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エロゲ環境追求~オーディオ編~

2006年08月24日 19:20

さて今回は人によって求める水準が大きく異なってくるオーディオについてです。
音声はボイスやBGMなどディスプレイと同じように直接プレイヤーと関わってくる部分です。

オーディオもディスプレイと同様追求すればするほどプレイする心地が驚くほど変わっていきます。

音場が広くなり、臨場感がでる。声が聞きやすく感じる。
声が前から聞こえる、声に艶が出る、エロく感じる…

など、音環境の向上を感じるのは様々な場面でありますが、特にゲームによって音の違いがわかるようになります。
ただ、音という不確定なジャンルを扱う以上、非常に難しい部分が多い。
音が良いという言葉は人によってそれぞれ定義が違います。
ですが、それをふまえた上でこの項目を解説していこうと思います。

オーディオは語り尽くせないほどの留意点が存在します。
ここではあくまでエロゲをする上での重要項目や自分の経験以外は簡単な説明などしかありませんのでご了承。

なお、ここでは、20インチのディスプレイと組み合わせた環境を想定し、ヘッドホンや、デスクに置けるタイプのブックシェルフスピーカーを対象とします。

まずエロゲの音の経路の最も最初の部分に

[エロゲに含まれる音声データ]→[サウンドカード]→……
   ソフトウェア        ハードウェア

という流れが存在します。
エロゲはあらかじめゲームに用意された音声を再生しています。
つまりもともとゲームパッケージに入っている音声のデータ自体の音質(録音)が良くなければ最終的に聞こえる音も悪く感じてしまうわけです。
ですが、これは作るメーカー側の問題、当然こちらでどうにかできる問題ではありませんので、我々が追求するべきことは音声データをいかに良く再生するかということになります。
つまり、サウンドカード以降のハードウェアが対象になってきます。


よって重要になるのは
PCから外部に音声信号を出力するサウンドカード
そしてそこから送られた音声信号を入力するスピーカーやヘッドホンなどのオーディオ機器です。

まず簡単に音の流れを知っておかなければいけません。
微妙に異なる部分がありますがわかりやすく書いてみました。
音というものは簡単に書くとほとんどの場合これらの工程を踏んで音が発生します。PCのオーディオシステムでもそうです。


     音源→→→→DAC→→→→アンプ→→→→→→→→スピーカー
            (D/A変換)  (音量制御、増幅)        (振動)

このような流れで進んでゆきます。
音源から発信されたデジタル音声信号をDACがデジタル信号からアナログ信号へ変換し、アンプ部が音量を制御した上で増幅し、スピーカーのユニットが振動して、音が出ます。
これらの工程ひとつひとつの性能が音質に影響します。

…すごくわかりにくいので例に出してみましょう。
アクティブスピーカーとPCをアナログで接続している場合はこのようになっています。

       PC側      . │                 │                 │ 
  サウンドカード       │                 │   スピーカー       │
                  │アナログ      アナログ.│                 │
                  │ 出力         入力 │                 │音が出る
  →音源→→→D/A変換→│→→→→→→→→→→→│→音量制御→増幅→振動│→
                  │                 │                .│

少しはわかりやすくとらえられたでしょうか?
スピーカーにボリュームを調節するノブがありますね?
それはスピーカーに音量制御の役割を担う部分が付属されているからです。

デジタル接続は、

    PC側 .│                  │                        │ 
サウンドカード│                  │   スピーカー               │
         │デジタル       デジタル│                        │
         │ 出力          入力 │                        │音が出る
 .→音源→→│→→→→→→→→→→→→│→D/A変換→音量制御→増幅→振動│→
         │                  │               .         │

このような接続になっているだけです。DACを通る前なのでデジタル信号で出力されるわけですね。
よくデジタル接続は音がいい、と漠然と言う人がいますが大きな間違いです。
DACの性能がサウンドカード側の方がいい場合はアナログ接続の方が音が良くなります。

