2011年07月04日 00:25

サムスン電子の最新スマートフォン「GalaxySII」が日本国内でも販売開始となった。
LumiLiaが本機に目をつけた訳はおわかりだろう。有機EL(OLED)だ。
早速導入したという知人の協力の下、画質の検証を行う機会に恵まれたので本記事でGalaxySIIの画質の傾向を分析したい。
ソースは相変わらずである。
なお、その場の比較対象として管理人が使用しているiPhone4(LG IPSパネル搭載)を用いた。
デジカメ撮影した画像を幾枚か上げているが、あくまで機種間の相対的な比較程度に参考にして頂きたい。
GalaxySIIはグローバルメニューの画質設定で、ダイナミック、スタンダード、シネマの三種類を選ぶことが出来る。
ダイナミックは階調をぶっ飛ばすビビッドさ。シネマモードは標準に比べ色温度が下がる。
使用した動画プレイヤーでも、画質設定として暖色、寒色、標準の3種類が選択できた。
設定により色合いが変わるが、ディスプレイではなくソフト側で色調整していると思われたため、基本的に標準設定を用いた。
画質設定はスタンダード、プレイヤーの設定は標準を使用。要するに、そのままの画質だ。
初め、色温度が高いと思っていた。しかし、それは違ったようだ。
■動画再生能力 フルHDの動画再生も可能。しかし…
AVC形式で再生可能。1920x1080@24fpsも楽々と再生が出来る。
以前自作PC板のHD動画再生PCを考えるスレにて挙げられていたストレステスト動画のうたわれるものED(1920x1080@60fps)を再生したところ、見事に再生開始5秒で停止した。
いくら動画再生支援が付いているとはいえ、限界はあるようだ。
■ドット配列がRGBフルピクセルになったことを確認
OLEDは確かに液晶に比べ画質の優位性があるが、これまでの携帯電話のOLEDは画素がペンタイル配列で、RGBフルピクセルが実現されていなかった。
初代のGalaxySはドットの格子が斜めに見え、特にオレンジ系の色を表示したときに目立っていた。文字の表示もフルピクセルに比べて精細感を欠くもので、LumiLiaでは大きなマイナスポイントと捉えていた。

写真の検証用ソースでは、今までアクオスを筆頭に変態ピクセル配列が撃沈してきたが、GalaxySⅡは見事にRGBフルピクセルとなったことを確認できた。もう一枚、ディスプレイに負担をかけるソースでも検証。いたって正常な配列だ。
■OLEDらしい鮮烈な発色

動画を見て、比べてみるとOLEDの凄さがわかる。
黒表現、そしてRGBの原色は液晶では到底追いつけない。
鮮烈な赤、発光するかのような青。iPhoneと比べてみても彩度が極めて高い。そして黒が沈む。並外れたコントラストの高さがそこにある。
得意な映像は原色等の濃い色や黒が多く使われるものだ。
つまり、アニメは最適と言っていい。
■…弱点は、ホワイトバランス。肌色に強烈な違和感
原色と黒の綺麗さで覆い隠されているが、GalaxySⅡには強烈な弱点が存在した。
それは、ホワイトバランスが崩れており、全体的に発色が黄味がかっていることだ。
原色は非常に綺麗だが、白、肌色などの中間色を見ると黄味がかっているのが目に付く。
ハイライトであるほどこの傾向は目立つ。おそらく、RGBのガンマ値が相当狂っている。

上の画像は白の近似色表示。GalaxySⅡは自然な白が出ない。iPhoneのディスプレイは通常で色温度が高めだが、GalaxySⅡではどんな設定でもこの色合いを出せない。

また、マゼンダの色合いにも違和感を感じる。(まどか等)
迷い猫オーバーランOPのロゴが出るシーンは、背景が土色、ロゴ部分はマゼンダと中間色尽くし。GSⅡが特に苦手とするソースだろう。
iPhoneと比べればその違いがよくわかる。不自然だ。
肌色が目立つけいおん!!OPでは弱点がより強調された。
画質の設定を変えても改善されることはなく、OLEDがまだ発展途上であることを認識することとなった。
■同じ有機ELでも差が付く

