2012年04月15日 16:00

LumiLiaにとってゆずソフトの作品は、兼ねてからの魅力的な特典に惹かれつつも、処女作「ぶらばん!」及びその次回作「ExE」にダブルノックアウトされて以降遠ざけ、そして一昨年の「のーぶる☆わーくす」で再び評価を一新したメーカーだ。
面白いエロゲは、往々にして重い作品が多く、軽い作品で、楽しめる作品はなかなか少ない。キャラゲーとしての軽い雰囲気を持ちながらも、丁寧なシナリオ構成の「のーぶる☆わーくす」をLumiLiaは高く評価している。
そんなゆずソフトの最新作「DRACU-RIOT!」の感想を書き連ねたい。
(以下、ネタバレを含みます。)
■ビジュアル
イベントCGは100枚、デフォルメCGが20枚。解像度、塗りは文句なしの品質。
立ち絵は、ヒロインの表情が多く、素晴らしい。ジト目、ダーツ目、レイプ目、><目やへの字口等のデフォルメ顔がバリエーション豊富で、会話中コロコロ変わっていく様は大変可愛らしい。ただ、ポーズは各キャラ3種類と、意外に少ない。私服のバリエーションがもう少しあるさらに良かったのではと感じた。
他方、ヒロイン以外のモブやある程度重要と思われる敵キャラの立ち絵がなかったのが気になった。
お陰で、変装能力が出てくるシーンも、立ち絵がないキャラの変装をされてもわからねぇよ!と突っ込み所満載だったり、研究所で戦う場面では、研究所の背景で淡々とテキストだけ流れていく…という残念具合。三大寺、ジダーノの立ち絵は欲しかった。
背景はいくつかリアルでも見憶えのある風景が含まれていましたが、モブに過去作ヒロインが含まれているのはもはやお約束ですね。
■BGM
日常シーンでもサックス、ピアノ、ベース、ピチカートストリングスを用いたジャズ風・ムーディーな曲調のBGMが多かったと思います。夜中心の舞台だったせいでしょうか。作品を邪魔することがないよう主張なく作られている印象。
記憶に残ったのはタイトル画面でさんざん耳にし、クライマックスでも用いられたOP曲インスト、莉音、エリナの和み系キャラBGMでしょうか。ウーファーが震える重低音もしっかりと入っており、音質もそこそこ。
ボーカル曲はOP,EDのみで2曲。最近の流行から捉えると、挿入歌が欲しかった気もしますね。
ところで、後日友人との会話でヒロイン別BGMがキャラクターソングのインスト版であることを初めて知り、
「……梓が歌ったらfripsideじゃないの?」
と返してしまった一幕がありました。キャラソンがあるなら個別ルートで使用しても良かったかもしれませんね。ショートバージョンで収録なんかして販促につなげたり。
■声
本作はぶるくす継承のジト目に加え、
ヒロイン(及び中の人)の言動に含まれる卑猥な単語を楽しむ作品です。

