【TV Review】 Infinia LX9500 店頭レビュー

2011年02月17日 01:42

国内再参入を果たしたLGエレクトロニクスのTV「Infinia」が店頭に並び始めて約4ヶ月が経過した。infiniaimage.jpg
企業規模では世界に名を轟かせているLGだが、Infiniaに関してここ日本では家電量販店売上首位のヤマダ電機では取扱がなかったりと、未だ認知度が低い印象が強い。

管理人の周りで、PCモニタを持っている人はいても、Infiniaを所有している人を見たことがない。

まるで空気のようなその存在感は、インなんとかさんと同じように、Infiniaも忘れ去られてしまう運命にあるのだろうか?

LumiLiaでは知名度は低くとも、それが良い製品ならば評価されるべきだと考えており、その良し悪しを判断するため店頭で検証を行った。
本記事ではInfiniaのフラッグシップモデル、LX9500の感想を述べたい。
あらかじめ断わっておくが、3Dは検証していない。

■薄いデザインと消えなかったロゴ
宣伝どおり、Infiniaは非常にスタイリッシュな筐体である。アクリル(硝子?)が透明感を演出しており、未来感あふれるデザインになっている。特に枠が狭い点は好印象だ。私感では、ロゴはPCモニタサイズだと目立って仕方なかったが、40インチを超えるInfiniaでは相対的にかなり小さくなるため、そこまで自己主張している印象は受けなかった。
Infiniaは厚さが薄いことも特徴である。最新モデルにおいてLGやサムスン等韓国メーカーは異常な程、薄型化に力を注いでいる。確かにスタイリッシュなのは良いのだが、数mmレベルで細かい争いをするぐらいなら、少しでも画質を良くしてほしい、とLumiLiaは考える。

本体下部中央にはLGのロゴが配置されている。LGの宣伝文句の中に「消えるロゴ」というものがあったので、「もしかしたらロゴがマグネット式で取り外しが可能なのかもしれない」と期待していたのだが、単に映像表示時にLGのロゴLEDが消灯するだけだった。ソニーと同じじゃねぇかYO!


■スーパーグレアパネルとパネルメーカーの意地
続いて画質。発色を語る以前に何よりも目に付くのが、スーパーグレアパネルである。正直、映像が映っているときも身だしなみが確認出来るほどの鏡のようなグレアぶりはどうかと思う。国内メーカー製と比べても際立っており、LumiLiaではネガティブに捉える。

パネルはLG自らが製造するIPSパネルだ。ドットを近くで見ると、おなじみ>>>の逆句の字型となっており、開口率が高さが伺える。
発色は東芝やBRAVIAの発色に近いが、赤が朱色のような印象を受ける。使用されている蛍光体が黄色なのかもしれない。

lgdips.jpg 

デフォルトで色温度は非常に高く、設定もかなり強めに補正がかかった、かなりお化粧された絵作りである。
ことごとく画質補正の設定をオフし、色温度も下げていったところ、実に地味な絵作りになった。映像エンジンについては特筆するような効果が特に少なく、どんどん機能をオフにしていった結果である。まだまだエンジンについては研究の余地がありそうだ。
なお、Infinia発表時に、AVWatchの写真から横縞のムラのようなものが確認できていたが、実機の視聴ではパネルのムラが目に付くことはなかった。

LX9500が採用しているスリムLED方式は、LEDを寝かせ、導光板を用いたいわゆるタンデム型(タイル方式)であり、日立のS-LCDと同じものだ。この方式は画質の良さを確保しながらも、薄型を実現しやすいことからハイエンドモデルを中心に最近採用されてきている。
タンデム型は光を拡散する導光板がタイル状に区切られているため、エリア駆動の際、周辺に光が漏れるハローが起こりにくいことが一般的なメリットとして挙げられている。
本機種を含むエリア駆動は残念ながら店頭ではホームシアター専門店のような場所でもない限り、その効果を確認することは出来なかった。
なお、元々タンデム型が初めて採用されたモデルはAQUOS XS1で、その分割数は1200分割を超えるといわれている。LX9500の分割数は240とされており、シャープXS1の1200分割と比べるとだいぶ少ないが、これはXS1の仕様が異常過ぎるのであって、ネガティブに捉える必要はない。ソニーのローカルディミング対応機の分割数が128分割であることを考えると、LGのエリア駆動の仕様は優秀といえるだろう。分割数を細かく公表している点は、パネル製造メーカーとしてのポリシーのようなものを感じる。


