後の部分でほんの短い時間だけ千本桜の衣装に変化し、魅せ方が上手いと感じた。

リウムは緑中心の中極一部に桜を表したピンクをチラホラ。
ちなみにミク系ライブのサイリウムはどうやら二分で振ることが通常らしい。少しぬるい。
私はあのアップテンポで四分で振らないわけにはいかなかった。
あと前半箇所のミクさんの身長がちょっぴり低かったのは気のせいだろうか。

・恋色病棟
ミクさんが白衣の天使になった。

・ココロ
この日聞きたかった内の1曲だった。アニサマ2010でリンの中の人である下田麻美がカバーしたのを聞いたときは大変感動したものだ。
ボカロの機械音声を見事構成に生かした、泣きメロ全開の曲である。
背後のスクリーンに無数のブロックがモノクロ調に投影され、演出との相性が抜群だった。

・fire◎flower
「アッオー」とみんなで言えるのは楽しい。それにしても、打ち曲にしか聞こえない(※参考)件について。

・ローリンガール
ピークが千本桜とすれば、ローリンガールは2番目に熱いと感じた曲だ。何よりサイリウムを振っていて楽しい。
アニサマの感覚であれば、間違いなくUO曲である。
「もういっかい!」と叫ぶ合いの手に加えて、緩急あるテンポが付いているのだ。

・ 結ンデ開イテ羅刹ト骸
統率された観客のコールと、巫女服のミクさんによる乱舞が記憶に焼きついている。

・ ロミオとシンデレラ
背後の映像は夜の時計台になり、再びフロントPJの出番。この時の黒の沈み具合に、DLPプロジェクタを見直した私であった。
本ライブの予習中に初めて知った曲だが、楽器の品質が高く、ストーリー仕立ての良メロだ。
初披露だったらしい、純白のドレスに身を包んだミクさんが舞っていた。

・ ピアノ×フォルテ×スキャンダル
本来ムーディーでアダルトなコンセプトがMEIKO…だったはずなのだが、先ほどからやたら際どい格好をして歌うミクさんのお陰で見劣りした感がなくもない。

・Pane dhiria ~ 千年の独奏歌
KAITOが暴れ回っていた。独奏歌は煙を用いた演出の勝利。足下を覆う煙があることで、笛を吹くKAITOの立体感が一段と引き立てられていた。

・初音ミクの激唄
超マシンガントークフレーズの箇所でミクに羽根が生えて宙に浮くシーンは文字面以上に、神々しいオーラを感じることが出来た。

・Tell Your World
おなじみぐーぐるそんぐ。アニサマ2012でも聞かせていただきましたね。

・アンコール
隣席のガチ勢がひたすらミクさんへの愛を叫ぶ。そして野次成分大目でコールを入れる私、ちょっと申し訳ない。
最後はミクさんがJKの格好でバラード。歌詞がよく聞き取れないのでどうやら私には疾走感ある曲の方が肌に合うようです。


ラストは初音ミクを真ん中にバンドメンバーも前に出てきて、皆で手を振りながら幕が閉じた。
ライブ時間はジャスト2時間。常連による3本締めに便乗し、終了。

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出口付近でミクさんのために座席をとったという2chスレの方と遭遇。
一枚撮らせてもらいました。想像以上にデカい。

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外に出ると雨が上がり、陽がさしていた。
参加された方々、お疲れ様でした。



総評:期待値を上回る隙のないライブ

元の期待値が低かったこともあるが、予想よりも遥かに楽しめたライブであった。特に良かったと感じたのは千本桜、ココロ、ローリンガール、ロミシン等。演出はどれも工夫に富んでいると感じたが、やはり初音ミクの激唄で羽根が生えて飛び立つシーンは圧巻であった。
全体的に見れば、演出と曲の調和が取れており、欠点が非常に少ない印象である。

公演時間も2時間とコンパクトだったものの、曲間がほとんどなく次々と演奏されていく様はまさに人間業でなく、異常なスムーズさであった。
故に1曲あたり時間は4.6分と、驚異的なスピードである。MCも少なく、あっても間奏中の台詞が多かったため、ひたすら演奏を聴く密度の濃い時間だった。
本ライブの満足度を考えると、5年後には人間ではなく立体アニメーションを軸とした二次元ヒロインのライブが主流になってもおかしくないと考えるに足る新鮮な何かを発見したような気がした。

■生演奏がボカロ曲の良さを一層引き立てる
ボカロライブの大きなメリットの一つは生演奏であることだと強く感じた。少なくとも私が今までボカロ曲を敬遠していた要因の一つは楽器や音がしょぼい傾向があるからだったが、ライブではバンド演奏となったことで音圧が出て、かつ生ならではの良さが引き出されていたように思う。ボカロに合わせてかなり無茶に設計された譜面も、きちんと演奏がこなされており、聞けるものに仕上がっていたのも評価すべき箇所だ。

■二次元の女の子が歌って踊るのはやはりGOOD.
あとはなんと言ってもモデルである。ミクさんのプロポーションの良さは半端ない。そもそも私は二次元オーバーウェイトな人間ですから、二次元のおにゃのこが踊っていることに異論があるはずがないわけであって、しかもミクモデルは二次元の鉄板とも言える「足が長い」「腕や足が細め」という完璧なプロポーションなのですね。そして衣装も早着替えというレベルでなく自在に変わっていく。通常のライブであれば不用意な露出を警戒して出せないような短いスカートを履いたりできるわけで、それがまたセクシーさを引き立てていて、このギリギリ感、素晴らしい(;゚∀゚)=3ハァハァ

■一段の現実感を出すために必要なもの
ただし、フロントPJが使用された曲が少なかったのは残念であった。コスト的な問題と直結する点だが、視界全体に展開される映像は心に強く残るため、フロントPJをより効果的に用いればなお良くなると感じた。可能ならばディラッドボードの大型化なども期待したい所だ。
ディラッドボードは確かに"そこにいるかのような"立体感が素晴らしく将来性を感じたが、スポットが当たる角度によっては透けてしまうのはデメリットだ。反射率が高いことも自然さを妨げる要因である。とは言ってもこれは仕様上の問題、何とかなる見込みは薄い。また、動作もヌルヌルではなく、カクつきやフリッカーが感じられたので、自然さを出すためにハイフレームレート、120fps以上で作りこんで頂きたい。



余談:ライブ後

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晴れ渡った空の下、消耗した身体と清々しい気持ちを胸に再度雪ミクの元へ。地味に結構歩きます。
なんかフィギュアが増えてた。

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もう少し後ろから撮ると、人気ぶりが伺える。札幌とミクの相性に違和感はなく、上手く根付いているのではないだろうか?


場所は変わり、とあるミク関連展示コーナー前にて。
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ここ、空港なんだぜ?


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空港の一室に即売会ならぬオーラが。

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絵の展示は照明がかなり良い感じで力が入っていた。

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俯瞰風景。おかしいのが4箇所程。
ここも空港なんだぜ……?

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北海道といえば、シュークリームの北菓楼。空港で買えます。
私の中で最も美味しいシュークリームと位置付けられている。立ち寄った際は一度ご賞味あれ。


観光のコンテンツとして、初音ミクは思った以上に浸透していたのであった。


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