キャラクターとの声のマッチングは完璧といっても良いのではないでしょうか。
とにかくセクハラフレーズを聞いてニヤニヤしましょう。
美羽の人…は、慣れたもので素晴らしいですが、あなた前作にいましたよねww
莉音は、可愛いよ可愛いよ!
梓はなんj…最近よく出るようになりましたね。「すねてないですー、」という時の伸びの箇所が素晴らしい。
エリナは車の人。この方も前作に…げふん。次々と別名義が出ますが、だんだん漢字に無理が出てきている…
■エロ
ゆずのCGはエロよりもキスシーン(特に横顔)の方が良いと思うのは私だけでしょうか。
事前にエロシーンの数が強調されていましたが、基本的に本番は1シーン1回ずつ。
選択肢固定がある分進化は多少感じますが、画面拡大があるわけでもなければ、顔射後のCG反映があるわけでもなく、オーソドックス。ゆずのエロCGアングルは大体同じような気がします。
梓は一番エロい娘だと思う。
■システム
1280x720で動作、KIRIKIRIベース。パッドの可否やホイールの認識など細かい部分はエンジン設定で調整可能、現代的な仕様を満たしており、理想的。
エロシーンで中or外出しをあらかじめ決められる便利機能を見たのはAcasia Soft「夏めろ」以来な気がします。
また、話を区切るチャプターに関しても若干の工夫を感じました。本作の場合、チャプターを主張するような場面がなく、表示しない設定にすれば、まったく無いものとして扱うことが出来ます。
最近のエロゲにはチャプター機能がついたものが多く、LumiLiaはいちいち第XX話と区切られる”ゲームらしさ”を大変うざく感じていたので、区切れを感じさせないようにしたのは嬉しい配慮だと感じました。
ただし、本来、チャプターの意義は、今どの位置にいるかをユーザーに知らせるチュートリアルの役割を果たすことだと思っています。そういう機能があるわけでもない、回想できるわけでもない本作のようなチャプターの使い方自体は疑問を持ちますね。
■シナリオ
キャラゲーとして極めて高い完成度を誇っている。そして、キャラを抜いたら本作は何も残らないような気がする。
どのルートもアウトラインが似通っており、特に日常は延々と同じようなテンプレートが繰り返されます。大体こんな感じの。
個別ルートに入っても、ヒロインや主人公の性格、掛け合いに関しては恐ろしく統一感が取れており……
というか同じすぎて食傷気味でした。
シナリオは潔くグランドルートを放棄し、各ルートの対抗勢力はロシアかミサイルか狩人かの違いくらいという、吸血鬼設定があまり生きていないような展開。キャラゲーとしての完成度の高さを感じさせる一方、吸血鬼の設定等では粗を感じる部分が多く、シリアス展開が評価できるような内容ではなかった気がします。
退屈を感じてしまう理由は、似通ったテンプレが繰り返されるだけでなく、見える箇所が少かったからというのもあるように思います。
例えば、週、月、半年といった時間経過の描写は頻繁に使われましたが、ユーザーが画面上で見られるのは全く関係の無いチャプター。場面も夜がほとんどで、季節感や時間の感覚が掴めない。仕事や寮での代わり映えしない会話に加え、時間の感覚が失われたことでさらにマンネリな印象を持ってしまったような気がします。
人間関係についても希薄さを感じる点があり、ヒロインの主人公に対する好感度が当初からマックスに近い点は目を瞑るにしても、寮の住人達の関係が意外に不透明だったように感じました。過去話があったのは美羽と莉ッピーの出会いのエピソードくらいではないでしょうか。
例えば、梓とエリナって仲が良いの?ただの寮長と住人だけの関係じゃないの?とか思ってしまうわけです。とりわけ本作の登場人物は寮に住むヒロインと一部の友人、関係者と限定されているので、他にも巧く過去のエピソードが織り込めると世界観が広がったのではと残念に感じました。
続いて個別ルートをピックアップ。
▼美羽ルート

知人との会話の間では某ネタを引き摺り、「μ」と呼ばれる美羽さん。
吸血鬼社会で暴動(RIOT)が起き、吸血鬼を殲滅しようと目論む人間との争いが描かれるかと思いきや、後半突如ギャグシナリオに昇華してしまった。突如ミサイルが発射される展開に噴き出し、「はいはいPAC3PAC3」と思っていたら本当に地対空ミサイルが出てきて、( ゚д゚)ポカーン
語呂的に本当に北から衛星が飛び出すタイミングで笑いましたw (PAC3は北から調達したものとのこと、本当はロシアです)
続いてさらなる不意打ち、

「テロB」という表現に管理人噴き出す。
ミサイルを止めるのも、果たして美羽は必要だったのか…とか、えぇ、もう突っ込みません。
ここで敢えて全員の力を合わせる、とやらないところに後述する本作のリスクヘッジ志向を感じた。
ともあれくふ、と笑いながら真っ赤な顔で童貞と言い放ったり幼女相手に嫉妬するミューさんの可愛さを堪能するルートでした。
▼エリナルート
初デートより先にせっくるを済ませて、寮の住人に目撃されるって…この流れ見たんですけど!?
うーん、ライター同じですね。。。

「おー」と驚いたり「にひひ」と笑うエリナちゃんの威力は半端無い。我々が笑ったらキモいだけなのにこの差はなんなのでしょう。
天使か。天使だ。天使に違いない。
エリナちゃんが主人公を好きになった理由って、特殊な吸血鬼の習性が許容されたから、とのことですが…なんか薄くないか、と感じたのは私だけか。
エリナの電撃能力がもう少し生かされても良かったのではないかと感じました。
▼梓ルート
梓さんこと
オリエンタルジャンクション、フラットカタルシス
和 炉 J C 、 禁 断 平 面

