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CEATEC JAPAN 2008レビュー

2008年10月21日 23:20

1080P入力がテレビで初めて搭載されたのは3年前、しかし今や常識となっている。
情報通信機器は短い期間で猛烈な進化を続けている。

10月初めに趣味と仕事を兼ねて「CEATEC JAPAN2008」に参加し、最新の製品、技術を見てきた。
終了して3週間が立つこともあり情報の鮮度は古いが、個人的に感じたことが結構あったので書き残しておく。

ちなみに、ディスプレイ散策記です。あの糞広い会場はとても一日で回れるものではないので、基本的に液晶テレビを中心に見てきました。

■いきなり総括
CEATECを見ていると毎年、特定の技術に注目が集まるトレンドがある。
今回の薄型TVのトレンドは「LEDバックライト」、そして「3D表示技術」だったように感じる。

LEDバックライトは従来の持ち味であった色域だけでなく、RGB部分駆動型バックライト、一方では低消費電力バックライトと、より強みを生かした形へと進化を遂げ、より魅力的な製品群を生み出している。処理エンジン、パネル、筐体と来てバックライト。まさに液晶テレビの正当な進化と言えよう。

そして意外に盛り上がっていたのが3D表示技術。アメリカでは映画等ですでに導入されており、表示に対応した映画館も増えている。対応テレビではサムスンがすでに販売している。
私事として最近2Dを3Dに変換する技術を研究・保有している方々と色々企画をしていたりするのだが、やはり一般に浸透させるのは非常に難しい課題だと考えていて、今回のイベントでも3D技術は消費者の需要によって発生した技術というより、企業からの我々に対しての新しい提案という意味合いが強かったように思える。
しかし2D-3Dって聞きようによっては夢の技術ですよね?
エロゲで導入すれば素晴らしいではないですか。

個人的な注目はフレームジャダーの排除技術。ソニーのモーションフローを指すが、もっと他社でも普及してほしい。

続いて企業別レビューに移ります。

■(ブース名)
・(見どころ、ポイント)
(レビュー)

という形で書いていきます。

■Dolby
・LED部分駆動技術  ・Dolbyライト
会場に着いて真っ先に向かったのはドルビーブース。

DSCF2865.jpg

ドルビー技術のデモを行う場所は七色のスポットライトが床を薄く照らす暗室だった。

ドルビー技術は小音量時にも迫力のある音で聴けるよう加工を施す「Dolby Volume」が多少便利か、と感じた程度でほかはあまり記憶に残らなかった。総じて大音量でごまかされた感がある。

ただし、デモの映像はとても精細で、使われていたプロジェクターは4K2Kだったように思える。
あと気になったのは技術デモの中で表示されていいたドルビーのイメージ環境のSPがN800だった。明らかに無理がある。

別室ではLED部分駆動の技術を使用したディスプレイのデモを行っていた。
全体的に輝度が高すぎて白飛びしているように思えたが、黒は液晶とは思えないほどしっかり沈んでおり、液晶の新しい可能性を感じることが出来た。

終了後にドルビーライトを貰った。一番最初に入ったのはこのためだったりする。


■Microsoft

ceatecmicrosoft

おもわずプレゼンテーションステージに設置された超巨大なLEDスクリーンに目が行ってしまうMicrosoftブース。
全体を見ればわかるだろう。実に派手なブースだ。

体験コーナーで新型のノート用折りたたみマウスに触ったが、かなりの軽さでインパクトがあった。あとはレシーバーが小さくなれば売れると思う。
抽選付きのアンケートを募集していたのだが、抽選の列がシャッター前サークルのような長さで外まで延びていた。ブースを離れようにもアンケートボードを預かっているので下手に離れられない。結局インフォメーションにアンケートだけ提出してその場を後にしたが、書かせた後でこの対応はなかなか酷いように思えた。

MSxDW

プレゼンテーションでは……ニコニコ動画━━━━━!?


■PHIHONG TECHNOLOGY CO.,LTD
聞きなれないブースだなぁ、と立ち寄ったのだが、どうやら台湾のメーカーだったようだ。

60インチ、70インチのタッチパネルディスプレイが展示されていた。
暗いと思ったらDLPリアプロだった。

ceatectouchd

漫画家が似顔絵を描いていた。

後から調べたがPhihongは世界7位の電源メーカーだという。ディスプレイにばかり目がいっていたが、確かに背後に大量のパワーサプライ製品が展示されていた。


■東芝
・超解像技術は個人的には将来性を感じない
・立て懸け液晶テレビの発想は良い

DSCF2845.jpg

気になる技術は多数あった東芝ブース。


参考。わからねぇ…

ニュースサイトの記事で散々取り上げられていた超解像技術「レゾリューションプラス」だが、期待とは裏腹の出来だった。シャープネスがかかった絵だ。WinDVDのAll2HDといい勝負な気がする。ffdshowで同レベルの作れないかしら?
先進性は感じられなかった。XDEも同様、イマイチ。All2HDに負けるんじゃないかこれは。

よくテカります

もう一つは話題の立て掛け液晶テレビだが、デザインがなかなか良い。が、解像度は普通だったし、厚みはあった。

CELL TVは製品で早く出してほしい。もちろんその際は地デジデコードの速度も爆速だよね?

