PS3&BRAVIA使いのためのDLNAサーバ推奨構築術

2010年04月11日 21:09

DLNAによるホームネットワークの構築は今や容易になった。
DLNAサーバーソフトとして、主に「PS3 Media Server(以下PMS)」「TVersity」「DiXiM Media Server」等が有名ではないだろうか。DiXiMは有料のため、多くの人は前者2つを利用しているだろう。

PMSは特定の設定を行えばBRAVIAで認識、MPEG-TSも再生させることが可能だ。テレビでデコードするため、オンエアと真に同等の環境で視聴できるスマートさに好感を覚える人も多いだろう。
ただし、BRAVIA&PS3を使うとなると、微妙に複雑な問題が発生してくる。
本稿はPS3とBRAVIA両刀使いで、DLNAを構築したい人に向けた記事で、管理人が構築した際判明した事柄をまとめたものである。


本稿の要約
・PMSのバージョンによってTS再生@BRAVIAを可能にさせる方法が異なっている
・DLNAサーバをクライアント毎に使い分けるべき

  サーバーソフトの性質の違い
まずPMS及びTVersityについて、個人的な使用感に基づいて抱いた感想を記しておこう。

■PS3 Media Server
○データベースの更新が早い
○ソフトウェアの更新が頻繁行われている
○BRAVIAからの再生が可能
×ファイル一覧の表示が遅い
×安定性が低い(後述)

■TVersity
○ファイル一覧表示が早い
○外部からブラウザ上でアクセス可能
×データベースの更新が遅い(※手動可、改善可)


特徴的な点を挙げると、PMSはデータベースがすぐに反映される一方で、TVersityは設定で一定時間おき更新が行われる形になっている。一般的にこの点が非常に受けているせいかPMSがメジャーなようだが、実際のファイルアクセスにおいてPMSはフォルダ展開に時間がかかり、TVersityの方が利便性が高いと管理人は感じている。
トランスコードの画質は各自で設定ファイルを直接いじればほぼ設定が自由に効くため、双方同レベル。デュアルコアCPUを積んで圧縮率を下げればトランスコードしてもわからないぐらい高画質で再生が可能だ。

他に、PMSの大きな特徴としてBRAVIAからMPEG-TSファイルの再生が可能な点が挙げられる。この点はBRAVIAユーザーにとってこれ以上ない魅力だと思うが、その一方でTSの認識が不安定(トランスコードされてしまう)だったり、すぐに反映されるはずのデータベースが更新に時間がかかったりと、安定性に疑問があるのがPMSの残念なところである。


  PMSでTSファイルをBRAVIAから再生するための前準備
PMSに特定の設定を行えばBRAVIAからTSファイルを再生することが可能になる。ただし、これらの設定を行う上ではいくつか把握しておかなければいけないことがあり、それを整理して書き留めておく。なお、すでにPMSは稼働できる状態になっており、他の機器でDLNA機能が利用出来ているものとする。

・ファイル形式の確認
トランスコードを行わずストリーミング再生したい場合、BRAVIAで再生できるファイル形式にしよう。
MPEG2-TSの場合、環境によってはTS Splitter等でスリムにする必要がある模様。
なお、管理人の環境では無加工で特に問題はなかった。

・各種ファイルのバージョンアップ
PMSのトランスコード及びファイル認識に関わるファイルをバージョンアップすることで安定化を図ることが可能だ。
以下の3つを換装しておこう。

1, MEncoder →mencoder.exe及びmencoderMT.exe
ファイルのトランスコード。インストールフォルダ内win32ディレクトリ参照。

2, ffmpeg →ffmpeg.exe
役割はファイルのトランスコード、情報取得。インストールフォルダ内win32ディレクトリ参照。

3, MediaInfo →MediaInfo.dll及びMediaInfo64.dll
ファイル情報取得を行う。最近のPMSで採用されており、インストールフォルダに存在したらバージョンアップしておこう。