もしあなたが梓が一番エロいと感じたなら、それはライターのお陰でしょう。
梓プレイ時の管理人の感想
えろしーん1回目:「本番無しで終了しただと……!!これは間違いなくさいろー」
えろしーん2回目~:「ああ、梓がどんどんエロい娘に…きゅぽんをネタに出来る発想、あぁ、もうさいろーだ、さいろーだわこれ(ガッツポーズ」
アフター:「パールのようなものだと…この頭のおかしさ、さいろーすぎる(褒め言葉」
吸血鬼と人間の繁栄の差がどこで生まれたのか、それはまさにエロの力であろうことを確信したルートであった。エリナなんて毎日やってるのに梓の方がえろく感じるのはどういうことなの……
梓シナリオも色々とぶっ飛んでました。その最たるは、「退魔弾」という設定破壊兵器。
これを被弾した扇先生は人間に戻りました。
…………
人間に戻れる方法、あるじゃないですかw
なんてこった、主人公の悩みは全て解決や!
ライカンスロープの能力を暴走させるRIOT!とは一体なんだったのか、ライカンスロープに呼びかける声の正体は一体なんだったのか、本ルートのみに見られたオリジナルネタが結構ありましたが最後までわかりませんでした。
笑い所はほかにも。
「エピローグがいきなり終わった」と友人談。見直して噴きました。
▼莉音ルート

いつも無知をネタにセクハラ発言を繰り返すシーンしか見れなかった莉ッピーは個別ルートで無類の強さを発揮してくれました。シナリオも、本作の核心に迫っている。
本編の中でしっかりプロポーズ決めて子作りネタまで出てくるのは莉ッピーだけ、この嫁キャラっぷりは半端ないぜ。ドラク莉音ットなんてタイトルに名前も含まれてるし、初めから活躍は約束されていたんだね!
ここにもネタはたくさん。扇先生との戦闘でいきなり病院が廃墟になる適当振りに笑いました。
莉音は主人公の血を吸ってライカンスロープになってしまったようだが、エリナルートで主人公の血を吸ったエリナはライカンスロープにならなかったの…?等々。
あと、さりげなく主人公が人間に戻れたのは莉ッピールートだけでした。
▼ニコラルート
シナリオの短さは際立っており、エロの回数を除けば本当におまけルート。それゆえか、まとまりは良かった気がします。
ルートに入って当然ながらニコラさんの声を聞く機会が多くなるのですが、
あなた、ホワイトなんちゃら2にいたよね?
しかも相当の頻度で聞いたよ!、とおもわず耳から正直な感想が…中の人はボーイッシュ系キャラ担当しすぎですね。
家族がヒロインを実家に連れ戻しに来る展開は、さくらシュトラッセを思い出しましたが、この緊張感のなさはここまで来たプレイヤーなら「はいはいドラクリドラクリ」の一言で済んでしまうことでしょう。ぶっちゃけノームネー。
主人公から告白したりと今迄は違う変化球が見れましたが、シナリオの短さが恋人以降のシナリオ省略になってしまっているのは残念。もう少しイチャらぶしても良かったのでは…と。