あと余談だがプレゼンテーションが糞巧かった


■Panasonic
・インパクトはあった150インチプラズマTV、先進性を感じられた薄型プラズマTV

ブースを眺めてまず目につくのは世界一を唄う150インチのプラズマだ。5mほどの遠い距離から眺めればそれなりに見れるが、近くからはドットの画素が見えてなかなか厳しい。当然実用性にはかけるように思えた。メイン顧客層はドバイあたりだとか。

さてその隣に展示してあった薄型プラズマは今までの厚い「プラズマ」という概念を覆していて予想以上に素晴らしく感じた。
ただし、枠の太さはネックポイント。液晶TVが総じて狭枠化しているからこそ余計気になった。

Panasonicブースの中には家電を広く取り扱っている扱う強みを生かして自社の照明を用いたライフスタイル提案のブースもあった。生活空間提供のアプローチは人生をより過ごしやすくするために必要なものだと思う。

エロゲーライフスタイルを提案したい

倍速技術については黒挿入を行って残像を低減しているとのこと。ただ24フレームが入ると効かなくなるらしい。


■日立  
・なめらかシネマ

円形の白基調のブースで、小奇麗な印象。
「なめらかシネマ」はフレーム補完の技術だが、24Pも検出して60Pにするのが特徴だ。デモでは横方向の移動だけだったがくしノイズが見られた。

スタイリッシュ   キラッ☆

展示製品がかなりオシャレで枠にラミネート加工のようなものを施しているモデルであったりスタイリッシュであったりと、デザイン的にかなり良かった。

君には失望したよ

iVDRは期待していた時期もあったが展開の遅さに呆れるばかりだ。


■ブルーレイコンソーシアム

しぃつうううぅぅぅぅ

うたわれるものとギアスが放送されていた。


■シャープ
・圧巻のAQUOS XS1
・Pioneerとのコラボシステム  ・無線伝送

アクオスウォール

壁一面に高く並べられたAQUOSはまさにAQUOSウォール


DSCF2850.jpg

XS1の美麗さに驚いた。黒が本当に黒い。LEDを採用したせいなのか、発色が垢抜けたように感じた。映像はずいぶんとすっきりして、既存のAQUOSとは違った絵作りだ。


DSCF2852.jpg

「Pionnerコラボレーション」と書かれた看板を見て「ついにシャープパネルのKUROが」と思ったらAQUOSとパイオニアのシアターラックの組み合わせだった。おぉぉぉい


DSCF2881.jpg

ブースでちょびっと気になったリアスクリーン。


DSCF2893.jpg

後ろからこんな感じで投射。


■Pioneer
・Studio KURO  ・TAD

DSCF2853.jpg

ディスプレイ、ラック、プレーヤー、レコーダー、アンプ、スピーカー。
どれに手を抜くことなく、他社製品と比較しても最高クラスの製品を提供している。
パイオニアの強みは自社ブランドでクオリティの高い統合AV環境を提供できることだろう。

KUROの完成度は非常に高く、ありのままの忠実な色合いを表現した画にはおもわず驚いてしまう。そもそもテレビではなく、ディスプレイという時点ですでにマニア向けだ。独自路線を突っ走ってほしい。
また、シャープパネルを採用した液晶テレビも展示されていた。100hz駆動のポップが貼ってあった。絵作りはパイオニア…なのかどうかはいまいちわからなかった。

2859.jpg   2860.jpg

途中でTAD Refference1の視聴会に参加した。環境はドルビーとはうってかわり大規模ホールの外にある一室。周りは布で覆われ、一通りのリスニング環境が整えられていた。視聴の音量も丁度良く非常に心地が良かった。
肝心の音は原音に忠実な音だった。パイオニアらしく低域の制動にはかなり気を使っているのだろう、パイプオルガンの締まった低音が素晴らしかった。