  PMSでBRAVIAからTSファイルを読めるようにする
BRAVIAでTSを再生出来るようにするため上で、バージョンによって対応が異なることを把握しておこう。
理由は後に記載するが、出来るだけ「PMS v1.11.366 + avcmod」の組み合わせを利用しましょう

1, avcmodを適用する(v1.11.366使用推奨) 
DTVアップローダのavcmodの最新版を適用、中の説明の通りに設定すれば、使用可能になる。

2, braviaJP.confの変更(最新版向け)
上のavcmodは仕様変更により、最近のバージョンでは対応できていない。しかし、avcmodを投入することなくconfファイルの設定変更のみでTSファイルが扱えるようになる。
上のavcmodより、対応confファイルのみを抽出し、変更を施し、rendererフォルダに投入。元々入っていたBRAVIAxxx.confは削除しておこう。

BraviaJP.confの場合

下記構文を削除する。

TranscodeExtensions=
StreamExtensions=ts,m2ts,mpg,iso,vob,mp3,jpg,jpeg

以下の構文を付け加える。

#Better/faster codec detection method ! true to enable it
#Need testing !
MediaInfo=true
Supported = f:mpegts v:mpeg2|und a:ac3|lpcm|aac|mpa m:video/x-mp2t-mphl-188
Supported = f:mpegps v:mpeg2|mp4|h264 a:ac3|lpcm|aac|mpa m:video/mpeg
Supported = f:mp3 m:audio/mpeg
Supported = f:wav m:audio/L16
Supported = f:jpg m:image/jpeg

※注意!…上の設定はBRAVIA XR1用のため、MP4には対応していません。MP4に対応させるためにはおそらくmp4のサポートさせる構文を付けくわえれば良いですが、断言できる環境がないため、各個人で色々試してみてください。


  BRAVIAとPMSの連携は現状v1.11309 + avcmodが無難である
PMSの最新版にavcmodが適用できなかった理由にもなるのだが、PMSの最近のバージョンは、動画ファイルの情報を「MediaInfo.dll」を経由して取得している。ところが一部の動画(TSファイル)では再生時間を誤認識し、「再生できません(※)」と表示されてしまう。
そのため、より多くのファイルを再生できるv1.11309 + avcmodにてセットアップを行うのが得策である。

※具体的な症状は、再生することが出来るが、早送り等の操作をすると「再生できません」と表示され、以後再生もできなくなる。オプションより「頭から再生」を選べば再び再生が可能になるが、操作が出来ないので実質使い物にならない。例を挙げれば先日放映した「けいおん!!」のTSがこの症状になった。


  PMSでBRAVIAとPS3を併用してはいけない
BRAVIAでTSファイルを再生できるよう設定すると、サーバー起動状態のままでBRAVIAとPS3それぞれから読みこむと、挙動がおかしくなる。一部のTSファイルが見えない・読めないほか、PS3ではMP4のストリーミング再生が出来なくなるバグが発生する。
管理人の環境では随分とPMSが安定せず、うんざりしながらその原因を探っていたが、最終的に1つのサーバーを2つの異なる機種で使用していたことが原因だと判断するに至った。
これから構築する人に向けて、必ずクライアントは1種類で、PMSを使用しよう。不安定になったのを解決するため思考錯誤するのは良いが、時間も大事な財産だ。
つまり、BRAVIAとPS3それぞれをDLNAクライアントとして使用する場合、DLNAサーバーを2つ用意するのが適策である。
管理人の環境ではBRAVIA用にPMS、PS3用にTVersityをセットアップし、安定して運用が出来るようになった。
TVersityはwebサーバーの機能も持っているため、両刀使いは利便性の向上にもつながるだろう。

以上で設定の解説は終了だ。良いメディアサーバーライフを!