ここでも"数か月経過"のぶっ飛ばしは健在であった(残念…)
個人的には流行りの男の娘でも構わなかった。でもニコラさんは良いキャラでしたね。金髪ヒロインは1作品1人はいるべきだと思うので。
推奨攻略順は梓→エリナ→美羽→莉音でしょうか。話の核心に触れる莉音は最後に、梓も残りのヒロインと比べネタバレ要素が多めですが、先にやっておくとほかのルートで「エロい子がなんか言ってる!」とニヤニヤ出来るので先に攻略することをお薦めしたいと思います。逆にそれがどうでも良ければ梓は後回しにして良いかもしれません。
■総評
72点
実によく考えられたゲームだと感じました。
何が考えられているかというと、CGは100枚、SD絵は20枚とキリが良かったり、立ち絵やポーズが少なかったり、ボーカル曲が最低限だったり…シナリオもグランドに踏み込まず個別で終わらせており、設定の矛盾はスルー、伏線は一部完全に投げ。
……なんでしょう、この絶妙なコスト削減具合はwwww
ゆずソフトは敢えて本作をキャラゲーの域に押し留めた、と理解しました。キャラソンもあるし、こちらの力の入りようは、素晴らしい。
リスクヘッジも美しいです。個別ルートに入るとその他のヒロインが干渉することは日常テンプレート以外にほとんど無くなり、他のライターによってヒロインの性格に変化が加えられないよう配慮されているように思います。マルチライターの弊害をわかっているとプレイ中しみじみと感じてました。また、ヒロインから告白を受ける流れからもわかりますが、主人公の性格の色付けを薄くしているのも、リスク回避の一つといえるでしょう。
故に、無難な作品に仕上がり、LumiLiaにとってはアクセントが足りなくなってしまった感がありました。
本作も範疇に入りますが、近年の萌えゲーはテンプレートを既成化し、その箇所への労力を裂かなくなったように感じます。(良く言えば効率化している)開始時点ですでに人間関係が構築されているのもその一つですね。
個別ルートでは、恋人になった後の場面が多く描かれるようになった反面、交際に至るまでの過程の描写は薄くなっているように感じます。(以前は逆に、恋人に至るまで過程が丁寧に描かれ、アフターが少なかった)
この潮流はキャラゲーの進化の歴史でもありますが、私的には双方が盛り込まれたシナリオが理想的です。
ライター陣営や能力設定を見てどうも昨年のカミカゼエクスプローラーが頭をよぎりましたが、キャラの一体感はこちらが良かったのではと思います。
設定は深く考えたら負け。シリアスを楽しむ作品ではない。ここまで言っても、ExEに比べれば天と地の差があります。でも、のーぶる超えは厳しかった。
キャラゲーとしてのノウハウはしっかり生きており、心地よい世界観が形作られています。頭を空にして、濃厚セクハラ空間を楽しみましょう。
イベントCGは100枚、デフォルメCGが20枚。解像度、塗りは文句なしの品質。
立ち絵は、ヒロインの表情が多く、素晴らしい。ジト目、ダーツ目、レイプ目、><目やへの字口等のデフォルメ顔がバリエーション豊富で、会話中コロコロ変わっていく様は大変可愛らしい。ただ、ポーズは各キャラ3種類と、意外に少ない。私服のバリエーションがもう少しあるさらに良かったのではと感じた。
他方、ヒロイン以外のモブやある程度重要と思われる敵キャラの立ち絵がなかったのが気になった。
お陰で、変装能力が出てくるシーンも、立ち絵がないキャラの変装をされてもわからねぇよ!と突っ込み所満載だったり、研究所で戦う場面では、研究所の背景で淡々とテキストだけ流れていく…という残念具合。三大寺、ジダーノの立ち絵は欲しかった。
背景はいくつかリアルでも見憶えのある風景が含まれていましたが、モブに過去作ヒロインが含まれているのはもはやお約束ですね。
■BGM
日常シーンでもサックス、ピアノ、ベース、ピチカートストリングスを用いたジャズ風・ムーディーな曲調のBGMが多かったと思います。夜中心の舞台だったせいでしょうか。作品を邪魔することがないよう主張なく作られている印象。
記憶に残ったのはタイトル画面でさんざん耳にし、クライマックスでも用いられたOP曲インスト、莉音、エリナの和み系キャラBGMでしょうか。ウーファーが震える重低音もしっかりと入っており、音質もそこそこ。
ボーカル曲はOP,EDのみで2曲。最近の流行から捉えると、挿入歌が欲しかった気もしますね。
ところで、後日友人との会話でヒロイン別BGMがキャラクターソングのインスト版であることを初めて知り、
「……梓が歌ったらfripsideじゃないの?」
と返してしまった一幕がありました。キャラソンがあるなら個別ルートで使用しても良かったかもしれませんね。ショートバージョンで収録なんかして販促につなげたり。
■声
本作はぶるくす継承のジト目に加え、
ヒロイン(及び中の人)の言動に含まれる卑猥な単語を楽しむ作品です。

