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BRAVIA LX900 店頭レビュー

2010年06月10日 05:37

ソニーの初の3D対応BRAVIAとなるLX900が前倒しで販売が開始された。
LX900シリーズの特徴は3D対応とオプティコントラストパネルだろう。店頭にもすでに実機が設置されており、3Dデモの視聴やPS3のゲームを3Dでプレイできるようになっている。

というわけで、画質や機能について、量販店の店頭で色々と見てきたので感想を綴ってみたい。

本記事の要約:LX900はXMBの応答性向上や3D対応など、細かい点の改善・機能の追加が図られたものの、ハイエンドの割に画質が良くない。

■コストダウンを感じるモノリシックデザイン
薄いのが特徴。エッジライトLEDを採用したことが要因だが、その分額縁は大きい。
モノリシックデザインはさすがソニー、統一感があって他社製と比べても一枚上手だと思う。背面はスッキリしていて、前面のガラスパネル以外はRegzaやF5のようなツヤのあるポリ素材で覆われている。
ただし、フローティングデザインと比べると「コストダウン」を感じさせる安っぽさが感じられる点が残念だ。米国の経営陣から開発チームに圧力がかかったというのは本当なのだろう。


■感動なきオプティコントラストパネル 「斜めからなんて見ねーよ」
オプティコントラストパネルは奥行きなく平面上に映像が存在するように見えるのがウリである…が…うーん?NXと比べればそう見えるが、額縁と一体になったかのような、一枚絵的に映るわけではない。スクリーンに投影された、プロジェクタ-の映像を見慣れている人にとって驚きはないだろう。

ドットを斜めから見た際、フォーカスが大変良く見えるのは賞賛されるべき点だ。
しかしこれは斜めから見た時であって、正面から見た場合では通常のクリアブラックパネルと比べて特に差異を感じなかったことを強調しておきたい。オプティコントラストパネルの優位性は僅かだと感じた。

映り込みの低減は前情報通り従来比4%減程度で、クリアブラックパネルとほぼ変わらないレベルで映り込む。ハーフグレアと同じ映り込み…なんてデマも流れているようなので注意。


■画作り やっぱりパネルは…
どう見ても千鳥配列です。本当にありがとうございました。
画作りとして、昔からBRAVIAは青みがかっているのがデフォだが、白色LED搭載モデル以降スタンダードモードのデフォルト設定は白みがかっており、本機もその傾向にあると感じる。ダイナミックモードでは色の濃さを強調して隠している印象。
従来のアンチグレアモデルと比べるとグレアパネルに変更された分、色の純度や精細感をかなり感じる。
ただし、従来機にあったカラースペースの設定項目がなくなっているのは痛い。


■エミュレーション3Dは"面白い"機能
続いて3Dだが、画面が明るく、奥行きも感じられ3Dのメリットを感じた。VT2と同様、3D有効時は画面の点滅(フリッカー)を感じてしまう点や、ダイナミックモード並みの明るさにしないと白色が暗く感じてしまう点が残念だ。

続いて2D-3D変換機能。LX900は通常の2D映像を3Dに変換する機能を搭載している。
本体内では「エミュレーション3D」という名称で、オプション欄から直接設定が出来る。
効果はなかなかのもの。例えばニュース番組だとテロップが浮き出てきて、キャスターやスタジオにやや立体感とくっきり感が出る。業界に存在する既存の3Dコンテンツと比べるとかなり視差は控えめで、質感重視。3Dをあまり誇張し過ぎていない点が○である。

設定項目には「弱」「中」「強」があり、後者ほど視差が強くなる。個人的には強だと違和感があり、「中」が許容範囲と言ったところだ。
3D変換の方式自体は昔からある技術で、複雑な演算処理をしているわけではないようだ。(おそらくステレオクローム方式の派生)一応3Dフォーマットという設定欄もあり、オート、左右、縦横の方式を選択可能。

なお、3D有効時XMBは3D表示されず、設定画面は3D表示されるという面白い構図になっている。(XMBの表示をオーバーレイで載せているのかも?)
まだまだ改良の余地があるエミュレーション機能だが、面白い機能だと思う。