なんとなくわかって頂けたでしょうか?
オーディオシステムは高価格帯になるとDAC、アンプ、スピーカーがそれぞれ独立します。


さてそろそろサウンドカードについて語りましょう。
サウンドカードって何?という人はまずこちらからご覧ください。→e-wordより サウンドカード

サウンドカードを増設することで既存のシステムより音の良い環境が構築できます。
基本的にはDACや音源チップの性能がよければよいほど音は良く、値段が高くなります。

エロゲーマーとして忘れてはいけないことは、Direct Soundに対応したサウンドカードを買うこと。
エロゲとの相性による不具合が起こりにくいです。
ですが、Direct Sound必須とまでは言いません。そこらへんはわかっておいてください。
また、接続する物がアクティブスピーカーである場合はアナログ接続を用いましょう。
その方がたいていいい結果が出ます。
大体エントリーモデルではSE-90PCI、SE-150PCI、Sound Blaster X-Fi、Juli@などが、
ハイエンドですとデジタル出力を軸としてFireface800、LynxL22などのクロック精度の争いになります。
また変わり種としてCard DeluxeやDELTA1010など凝ったアナログ出力もあります。
ここではそれぞれのモデルの特徴を挙げておきます。


・ONKYO SE-90PCI
ONKYO WAVIO PCIデジタルオーディオボード SE-90PCIONKYO WAVIO PCIデジタルオーディオボード SE-90PCI


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VLSCを搭載している。このクラスの値段では一番いい音ではないかな。
音はまさしくオンキョーらしいサウンド。多少軽い音ですが高音は繊細。
ひとつポイントなのはこのカードのウリであるVLSCはデジタル出力ではまったく意味がありません。
絶対にアナログ接続で使用すること。

・SE-150PCI
ONKYO WAVIO PCIデジタルオーディオボード SE-150PCIONKYO WAVIO PCIデジタルオーディオボード SE-150PCI


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SE-90PCIと似た傾向の音を出すが、SE-90PCIにくらべて量感のある低音を出す。
聞き疲れしない音。音場が広い。

・Creative Sound Blaster X-Fi Digital Audio
Creative サウンドボード Sound Blaster X-Fi Digital Audio SBXFIDACreative サウンドボード Sound Blaster X-Fi Digital Audio SBXFIDA


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高解像度。音場が広い。低音が若干強調されているのでBGMが大きく感じる。
定位が若干おかしく感じる。位相がずれているみたい。
声の分離が特徴的なので、人によって好き嫌いが出そう。

・M-Audio Audiophile192
M-AUDIO オーディオカード Delta Audiophile192 MAP192M-AUDIO オーディオカード Delta Audiophile192 MAP192


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安定性に関して評価の高いM-Audioの製品。
DTM用ですがエロゲ用にももちろんよし。
音はフラット、特に特徴もない感じ。SE-90PCIより低音が緩く感じます。

・RME 96/8PST pro
RME 96/8PSTproRME 96/8PSTpro


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RMEのサウンドカードはデジタル出力に定評があります。
その中でも比較的エントリーモデルとして親しみやすいのが96/8PST。
この機種もデジタル出力は高品位。CPが高いのが特徴。
残念ながら今はもうほとんど売っていないみたいです。
音はモニター的、高解像度で冷たい音。
Direct Sound対応でないためエロゲでは不具合が出る機種も。

・M-Audio Delta1010
Delta1010 PCI-XDelta1010 PCI-X


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暖かい音を出す。
この価格帯なら通常はデジタル出力前提だがこの機種に関しては
アナログ出力がオススメ。
M-Audioのオーディオカードの中でこれだけ頭一つ抜けてる感じ。
ちなみに1010LTというのは全くの別物なので注意。
なお、上の写真はPCI-X版となっていますが我々が通常の環境で買うのはPCI版なので注意。