キャラクターとの声のマッチングは完璧といっても良いのではないでしょうか。
とにかくセクハラフレーズを聞いてニヤニヤしましょう。
美羽の人…は、慣れたもので素晴らしいですが、あなた前作にいましたよねww
莉音は、可愛いよ可愛いよ!
梓はなんj…最近よく出るようになりましたね。「すねてないですー、」という時の伸びの箇所が素晴らしい。
エリナは車の人。この方も前作に…げふん。次々と別名義が出ますが、だんだん漢字に無理が出てきている…
■エロ
ゆずのCGはエロよりもキスシーン(特に横顔)の方が良いと思うのは私だけでしょうか。
事前にエロシーンの数が強調されていましたが、基本的に本番は1シーン1回ずつ。
選択肢固定がある分進化は多少感じますが、画面拡大があるわけでもなければ、顔射後のCG反映があるわけでもなく、オーソドックス。ゆずのエロCGアングルは大体同じような気がします。
梓は一番エロい娘だと思う。
■システム
1280x720で動作、KIRIKIRIベース。パッドの可否やホイールの認識など細かい部分はエンジン設定で調整可能、現代的な仕様を満たしており、理想的。
エロシーンで中or外出しをあらかじめ決められる便利機能を見たのはAcasia Soft「夏めろ」以来な気がします。
また、話を区切るチャプターに関しても若干の工夫を感じました。本作の場合、チャプターを主張するような場面がなく、表示しない設定にすれば、まったく無いものとして扱うことが出来ます。
最近のエロゲにはチャプター機能がついたものが多く、LumiLiaはいちいち第XX話と区切られる”ゲームらしさ”を大変うざく感じていたので、区切れを感じさせないようにしたのは嬉しい配慮だと感じました。
ただし、本来、チャプターの意義は、今どの位置にいるかをユーザーに知らせるチュートリアルの役割を果たすことだと思っています。そういう機能があるわけでもない、回想できるわけでもない本作のようなチャプターの使い方自体は疑問を持ちますね。
■シナリオ
キャラゲーとして極めて高い完成度を誇っている。そして、キャラを抜いたら本作は何も残らないような気がする。
どのルートもアウトラインが似通っており、特に日常は延々と同じようなテンプレートが繰り返されます。大体こんな感じの。
エリナ猥談 → 梓アワアワ → 美羽参加 → 莉ッピー質問 → 梓キれる
(ルート確定後のやりとりはエリナ猥談の前に主人公達のいちゃいちゃが入る)
個別ルートに入っても、ヒロインや主人公の性格、掛け合いに関しては恐ろしく統一感が取れており……
というか同じすぎて食傷気味でした。
シナリオは潔くグランドルートを放棄し、各ルートの対抗勢力はロシアかミサイルか狩人かの違いくらいという、吸血鬼設定があまり生きていないような展開。キャラゲーとしての完成度の高さを感じさせる一方、吸血鬼の設定等では粗を感じる部分が多く、シリアス展開が評価できるような内容ではなかった気がします。
退屈を感じてしまう理由は、似通ったテンプレが繰り返されるだけでなく、見える箇所が少かったからというのもあるように思います。
例えば、週、月、半年といった時間経過の描写は頻繁に使われましたが、ユーザーが画面上で見られるのは全く関係の無いチャプター。場面も夜がほとんどで、季節感や時間の感覚が掴めない。仕事や寮での代わり映えしない会話に加え、時間の感覚が失われたことでさらにマンネリな印象を持ってしまったような気がします。
人間関係についても希薄さを感じる点があり、ヒロインの主人公に対する好感度が当初からマックスに近い点は目を瞑るにしても、寮の住人達の関係が意外に不透明だったように感じました。過去話があったのは美羽と莉ッピーの出会いのエピソードくらいではないでしょうか。
例えば、梓とエリナって仲が良いの?ただの寮長と住人だけの関係じゃないの?とか思ってしまうわけです。とりわけ本作の登場人物は寮に住むヒロインと一部の友人、関係者と限定されているので、他にも巧く過去のエピソードが織り込めると世界観が広がったのではと残念に感じました。
続いて個別ルートをピックアップ。
▼美羽ルート