■シンプルな映像メニュー
ユーザーインターフェースはオーバーレイ表示でフォントもメイリオ調で詠みやすい日本語、シンプルだ。ただし、一部の映像設定には英語が残っている箇所があり、色温度はWarm,Coolといった表示になる。エリア駆動の設定もローカルディミング、と直接的な表現で、おそらく聞き慣れていない一般人は意味が理解できないだろう。

難点を挙げると、オーバーレイされるメニューが大きくて邪魔、加えてフォントサイズが大きめのため、大型モデルでは、見にくい使用だと思う。

なお、リモコンだが、素材と見た目が非常に安っぽい作りだ。ハイエンドならばもう少し差別化を図っても良いと思う。
ただし操作性は良く考えられていて、チャンネル、音量ボタンに起伏があり、押しやすく好印象であった。


■フレーム補間は全体の動きに対し反応する
LumiLiaでおなじみとなりつつある超電磁砲ソースによるフレーム補間の検証だが、InfiniaではTruMotion240hzと呼ばれるフレーム補間機能が搭載されている。このフレーム補完だが、癖のある機能で、独特なゆらぎがある点が特徴だ。
その理由は全体の動きに補完が反応するからである。TruMotion240の設定は「ぼけ」「ゆらぎ」の2種類それぞれ10段階ある。英語表記ではそれぞれ「Judder」「Blur」となっていることから意味が推察出来ることだろう。今回は双方を最大値の10にして、超電磁砲ソースでの検証を行った。

まずOP1開始直後の4人が走り出すシーンでは、終始不安定なかかり方をしており、空の動きが画面上に大きく出た時に、フレーム補間がかかるようになった。また、モーションフローの補間エラーのような、一部がブレたように映る現象が目立っていた。
直後の街中の風車を背景に列車が横切るシーンでは上下の動きのみに補間がかかり、横方向の電車の移動にはまったく補間がかからないという結果になった。これは東芝やソニーとも違う補間である
また、OP2の冒頭、美琴の手のズームアウトするシーンは綺麗に補間が動作したが、直後の走り出すシーンではフレーム生成がオンになったりならなかったりと、かなり違和感がある状態となった。

どうやら、TruMotionのフレーム補間は一定のスピード以上は補間がキャンセルされること、画面全体の動きに対し補間が行われる性質があることが特徴なようである。
OP1のケースと合わせて考えると、フレーム補間自体の完成度はそれほど高くないとLumiLiaは考える。


■総括 Infiniaが今後日本の消費者に受けいれられるために
Infiniaが買いかと聞かれれば、否である。
管理人は素直に同社製のパネルを搭載し、良質な映像エンジンを搭載したREGZAを選択すれば良いのではと思う。「ローカルディミング」「ボーダレスデザイン」の2つがどうしても欲しい場合、Infiniaを購入する選択肢が発生するだろう。スタイリッシュであり、見栄えは良いTVだと思う。
NANO-LEDLG.jpg
InfiniaはUSB-HDD対応等、日本メーカーのTVの長所をパク取り入れている。この点は評価されるべきだ。

しかし、日本の消費者に受け入れられるためには細かな機能が重要である。
YUV4:4:4入力は出来るか?DLNAの再生形式はどの程度対応しているか?メニュー画面はオーバーレイか?
バックライトの設定は何段階可能か?フレーム補完の調整は可能か?解像度はどの程度対応しているか?USBからファイル再生ができるか?
購入者が少なければデータも集まりにくい。後発はそれだけで不利なのである。
加えて、国内各社はそれぞれマニアックな強みを持っている。BRAVIAのマジックパケット送出、REGZAの細かなヒストグラム設定、REALのオートタ-ン、Vieraの16画面EPG、変態4原色AQUOS等…
Infiniaは純粋に普通のTVで終わってしまっている。
足りないものは、Infiniaだけに存在する独自の付加価値である。そしてそれは日本の消費者に快く受け入れられるものでなければならない。

現時点でLGが打ち出せる独自性は、最新のIPSパネルであろう。その観点では、Infinia LX9500が国内で発売された頃には、海外ではすでに最新のnano technologyを採用した最新のテレビが発表されており、LG国内再参入第一弾のフラッグシップがLX9500だったのはあまりにもお粗末である。
グローバルで製品を投入するのなら、LGエレクトロニクスは、日本にも最新のTVを投入するべきだ。
次期モデルで同社の最新の技術をつぎ込んだ、夢ある仕様のスマートテレビや有機EL TVが投入されることを期待したい。


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