サウンドカードは正直に言いましてアナログ出力で使うならばSE-90PCIでも十分な気がします…。

次はスピーカー、そしてヘッドホンです。
一番音が変わる重要な部分です。

さてここで一つ大きな選択肢が出てきますね。
スピーカーを使うべきか、ヘッドホンを使うか、です。

スピーカーの利点は

・音場と定位
奥行きや上下、声の聞こえる位置などが画面に対して理想的に聞こえる。

ヘッドホンの利点は

・他人に音を聞かれにくい。
密閉でもオープンエアーでもスピーカーにくらべれば当然音が漏れにくいですよね。
・安い。
スピーカーにくらべて圧倒的に安いということが挙げられます。

大方全国のエロゲーマーは周りに音が漏れにくいなどの理由でヘッドホンを使う方がほとんどでしょう。

しかし、エロゲ環境追求=より良い環境でエロゲをする。ということに則るならば、ヘッドホンはどうしても音が頭の中で定位されてしまいボイスの位置がはっきりしにくいという問題があります。
特に大画面環境になるとその差が一層顕著になってきます。
よって環境追求的にスピーカーを推奨します。
もちろんヘッドホンの音の方が好き、というはヘッドホンを選んでください。

さてまずはスピーカーからです。
エロゲーマーの中でスピーカーを使う人は大方アクティブスピーカーを使用しているでしょう。
アクティブスピーカーというのはアンプを内蔵したスピーカーのことです。
当然機種によって大きく音が異なります。
どれも店頭に行って視聴する、本当にこれが一番です。
一応私の知っているスピーカーの音の傾向を述べておきます。
完全に好みの問題です。自分に合ったものを買いましょう。

・ONKYO GX-D90
ONKYO WAVIO アンプ内蔵スピーカー 15W+15W GX-D90(B) /ブラックONKYO WAVIO アンプ内蔵スピーカー 15W+15W GX-D90(B) /ブラック


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長く聞いていても疲れない音の傾向。
低音がボンボン鳴るのが痛いところ。
音の解像度はあまり高くない。


・Bose MediaMate ?
BOSE マルチメディア・スピーカー MediaMateII ブラックBOSE マルチメディア・スピーカー MediaMateII ブラック


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Boseらしい重量感のある音が特徴。
声の伸びはあんまりありませんな。
エロゲではBGMや効果音が目立つ傾向になります。


アクティブスピーカーでは当然限界があります。
楽な手段としては、ミニコンポを持っていればPCをつなげてみましょう。
ミニコンポ付属のスピーカーで音を出します。そこそこ良い音が出るはずです。


また、さらにハイクオリティな音質を求めるとなると、
アンプとスピーカーをそれぞれ別々に買うという選択になってきます。PCスピーカーという枠を超えるわけです。
価格も跳ね上がってくるわけですが、それに見合う音は出るようになります。
またこのクラスから、フロア型などスピーカーは大きいものが出てきますがあくまでデスク環境でエロゲをする場合は、小さいブックシェルフ型スピーカーを選びましょう。
安価かつ定番なスピーカーですとDALIのMenuet?やALR JORDANのEntryS、ELACの203.2などが挙げられます。

ELACのスピーカーはなかなかオススメです。
ボイスが聞き取りやすく、なおかつ独特な艶があります。


スピーカーで注意するのは種類だけでなくセッティングもかなり重要となります。
ここでは語りつくせないほどありますが、簡単なこととしては

・スピーカーを左右対称に配置する。
 
   ◇ __ ◇←スピーカー


      ■←自分

こんな感じ。(真ん中のはディスプレイです)

・スピーカーにインシュレーターを使う。
スピーカーの下の四辺に10円玉を敷いてみるのが手軽かも。

・下に物を置いてスピーカーの高さを変える。
高さを調節してツィーター部分が耳にくるようにします。
声の通りが良くなります。

などが挙げられます。  



さて次はヘッドホンです。
ヘッドホンはPCに直に挿す場合と、ヘッドホンアンプと呼ばれるアンプを経由して聞く場合があります。
ヘッドホンPC直挿しは音の経路としては大方このようになります。