知人との会話の間では某ネタを引き摺り、「μ」と呼ばれる美羽さん。
吸血鬼社会で暴動(RIOT)が起き、吸血鬼を殲滅しようと目論む人間との争いが描かれるかと思いきや、後半突如ギャグシナリオに昇華してしまった。突如ミサイルが発射される展開に噴き出し、「はいはいPAC3PAC3」と思っていたら本当に地対空ミサイルが出てきて、( ゚д゚)ポカーン
語呂的に本当に北から衛星が飛び出すタイミングで笑いましたw (PAC3は北から調達したものとのこと、本当はロシアです)
続いてさらなる不意打ち、

「テロB」という表現に管理人噴き出す。
ミサイルを止めるのも、果たして美羽は必要だったのか…とか、えぇ、もう突っ込みません。
ここで敢えて全員の力を合わせる、とやらないところに後述する本作のリスクヘッジ志向を感じた。
ともあれくふ、と笑いながら真っ赤な顔で童貞と言い放ったり幼女相手に嫉妬するミューさんの可愛さを堪能するルートでした。
▼エリナルート
初デートより先にせっくるを済ませて、寮の住人に目撃されるって…この流れ見たんですけど!?
うーん、ライター同じですね。。。

「おー」と驚いたり「にひひ」と笑うエリナちゃんの威力は半端無い。我々が笑ったらキモいだけなのにこの差はなんなのでしょう。
天使か。天使だ。天使に違いない。
エリナちゃんが主人公を好きになった理由って、特殊な吸血鬼の習性が許容されたから、とのことですが…なんか薄くないか、と感じたのは私だけか。
エリナの電撃能力がもう少し生かされても良かったのではないかと感じました。
▼梓ルート
梓さんこと
オリエンタルジャンクション、フラットカタルシス
和 炉 J C 、 禁 断 平 面

もしあなたが梓が一番エロいと感じたなら、それはライターのお陰でしょう。
梓プレイ時の管理人の感想
えろしーん1回目:「本番無しで終了しただと……!!これは間違いなくさいろー」
えろしーん2回目~:「ああ、梓がどんどんエロい娘に…きゅぽんをネタに出来る発想、あぁ、もうさいろーだ、さいろーだわこれ(ガッツポーズ」
アフター:「パールのようなものだと…この頭のおかしさ、さいろーすぎる(褒め言葉」
吸血鬼と人間の繁栄の差がどこで生まれたのか、それはまさにエロの力であろうことを確信したルートであった。エリナなんて毎日やってるのに梓の方がえろく感じるのはどういうことなの……
梓シナリオも色々とぶっ飛んでました。その最たるは、「退魔弾」という設定破壊兵器。
これを被弾した扇先生は人間に戻りました。
…………
人間に戻れる方法、あるじゃないですかw
なんてこった、主人公の悩みは全て解決や!
ライカンスロープの能力を暴走させるRIOT!とは一体なんだったのか、ライカンスロープに呼びかける声の正体は一体なんだったのか、本ルートのみに見られたオリジナルネタが結構ありましたが最後までわかりませんでした。
笑い所はほかにも。
「エピローグがいきなり終わった」と友人談。見直して噴きました。
▼莉音ルート

いつも無知をネタにセクハラ発言を繰り返すシーンしか見れなかった莉ッピーは個別ルートで無類の強さを発揮してくれました。シナリオも、本作の核心に迫っている。
本編の中でしっかりプロポーズ決めて子作りネタまで出てくるのは莉ッピーだけ、この嫁キャラっぷりは半端ないぜ。ドラク莉音ットなんてタイトルに名前も含まれてるし、初めから活躍は約束されていたんだね!
ここにもネタはたくさん。扇先生との戦闘でいきなり病院が廃墟になる適当振りに笑いました。
莉音は主人公の血を吸ってライカンスロープになってしまったようだが、エリナルートで主人公の血を吸ったエリナはライカンスロープにならなかったの…?等々。
あと、さりげなく主人公が人間に戻れたのは莉ッピールートだけでした。
▼ニコラルート
シナリオの短さは際立っており、エロの回数を除けば本当におまけルート。それゆえか、まとまりは良かった気がします。
ルートに入って当然ながらニコラさんの声を聞く機会が多くなるのですが、
あなた、ホワイトなんちゃら2にいたよね?
しかも相当の頻度で聞いたよ!、とおもわず耳から正直な感想が…中の人はボーイッシュ系キャラ担当しすぎですね。
家族がヒロインを実家に連れ戻しに来る展開は、さくらシュトラッセを思い出しましたが、この緊張感のなさはここまで来たプレイヤーなら「はいはいドラクリドラクリ」の一言で済んでしまうことでしょう。ぶっちゃけノームネー。
主人公から告白したりと今迄は違う変化球が見れましたが、シナリオの短さが恋人以降のシナリオ省略になってしまっているのは残念。もう少しイチャらぶしても良かったのでは…と。