困るのはこの3D機能、有効な使い道が3Dカスタム少女しか思い浮かばないことだ。


■黒挿入モーションフローの効果はわからず
本機はラインブリンキングでなく黒挿入による残像低減を実現している。
設定はオプション欄から手軽に行うことが出来、設定項目は「スムーズ、標準、クリア1、クリア2、切」の5つになっている。
クリア1が通常の黒挿入、クリア2では黒挿入の時間を長くしてより残像を低減したもので、その様子はクリア1、2と設定を変える毎に映像の輝度が落ちていくので確認できる。

ただ、黒挿入の効果は、全く分からない。フリッカーを一切感じないからである。(黒挿入しても、点滅しないのね…
どれだけ効果があるのかは、「迷い猫オーバーラン!」のOPを見ない限り全くわからないだろう。


■格段に応答性・操作性が良くなったXMB
本機で格段に良くなった点の一つがXMBを初めとする操作性である。
全体的に明らかに動作がサクサクになったのを感じることが出来た。
XMBも透過型になり、モーションフローやシネマドライブの設定も、オプションメニューの画質設定欄から直接設定できるようになった。


以上がLX900について感じた点である。
管理人的には中途半端感が否めないモデルだ。F5といい勝負だと思った。


コメント

  1. 774 | URL | -

    Re: BRAVIA LX900 店頭レビュー

    BRAVIA に UV2A が採用されているか調べています。

    LX900 は千鳥配列ではないみたいです
    http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000095215/SortID=11739942/ImageID=708373/

  2. Prima | URL | 3/2tU3w2

    Re: BRAVIA LX900 店頭レビュー

    結論から言えば、LX900は写真からもわかるように、UV2Aパネルです。

    白画面ではドットがRGB上下含めて全て点灯しますから、その写真のように普通に映ります。しかし、ほかの色ではそうなりません。
    写真をクリックして頂いて、次、そのまた次の画像を参照されると、同じ色の画素の上下の点灯具合が違うのがわかると思います。
    三枚目は特に分かりやすく、色の境界に緑や赤の画素が一部点灯していますね。これがいわゆるマルチ画素の弊害(千鳥駆動)です。したがって、これはUV2Aパネルであると言えます。

    私の使っている言い方がまぎらわしいですが、千鳥配列はそのままの意味では正しくなく、正確には、千鳥駆動です。

    余談:私が手っ取り早くシャープ製かどうか確認する手段は、画面の一番上のドットが綺麗にならんでいるかどうかです。これが、シャープパネルの場合、ガタガタになります。この状態は滅多に崩れないことから、千鳥配列と管理人は勝手に読んでいます。

  3. 774 | URL | -

    Re: BRAVIA LX900 店頭レビュー

    なるほど千鳥駆動という意味でしたか!

    コントラストが高い UV2A に惹かれていたのですが、そんな弊害があったとは知りませんでした。
    (ただ、普通に離れて見れば全然気にならないですね)

    液晶テレビは暗いシーンの映像がザワザワとノイジーなのが気になってましたが、アクオスの UV2A はその辺が良好だったので UV2A に関心を持っていました。

    ちなみに、テレビはソニー製が好きです。

  4. 774 | URL | 4nJt7cHs

    Re: BRAVIA LX900 店頭レビュー

    モノシリックではなくモノリシックです。
    デザイン業界でのモノリシックの評価はフローティングデザインより高いようですが。

  5. Prima | URL | 3/2tU3w2

    Re: BRAVIA LX900 店頭レビュー

    間違いのご指摘ありがとうございます。修正させて頂きました。

    >デザイン業界でのモノリシックの評価はフローティングデザインより高いようですが。
    そうなのですか。確かに、モノリシックデザインからは完成された美しさを感じますので、納得出来る気がします。

    私もデザインに関しては文句の付けようがないと考えています。あくまで記事中でフローティングデザインと比べて指摘させて頂いたのは、安っぽい素材です。
    モノリシックデザインのアイディアコンセプトはQUALIA006から始まったのではと考えており、あのクラスの高級感があるとまた違ったのではと思います。

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