・余談 Tversityにてフォルダ一覧にて「$~~」といったファイル名が表示される
→ゴミ箱に見えない一時ファイルが残っていることが原因。
エクスプローラーのフォルダオプションより、保護されたオペレーティングシステムのファイルを表示させ、「$Recycle.bin」を削除すれば、この問題は解決する。(削除しようとするとダイアログで色々聞かれるので、desktop.iniだけ残しておいた)
なお、エクスプローラーからこれらのファイルは見えない。これらのファイルは、プライベートネットワーク内でのファイル転送が強制終了した時等に残るよう模様。

・余談2 PMS謎のフォルダ「ソ」
PMSにはファイル名がソから始まるファイルが存在すると、「ソ」というフォルダが作られるバグが存在する。対策なし。放置。


コメント

  1. avcmod | URL | ogz9v/Dw

    Re: PS3&BRAVIA使いのためのDLNAサーバ推奨構築術

    はじめまして。avcmodとか作っている者です。良くまとまっている記事で参考になりました(以前から拝見していたのですが…)。昨日、avcmod04でPMS 1.20.409-BETAに対応してみたのでよろしければどうぞ。「けいおん!!」も大丈夫だと思いますw

    PS3との併用はavcmod03でも対策を入れていて切り換えて使う分には問題無いと思うのですが、r409ではデバイス毎にメディア情報を別々に扱うようになったので併用しても多分大丈夫なはずです(その分メモリ消費量は増えますが…)。あと、自分もDLNA鯖を用途別に4種類ほど使い分けています(PMSはメモリ喰いなので…)。

    謎のフォルダ「ソ」~は有名なSJIS駄目文字と呼ばれている問題です。原因はなんとなく分かるのですが、コードを追い切れていないので放置しています。でも、r409でMediaInfoを使うようになって大丈夫になったような気がします(内部的に全てUnicodeで扱えばSJIS駄目文字問題は発生しませんので)。

    余談ですが、モーションフローってMPEGのシーンチェンジ破綻が強調されて残像みたいになりますね…。「けいおん!!」OPのような動きが激しいものだとはっきり分かります。普段はモーションフローを切っているのですが、オススメされているのでちょっと確認してみた次第。もうしばらく常用してみます。

  2. Prima | URL | 3/2tU3w2

    Re: PS3&BRAVIA使いのためのDLNAサーバ推奨構築術

    ままままさか作者様が降臨されるとは…!アワワ(゚Д゚;
    avcmodには本当に大変お世話になっております。返信コメントが遅くなってしまい申し訳ありません。

    新avcmod r409版を試し、正常動作を確認しました。「けいおん!!」の再生も見事に完璧になりました。
    SJIS駄目問題も出ておらず、ようやく「_ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」を始めとした"ソ"フォルダ群を元に戻すことが出来そうです…

    余裕のある時に、本記事も更新させて頂きたいと思います。
    今後とも宜しくお願い致します。

    モーションフローについては、シーンチェンジ破綻というのがいまいち把握し辛いですが、「けいおん!!」OPで言うと、グルグルと教室を回るシーンで発生する、予測エラーに起因するノイズのことでしょうか。
    確かにモーションフローは、ヌルヌル感と引き換えに輪郭ノイズや残像のようなズレ破綻が起きるデメリットがあります。特に動きが複雑かつ早いシーンは、苦手とするところだと思います。
    それを許容してなお、ヌルヌルな映像を楽しみたいかどうか、が最終的な使用判断になるのではないでしょうか。

    追記:モーションフローは240hzの方が、破綻が目立ちやすい傾向があるようです。私が使用しているのは120hzなので、もしかしたらその点で違いが出ているかもしれません。

  3. avcmod | URL | ogz9v/Dw

    Re: PS3&BRAVIA使いのためのDLNAサーバ推奨構築術

    動作確認ありがとうございます。

    モーションフローの方は仰るとおり、予測エラーノイズの勘違いでした。放送がリアルタイムエンコードである以上、多かれ少なかれ避けられない問題でしょうね。ちなみに、うちも120hzなので似たような物だと思います。

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