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BRAVIA 2013年モデル X9200A, W900A他 発表。

2013年04月11日 23:58

BRAVIA 2013年モデルが発表された。

ソニー、65/55型4K BRAVIA X9200A。4Kの臨場感を家庭に - AVWatch
ソニー、フルHD最高画質BRAVIA「W900Aシリーズ」 - AVWatch


普及価格帯となるフラッグシップシリーズとして4K対応モデルが登場したこと、またColorIQと呼ばれる発光半導体技術をバックライト部に採用することでトリルミナスディスプレイと呼ばれる広色域を実現したことが特徴である。
東芝と同じくより一般的で使いやすいサイズで4Kモデルが登場し、いよいよ普及の段階に入ったことが意識される。価格帯的にはHX950より若干高めの水準、HX950に置き換わるラインナップとなるようだ。

■再び開かれた広色域の扉

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何と言っても2013年モデルの大きな特徴はバックライトに採用された「Color IQ」による広色域化であろう。

ColorIQ - QDVision
「Color IQ」に関するFAQ - SONY HP


ColorIQによる広色域の再現はBRAVIAの思想と合致しているように思える。
LumiLiaはBRAVIAの強みは、広色域と標準カラースペースの使い分けが可能な点にあると書いてきたが、RGB-LEDバックライトを搭載しなくともColorIQによって同等、もしくはそれ以上のカラースペースが再現出来るなら、それは大いに歓迎すべきことだ。


■4Kフラッグシップ、フルHD最上位共に中途半端な仕様に
製品ラインナップを見ると、パネルサイズからW900Aシリーズは従来からのサムスンVAパネル、X9200A及びW802AシリーズはLG IPSパネルと予想されるが、2013年のパネル調達でソニーがAUOの比率が大幅に引上げられるとの観測もあり、いずれも店頭で確認する必要がありそうだ。サムスン中心だったソニーハイエンドTVでもパネル調達の多様化が伺える。
フルHDモデル最上位機種W900Aシリーズではオプティコントラストパネルが省かれ、かつ以前のフラッグシップHX950で採用されていた直下型LEDバックライトは搭載されていない。
4Kシリーズとの差別化とも伺える一方、その4KモデルであるX9200Aシリーズもまた、全てがエッジ方式で細かなローカルディミングが期待出来ない点や、モーションフローの駆動が120hzに止まるなど、パネル・バックライトの制限を主因にW900Aとも完全な上位互換に至っておらず、その仕様は中途半端だ。
4Kモデルで直下型モデルが用意されないのは、製造パネルやColorIQの仕様面での制限が要因か━━━━いずれにしても残念だ。
フルHDモデルでも直下型LEDローカルディミングやオプティコントラストパネルを備え、改良が重ねられたHX950の正統進化が欲しかったが、それを実現すると4Kが売れなくなるのだろう。

今回のフラッグシップシリーズも、BRAVIA X2500のような…改良の余地を多く残したモデルとなった印象だ。
トリルミナスディスプレイの将来性は大きいが、画質を求めれば漆黒の表現をより高い精度で可能な直下型LED採用によるローカルディミングは私的には必須だと考える。
テレビとしても映像エンジンのみ自社製、4KパネルはLG製、ColorIQによるバックライトと外注による部品構成で低コスト化が詰められている。今後、4Kの普及に伴い値段が下がってきた段階で、Viera ZTのような1ランク上のプレミアムモデルが用意されるのかもしれない。

localdimming000.jpg


■量子ドットへの期待は高まる
厳しめの記述を並べたが、私的にはColorIQを実際の製品に搭載した点を高く評価している。
白色LEDの普及によって失われた色域がようやく蛍光体の壁を越え、技術により戻ろうとしているのだから。ColorIQを始めとした量子ドット技術は多くの可能性を秘めており、今後の映像開発にも深く関わっていくだろう。
一方、4Kパネルは普及は進むが天下を取るとは考えていない。定価ベースで55インチモデルは1インチ1万円を切る価格設定となり現段階では頑張ったと思うが、4Kパネルは2014年以降はフルHDパネルよろしく各社の供給体制が確立されることで、加速的に価格が下落していくことが想定される。
TV用有機ELの開発も進んでおり、今後4K BRAVIAがフラッグシップモデルとして醸成される━━━━かどうかは怪しいところだ。本当に繋ぎで終わってしまう可能性もありうる。
ソニーとしては、中期的に大型有機ELテレビへの移行、長期的には量子ドットLEDの確立による低コストCLEDの実現を見込んでいるのだろう。

まずは新たに搭載された技術への評価が必要だ。ソニーの新技術は人柱に近い場合もある。
ColorIQ採用によるガンマの乱れはどうか?実際にどの程度のカラースペースが実現されるか?
あわよくばXR1からの買い替えを決意させるものであって欲しいと、真摯に思う。


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