2011年09月01日 23:17

ソニー、3D対応の有機ELヘッドマウントディスプレイ - AVWatch
ソニー、3Dヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」を発売 - Phile-web
久々にソニーらしい新鮮さ溢れる製品が発表された。
HMD。有機ELパネル。解像度1280x720。価格6万程度。HDMI入力を装備(HMDにとっては大きいことだ)、3Dに対応。
この仕様でこの値段は、間違いなく既存のHMD市場を破壊するだろう。
目玉の有機ELパネルは純国産である。従って、GalaxyS IIレビューのときに書いたようなチューニングの問題が発生する可能性も低い。HMDの購入を考えていた人にとっては、文句なしで「買い」の製品だと言える。>なお有機EL層はソニーモバイルディスプレイで製造し、これをソニーセミコンダクタ九州でカラーフィルターと貼り合わせ、デバイスとして出荷している。
HMZ-T1はICES2011でも参考展示されていたが、今回の商品化はかなり早い。予想以上に反応が良かったので前倒ししたのかもしれない。
■HMZ-T1に存在する2つの懸念
映像デバイスの中でも特殊なカテゴリに入るHMDを持続的に運用していくためには、快適性が最も大きなポイントとなる。この観点で本機には現時点でいくつかの懸念が生じている。
1点目は重量とそれに起因する装着感だ。
400gと重さがあり、長時間の使用で疲れが出る可能性が高い。また、本機はこの重量を支えるためにパッドが額と接触する形になっており、これも長時間の使用で不快感を生む可能性がある。
重量の感じ方は装着する角度によって変わるため、斜め上を向く形でリクライニングチェアを使用、もしくはベッドで仰向けになって装着することが適切と考える。次期製品が出るならば、軽量化によって装着感の問題と共に問題は解決されるだろう。
2点目の懸念は発熱だ。装着部は密閉されるため、特に夏は熱がこもって暑くなる可能性がある。
また、直接快適性に影響はしないが、ヘッドホンの分離が出来ない点もマイナスポイントだ。普段使っているヘッドホン・イヤホンを使いたいという人も多いだろう。
細かい点では以下がチェックポイントとなろう。
まず、ドットバイドット表示(1280x720)が可能かどうか。出来ない場合、XEL-1の悲劇が再来する。
次に、1080Pフル表示の有無。これはおそらく出来る。
24P入力の対応可否や挙動も気になるところだ。パネルはそれぞれ60hzで駆動しているので、逆プルダウンがどのような挙動になるか、補間はされるのか等、気になるところだ。
映像エンジンで売りとなっているSMVは、基本的に液晶の映像エンジンの技術をベースにチューニングしたものと考えるべきだろう。
■ベッドスタイルの道を切り開く可能性を秘めた期待のデバイス
ドットバイドット表示さえ出来れば本機の解像度は昨今のエロゲ解像度とも相性が良く、3Dにも対応可能な優れたPCディスプレイデバイスとなる。
上記の懸念がクリアされた場合、LumiLiaが本機を用いて提案したいのはベッドスタイルでのゲームプレイ…もとい映像鑑賞である。テレビの位置に左右されないHMDは、寝転がって見る上で適切なデバイスなのである。
仰向け以外に寝転がることが出来ないデメリットもあるが、慣れさえすれば、身体にかかる負荷を極めて少なくし、まさに廃人生活のスタートを切ることが出来るだろう。
■…しかしまだ、大衆に受け入れられる製品ではないと考える
グラストロン世代を知っている人は判ると思うが、HMDは簡単に一般大衆に受け入れられる親しみやすさを持った製品ではない。長時間快適に使用するためには、先ほど挙げた点がハードルになるだろう。
だが本機は今までにない魅力を備え、”わかる人にはわかる”仕様であり、面白い製品である。是非売れてほしい。そして優れた次期モデルがリリースされてほしい。
■総括 HMD市場に切り込んだソニーに賛美を
これまで、HMDはマニアにしか手を出せない異常な程高い価格水準にあった。それはHMDを販売する会社も少なく、企業自身も高い利益率を得るために甘えていた面もあるだろう。ソニーはそんな甘々とも言えるHMD市場に再び切り込み、HMDのメリットをフルに生かした3Dの申し子とも言える強力なデバイスを投入してきた。恩恵を受けるのは我々消費者だ。
プロセッサユニットが分離しているが、今後ソニーとしては持ち歩けるHMDを視野に入れ、目指していくはずだ。
PS Vita に、HMZ-T1、ソニーが持ち込む有機EL陣営は期待できるものばかりである。
上に上げたハードルを理解しつつ、720Pドットバイドットや1080Pのフル表示対応が確認できた時点で、文句なしの買いと判断したい。
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