過去に取り上げたが、各メーカーのTVに搭載されているフレーム補間機能についてアップデートしておきたい。
今や倍速は標準化し、各社ともフレーム補間の強い、ヌルヌルな映像が楽しめる機能も用意されている。しかし、補間の挙動は異なっているため、各社の傾向を理解することは有用だと考える。
フレーム補間は、24P入力の場合、ストレートに補間アルゴリズムに左右されるが、
60i放送ソース等インターレースソースでは、補間アルゴリズムに加え、プルダウン検出精度にも影響されることを頭に留めて欲しい。
・REGZAREGZAは240hzと120hzのモデルでフレーム補間の挙動が異なっている。ヌルヌルになるのは240hzモデル(機能名:ハイスピード4倍速及びアクティブスキャン480)のみ。
REGZA Zシリーズは従来より、120hzベースで、ヌルヌルのモードが搭載されておらず、それは現行モデルZ3(アクティブスキャン240搭載)でも同様である。フレーム補間を求めてREGZAを選択する場合、ZGシリーズを購入すべきだ。
ZG2はZG1と同等の補間が実現されていることを確認している。(超電磁砲BDソースによる検証。
一部サイトの縦や斜めの補間が効かないとの情報は全くの誤り)
また、REGZAのフレーム補間機能は操作設定において他メーカーと似た単語が使用されているが、効果が異なるので注意が必要だ。
アクティブスキャン480はハイスピード4倍速+バックライトブリンキングで、選択項目は「フィルム」「クリアフィルム」「スムーズ」「クリアスムーズ」がある。BRAVIA基準の名称ではクリアが付くとブリンキング処理が優先されてジャダー強調の動画となるが、REGZAでは、クリアスムースが最もヌルヌルになるモードと設定されている。
ZG1やF1等のハイスピード4倍速搭載モデルは選択項目がスムースモードとフィルムモードしかなく、この場合スムーズを選択すればヌルヌル画質が体感できる。間違えやすいので覚えておこう。
ただし、BRAVIA程のヌルヌル具合は240hzモデルは実現できていない。補間エラーとのバランスを考えた東芝のチューニングだと思うが、わかりやすいのは「ストライクウィッチーズ2」のOPで、塔の周りをグルグルと回るカメラワークがREGZAでは多少カクついた補間となり、BRAVIAでは補間エラー許容しながらもヌルヌルにするような表現になっている。
・Vieraパナは元の映像の質感を重視しており、以前はヌルヌルとなるフレーム補間を用意しなかったが、液晶では240hz駆動モデルから、プラズマも最近のモデルになってシネマスムースという名称で搭載されるようになった。Vieraのフレーム補間は液晶とプラズマで挙動が異なる。
プラズマVieraのフレーム補間は発動タイミングが読めず検証でおもわず頭を抱える程の気まぐれフレーム補間だ。
超電磁砲ではOP1の風車背景のシーンとOP2序盤の美琴の手のズームアウトでは効くが、OP2の柱の横スクロール等他のシーンでは効かない仕様だ。ソ・ラ・ノ・ヲ・トOPで効くが、偽物語OPでは効かない。
発動タイミングが読めないため違和感を感じる箇所もあるが、プラズマならではの動画のキレの良さが巧くカバーしており、それなりに使える。また、24Pモードの「24pフィルムダイレクト」を適用すると補間が不自然になるという、判り辛い仕様になっている。
他メーカーの補間は以前に挙げた通りだ。
【TV Review】 Infinia LX9500 店頭レビューより
【TV Review】 AQUOS クアトロン LV3,LX3 店頭レビュー
【TV Review】 REGZA ZG1 店頭レビュー
BRAVIA LX900 店頭レビュー総括してみると、フレーム補間のヌルヌル具合に関しては、細かく進化を遂げ、補間エラーを減らしているBRAVIAがやはり頭一つ抜けている印象。
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