ここでも"数か月経過"のぶっ飛ばしは健在であった(残念…)
個人的には流行りの男の娘でも構わなかった。でもニコラさんは良いキャラでしたね。金髪ヒロインは1作品1人はいるべきだと思うので。
推奨攻略順は梓→エリナ→美羽→莉音でしょうか。話の核心に触れる莉音は最後に、梓も残りのヒロインと比べネタバレ要素が多めですが、先にやっておくとほかのルートで「エロい子がなんか言ってる!」とニヤニヤ出来るので先に攻略することをお薦めしたいと思います。逆にそれがどうでも良ければ梓は後回しにして良いかもしれません。
■総評
72点
実によく考えられたゲームだと感じました。
何が考えられているかというと、CGは100枚、SD絵は20枚とキリが良かったり、立ち絵やポーズが少なかったり、ボーカル曲が最低限だったり…シナリオもグランドに踏み込まず個別で終わらせており、設定の矛盾はスルー、伏線は一部完全に投げ。
……なんでしょう、この絶妙なコスト削減具合はwwww
ゆずソフトは敢えて本作をキャラゲーの域に押し留めた、と理解しました。キャラソンもあるし、こちらの力の入りようは、素晴らしい。
リスクヘッジも美しいです。個別ルートに入るとその他のヒロインが干渉することは日常テンプレート以外にほとんど無くなり、他のライターによってヒロインの性格に変化が加えられないよう配慮されているように思います。マルチライターの弊害をわかっているとプレイ中しみじみと感じてました。また、ヒロインから告白を受ける流れからもわかりますが、主人公の性格の色付けを薄くしているのも、リスク回避の一つといえるでしょう。
故に、無難な作品に仕上がり、LumiLiaにとってはアクセントが足りなくなってしまった感がありました。
本作も範疇に入りますが、近年の萌えゲーはテンプレートを既成化し、その箇所への労力を裂かなくなったように感じます。(良く言えば効率化している)開始時点ですでに人間関係が構築されているのもその一つですね。
個別ルートでは、恋人になった後の場面が多く描かれるようになった反面、交際に至るまでの過程の描写は薄くなっているように感じます。(以前は逆に、恋人に至るまで過程が丁寧に描かれ、アフターが少なかった)
この潮流はキャラゲーの進化の歴史でもありますが、私的には双方が盛り込まれたシナリオが理想的です。
ライター陣営や能力設定を見てどうも昨年のカミカゼエクスプローラーが頭をよぎりましたが、キャラの一体感はこちらが良かったのではと思います。
設定は深く考えたら負け。シリアスを楽しむ作品ではない。ここまで言っても、ExEに比べれば天と地の差があります。でも、のーぶる超えは厳しかった。
キャラゲーとしてのノウハウはしっかり生きており、心地よい世界観が形作られています。頭を空にして、濃厚セクハラ空間を楽しみましょう。
コメント
774 | URL | -
Re: ゆずソフト「DRACU-RIOT!」 感想
ニコラルートも忘れないであげて!
( 2012年04月22日 16:44 [編集] )
Prima | URL | 3/2tU3w2
Re: ゆずソフト「DRACU-RIOT!」 感想
ドーブラエ・ウートラ!
来ましたよ、突っ込まれないだろうと思っていたらまさかの突っ込みですよ。
ありがとうございます。
別にニコラはいらない娘じゃないんですよ?ただなんとなく省略してしまったんですよ、なんとなく…
(近日中に更新します)→更新しました
( 2012年04月27日 08:55 [編集] )
774 | URL | -
Re: ゆずソフト「DRACU-RIOT!」 感想
莉音ルートの参考画像であの表情を選んだあたりこの管理人はツボを抑えてると思うの。
ゆずソフトは声優陣がキャラにピッタリだわ
( 2012年07月27日 00:21 [編集] )
| |
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
( 2014年08月20日 03:33 [編集] )
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