終盤、ソニーの有機ELディスプレイ搭載ウォークマン「NW-X1060」を追加して比較したところ、驚くべき事実が判明した。
X1080は解像度は低く、動画を見ていても一見見劣りするように思える。仕様でもiPhoneとGalaxySⅡは1677万色対応の一方、X1060は26万色と劣っている。ところが、発色は圧倒的にX1060が優れていたのである。
上の超電磁砲ソースを見ればわかると思うが、画面右の両端の木々、左上の空模様を見ると、GalaxySⅡとX1060はOLEDらしい濃厚な緑・青色を放っており、iPhoneとの差は明確だ。
そして、二者の比較では真ん中の御琴の肌の色を比べると一目瞭然、X1060の方が圧倒的に自然な発色なのだ。
GalaxySⅡの肌の色はやはり、黄色い。iPhoneの肌色は自然ではあるが、コントラストが低い。X1060の肌色は、まるで大型テレビで見た時と代わりのない自然な肌色になっている。
X1060に搭載されているOLEDはGalaxySⅡと同じサムスン製、にも関わらずこれ程の差が付いたのはなぜだろう?
思うに、3つの仮説が出来る。
1. サムスンが画質のチューニングを怠っている
初代Galaxyも同様に、パネルが黄味がかっていた。
ウォークマンがサムスン製のパネルを搭載しながらも、発色のバランスが整っていたことからGalaxySⅡのチューニングが糞だと考えられる。
2. OLEDの新世代移行に伴う基準変更
厳密には同じ会社のパネルだからと言ってパネル特性が同一になるとは限らない。特にGalaxySⅡのOLEDは最新の5.5Gパネルを採用していると考えられ、ウォークマンの生産時期とも異なる。
例えば、近年になって大量供給を確保するために、出荷品質の最低ラインを下げたのかもしれない。その結果として、色合いに差が付いたのではないか。
3. 寿命を考慮した意図的なもの
OLEDの技術はまだ発展途上だ。大きな課題の一つが寿命とされる。LEDでも長らく問題とされてきたが、RGBそれぞれで寿命が異なり、時間の経過と共にカラーバランスが狂っていくのである。
サムスンは最も長い期間、安定したカラーバランスを再現できるよう、意図的に当初の画質を偏って調整したのではないか。
→あくまで中間色が弱いことがGalaxySⅡの弱点と考えると、単にサムスンのチューニングが糞なのではないかと思える。
次のモデルではRGBゲインの調節機能を用意して欲しい。
■総括 現状、ポータブルメディアデバイスとして最適と考える
GalaxySⅡの粗が見えた検証結果となったが、この発色はデメリットを補って余りある物だと思う。動画を見れば、その綺麗さに感動する。突き抜けた発色はOLEDの底知れぬポテンシャルを感じさせる。その上、大きさは4.3インチと大画面だ。確かに解像度はiPhoneに比べ劣るが、動画を検証している最中にその差が気になることはなかった。
故に、LumiLiaはGalaxySⅡは現状、動画を再生する携帯プレイヤーとして最高のデバイスだと考える。
サムスンパネルを採用すると考えられるソニーの次世代ゲーム機「PSP Vita」では、是非ともGalaxySⅡの弱点を改良したOLED画質を実現して欲しいと思う。
AVC形式で再生可能。1920x1080@24fpsも楽々と再生が出来る。
以前自作PC板のHD動画再生PCを考えるスレにて挙げられていたストレステスト動画のうたわれるものED(1920x1080@60fps)を再生したところ、見事に再生開始5秒で停止した。
いくら動画再生支援が付いているとはいえ、限界はあるようだ。
■ドット配列がRGBフルピクセルになったことを確認
OLEDは確かに液晶に比べ画質の優位性があるが、これまでの携帯電話のOLEDは画素がペンタイル配列で、RGBフルピクセルが実現されていなかった。
初代のGalaxySはドットの格子が斜めに見え、特にオレンジ系の色を表示したときに目立っていた。文字の表示もフルピクセルに比べて精細感を欠くもので、LumiLiaでは大きなマイナスポイントと捉えていた。


写真の検証用ソースでは、今までアクオスを筆頭に変態ピクセル配列が撃沈してきたが、GalaxySⅡは見事にRGBフルピクセルとなったことを確認できた。もう一枚、ディスプレイに負担をかけるソースでも検証。いたって正常な配列だ。
■OLEDらしい鮮烈な発色


動画を見て、比べてみるとOLEDの凄さがわかる。
黒表現、そしてRGBの原色は液晶では到底追いつけない。
鮮烈な赤、発光するかのような青。iPhoneと比べてみても彩度が極めて高い。そして黒が沈む。並外れたコントラストの高さがそこにある。
得意な映像は原色等の濃い色や黒が多く使われるものだ。
つまり、アニメは最適と言っていい。
■…弱点は、ホワイトバランス。肌色に強烈な違和感
原色と黒の綺麗さで覆い隠されているが、GalaxySⅡには強烈な弱点が存在した。
それは、ホワイトバランスが崩れており、全体的に発色が黄味がかっていることだ。
原色は非常に綺麗だが、白、肌色などの中間色を見ると黄味がかっているのが目に付く。
ハイライトであるほどこの傾向は目立つ。おそらく、RGBのガンマ値が相当狂っている。