■NiCT
裸眼で3D立体映像を見れたり、ユニークなスピーカーが展示されていたりと、最新の技術を取り扱うNiCTブース。

裸眼で見れる3D立体映像は今のところ横方向しか駄目なようで、かつ技術的にもまだまだ難しいといった印象を受けた。ここ最近、紙に印刷するタイプで3Dに見せる技術に触れる機会があったがそちらの方が普及が早そうだ。

また、4K2kのディスプレイが展示されており、ドットバイドットで接続されたPCで操作することが出来た
40インチ以上のかなり大型なのに、ドットの大きさ自体はUXGAで使っている感覚なので至近距離で見ても違和感がない。未来を感じることが出来た。


■三菱電機
・失望感の大きかったレーザーTV
・4K2K液晶ディスプレイ  ・3D技術

三菱電機はブース中央に大きなステージの周囲に自社の新製品を設置し、一定時間おきにプレゼンテーションを行っていた。
これらの製品は屋外設置用途のもので、LEDスクリーンの「オーロラビジョン」、液晶ディスプレイの「VISEO LITE」、DLPリアプロなどが展示されていた。
液晶は三菱お得意の映り込み上等テカテカグレアパネル、またDLPリアプロはなかなか綺麗だったが虹が見えた。

DSCF2862.jpg

中央ステージの左側にはレーザーTV視聴ルームへと続く扉に、長い列が形成されていた。

レーザーTVの感想だが期待しすぎたか、思った以上にしょぼかった。
暗室でデモが行われたのだが、視聴して10秒で感じたのは無茶苦茶虹が見えることだった。
超カラフル
いくら光源がレーザーになっても
カラーブレーキングの呪いからは解放されなかったようだ。
スクリーンはザラザラしている印象。これで視野角を広げているのだろうか?映像がノイジーなのも気になった。赤の背景に三菱のロゴが映っていた時の背景のノイズは製品に由来するものなのか、そうだとしたら致命的だと思う。

レーザーTVのウリとして赤の再現性をアピールしていたのだが、個人的には初めてQUALIA005の赤を見たときほどの衝撃はなかった。
厚さは32cmと、仕組みが従来のリアプロと変わらない点を鑑みると優秀といえる。
厳しい意見を並べてしまったが技術自体はまだ伸び代はあるだろうし、今後に期待したい。

同時に3D技術のデモが行われたがこれはなかなか良かった。スターウォーズエピソード2序盤の空中都市のカーチェイスシーンは非常に迫力があった。

DSCF2861.jpg

こちらのブースにも4K2Kの液晶テレビが展示してあった。やはり綺麗だ。
パネルはどこから調達したのか気になったが残念ながら教えて頂けなかった。ai-TFT?


■ソニー
・華がある有機EL、堅実な進化を遂げるBRAVIA
・モーションフロー240hz&モーションフロープロ

DSCF2875.jpg

DSCF2876.jpg

一周するのが疲れるぐらいブースがデカイ。やはりソニーの看板は有機ELだろう。
しかしながら個人的な注目は新たにトリルミナスを採用した新型BRAVIAだ。

DSCF2892.jpg

新型BRAVIAについて、モーションフロー240hzとモーションフローPROの違いを聞いたところ、ソニー的にはモーションフロープロの方が性能的に上の位置づけで、駆動がLEDのため、多機種ではできないなんらかの小細工をしているとのこと。詳細は教えてもらえず。

2891.jpg

ちなみに後ろを見たがファンが回転している跡はなかったように思えた。

DSCF2880.jpg

LED部分駆動型バックライトのデモ。これは凄い。


■Victor
・8K4K Projectorの衝撃
見どころはなんといっても3300万画素を誇る8Kプロジェクターだ。デモはピクチャ表示のみだったが、至近距離に近づいてもドットが全く見えない。あまりの精細さに驚いた。
一つの可能性として多少ぼやけがあった、だからドットが見えなかったのかもしれない。

なお、色の発色に関しても凄まじい出来で、黒を見ておもわず「これほんとに点灯してるの?」と問いかけてしまいたくなるぐらい黒の沈み込みが深かった。その黒さはLED部分駆動の液晶の比ではなかった。

液晶テレビは180hz駆動の技術が目立った所か。黒挿入はしていないとのこと。フレームジャダーを取り除く技術とは違うらしく、残像をなくすという意味での倍速駆動らしい。画素単位で60iを検出するため、混合フレームの場合24部分にに対しての補完は行われないとのこと。技術的に難しいとか。

3Dディスプレイも展示されていたが三菱のデモに比べると劣っていた印象がある。

他展示品。4K2Kディスプレイ。
DSCF2873.jpg


以上。


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