       PC側      │               │                 │ 
  サウンドカード      │               │  ヘッドホン        │
                 │アナログ    アナログ│                │
                 │ 出力       入力 │                │音が出る
  →音源→→D/A変換→│→→→→→→→→→→│→→→→→振動→→→→│→
                 │               │                .│

この場合は音量制御をPCのソフトウェア上で行うことになります。
しかし、ヘッドホン環境においてアンプを経由しないということは、ヘッドホンの機種によっては音が小さく感じることがあるだけでなく、駆動力も落ちるため、ヘッドホンによっては音のバランスが崩れることがあります。(特に低域)
アンプはあるに越したことはないですが、五万あたりから一気にクラスが変わる印象があります。
ちなみにヘッドホンアンプを使う場合、この図ではPCとヘッドホンの途中に入るわけです。各メーカーによって音の傾向が異なります。これもまた視聴ありき、です。

私のオススメはSTAXのヘッドホン+アンプ。
STAXのヘッドホンはほかのヘッドホンとは違い、コンデンサー型のヘッドホンで音の分離が良く、高解像度な音を出すのが特徴。女性ボーカルもある意味非常にエロいのでオススメです。セットモデルも用意されており初心者にも比較的親しみやすく、またコストパフォーマンスも非常に高い。
予算が4万円程度なら私は迷わずSTAXのSRS-2050Aを薦めます。
ただ留意点として言うならば、10万円以上のシステムを組む場合、エロゲ用途でSTAXはあまりに音が高解像度すぎて逆に音の粗が目立ってしまうということでしょうか。

予算が2万程度なら、オーディオテクニカのATH-A900あたりがベスト。
このヘッドホンは非常に女性ボーカルの再生に適しており、まさしくエロゲ向き。


ちなみにエロゲの中には当然音質にも配慮して作られたものも存在します。
その際は高解像度システムが大いに力を発揮するんですな。

CLANNAD、朱などは本当に鳥肌モノ。タイトルに入った瞬間から、場面とBGMが切り替わるたびに新しい世界を感じさせてくれます。
Fateは低音の表現や効果音に力が入っており、逆相や定位を利用して非常に臨場感のある音を体験させてくれる。(詳しくは→音の良いエロゲーは?) 
こういうのも環境がある程度向上しないとわかりにくいんじゃないかな?

オーディオは個人によって求める音が全く違ってきます。
暖かい音が好きな人、冷たい音が好きな人がいたり、ね。
エロゲですと、録音の悪いソースが多い分、その粗が目立たないようなオーディオシステムを組むことを推奨したい所ですが、高解像度の方がいいという人もたくさんいます。
だからこそオーディオ機器を買う前には試聴は必須です

以上、ある意味ぐだぐだになったオーディオ編でしたがこの辺で。
突込みがあればどうぞー。
近いうちに追記、修正するかもしれません。


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コメント

  1. なつめ | URL | 701gxeB2

    Re: エロゲ環境追求~オーディオ編~

    SRS-2050Aを買おうと思ってるのですがこれって普通にPCに接続できるんですかね?それともPCとの間に何か必要なのでしょうか・・ もし必要ならばおススメのやつ教えてください。 あとサウンドカードはSE-90PCIが安いのでそれをあわせて買おうと思ってます。古い記事ですけど返信待ってます..

  2. Prima | URL | 3/2tU3w2

    Re: エロゲ環境追求~オーディオ編~

    記事をご覧いただきありがとうございます。返信が遅れてしまい申し訳ありません。
    STAXのヘッドホンは原則、同社製のヘッドホンアンプを経由しますので PCにライン出力が備わっていれば大丈夫だと思います。(したがって、間に必要なものはありません)
    オンボードならサウンドカード等を増設した方が良いでしょう。なつめさんが記載されたSE-90PCIもコストパフォーマンスが良く、お勧めです。

  3. なつめ | URL | 701gxeB2

    Re: エロゲ環境追求~オーディオ編~

    不安が消えたのでこれで安心して購入できます。返信ありがとうざいました。
    また何かあったらお願いします!

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