上の画像は白の近似色表示。GalaxySⅡは自然な白が出ない。iPhoneのディスプレイは通常で色温度が高めだが、GalaxySⅡではどんな設定でもこの色合いを出せない。


また、マゼンダの色合いにも違和感を感じる。(まどか等)
迷い猫オーバーランOPのロゴが出るシーンは、背景が土色、ロゴ部分はマゼンダと中間色尽くし。GSⅡが特に苦手とするソースだろう。
iPhoneと比べればその違いがよくわかる。不自然だ。
肌色が目立つけいおん!!OPでは弱点がより強調された。
画質の設定を変えても改善されることはなく、OLEDがまだ発展途上であることを認識することとなった。
■同じ有機ELでも差が付く

終盤、ソニーの有機ELディスプレイ搭載ウォークマン「NW-X1060」を追加して比較したところ、驚くべき事実が判明した。
X1080は解像度は低く、動画を見ていても一見見劣りするように思える。仕様でもiPhoneとGalaxySⅡは1677万色対応の一方、X1060は26万色と劣っている。ところが、発色は圧倒的にX1060が優れていたのである。
上の超電磁砲ソースを見ればわかると思うが、画面右の両端の木々、左上の空模様を見ると、GalaxySⅡとX1060はOLEDらしい濃厚な緑・青色を放っており、iPhoneとの差は明確だ。
そして、二者の比較では真ん中の御琴の肌の色を比べると一目瞭然、X1060の方が圧倒的に自然な発色なのだ。
GalaxySⅡの肌の色はやはり、黄色い。iPhoneの肌色は自然ではあるが、コントラストが低い。X1060の肌色は、まるで大型テレビで見た時と代わりのない自然な肌色になっている。
X1060に搭載されているOLEDはGalaxySⅡと同じサムスン製、にも関わらずこれ程の差が付いたのはなぜだろう?
思うに、3つの仮説が出来る。
1. サムスンが画質のチューニングを怠っている
初代Galaxyも同様に、パネルが黄味がかっていた。
ウォークマンがサムスン製のパネルを搭載しながらも、発色のバランスが整っていたことからGalaxySⅡのチューニングが糞だと考えられる。
2. OLEDの新世代移行に伴う基準変更
厳密には同じ会社のパネルだからと言ってパネル特性が同一になるとは限らない。特にGalaxySⅡのOLEDは最新の5.5Gパネルを採用していると考えられ、ウォークマンの生産時期とも異なる。
例えば、近年になって大量供給を確保するために、出荷品質の最低ラインを下げたのかもしれない。その結果として、色合いに差が付いたのではないか。
3. 寿命を考慮した意図的なもの
OLEDの技術はまだ発展途上だ。大きな課題の一つが寿命とされる。LEDでも長らく問題とされてきたが、RGBそれぞれで寿命が異なり、時間の経過と共にカラーバランスが狂っていくのである。
サムスンは最も長い期間、安定したカラーバランスを再現できるよう、意図的に当初の画質を偏って調整したのではないか。
→あくまで中間色が弱いことがGalaxySⅡの弱点と考えると、単にサムスンのチューニングが糞なのではないかと思える。
次のモデルではRGBゲインの調節機能を用意して欲しい。
■総括 現状、ポータブルメディアデバイスとして最適と考える
GalaxySⅡの粗が見えた検証結果となったが、この発色はデメリットを補って余りある物だと思う。動画を見れば、その綺麗さに感動する。突き抜けた発色はOLEDの底知れぬポテンシャルを感じさせる。その上、大きさは4.3インチと大画面だ。確かに解像度はiPhoneに比べ劣るが、動画を検証している最中にその差が気になることはなかった。
故に、LumiLiaはGalaxySⅡは現状、動画を再生する携帯プレイヤーとして最高のデバイスだと考える。
サムスンパネルを採用すると考えられるソニーの次世代ゲーム機「PSP Vita」では、是非ともGalaxySⅡの弱点を改良したOLED画質を実現して欲しいと思う。
コメント
Silius | URL | WcFIO/PI
Re: Samsung 『GALAXY S II SC-02C』 画質レビュー
SONYならやってくれるさ。
( 2011年07月22日 23:37 [編集] )
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