2014年06月23日 22:56
2014年夏モデルの一部のテレビを店頭で視聴した。パネルや画質に付いて書き留めておきたい。
本記事を投下した理由は、4Kモデルに、画質評価以前の核地雷の機種があったためだ。
本記事を投下した理由は、4Kモデルに、画質評価以前の核地雷の機種があったためだ。
2013年04月11日 23:58
BRAVIA 2013年モデルが発表された。
ソニー、65/55型4K BRAVIA X9200A。4Kの臨場感を家庭に - AVWatch
ソニー、フルHD最高画質BRAVIA「W900Aシリーズ」 - AVWatch
普及価格帯となるフラッグシップシリーズとして4K対応モデルが登場したこと、またColorIQと呼ばれる発光半導体技術をバックライト部に採用することでトリルミナスディスプレイと呼ばれる広色域を実現したことが特徴である。
東芝と同じくより一般的で使いやすいサイズで4Kモデルが登場し、いよいよ普及の段階に入ったことが意識される。価格帯的にはHX950より若干高めの水準、HX950に置き換わるラインナップとなるようだ。
■再び開かれた広色域の扉

何と言っても2013年モデルの大きな特徴はバックライトに採用された「Color IQ」による広色域化であろう。
ColorIQ - QDVision
「Color IQ」に関するFAQ - SONY HP
ColorIQによる広色域の再現はBRAVIAの思想と合致しているように思える。
LumiLiaはBRAVIAの強みは、広色域と標準カラースペースの使い分けが可能な点にあると書いてきたが、RGB-LEDバックライトを搭載しなくともColorIQによって同等、もしくはそれ以上のカラースペースが再現出来るなら、それは大いに歓迎すべきことだ。
■4Kフラッグシップ、フルHD最上位共に中途半端な仕様に
製品ラインナップを見ると、パネルサイズからW900Aシリーズは従来からのサムスンVAパネル、X9200A及びW802AシリーズはLG IPSパネルと予想されるが、2013年のパネル調達でソニーがAUOの比率が大幅に引上げられるとの観測もあり、いずれも店頭で確認する必要がありそうだ。サムスン中心だったソニーハイエンドTVでもパネル調達の多様化が伺える。
フルHDモデル最上位機種W900Aシリーズではオプティコントラストパネルが省かれ、かつ以前のフラッグシップHX950で採用されていた直下型LEDバックライトは搭載されていない。
4Kシリーズとの差別化とも伺える一方、その4KモデルであるX9200Aシリーズもまた、全てがエッジ方式で細かなローカルディミングが期待出来ない点や、モーションフローの駆動が120hzに止まるなど、パネル・バックライトの制限を主因にW900Aとも完全な上位互換に至っておらず、その仕様は中途半端だ。
4Kモデルで直下型モデルが用意されないのは、製造パネルやColorIQの仕様面での制限が要因か━━━━いずれにしても残念だ。
フルHDモデルでも直下型LEDローカルディミングやオプティコントラストパネルを備え、改良が重ねられたHX950の正統進化が欲しかったが、それを実現すると4Kが売れなくなるのだろう。
今回のフラッグシップシリーズも、BRAVIA X2500のような…改良の余地を多く残したモデルとなった印象だ。
トリルミナスディスプレイの将来性は大きいが、画質を求めれば漆黒の表現をより高い精度で可能な直下型LED採用によるローカルディミングは私的には必須だと考える。
テレビとしても映像エンジンのみ自社製、4KパネルはLG製、ColorIQによるバックライトと外注による部品構成で低コスト化が詰められている。今後、4Kの普及に伴い値段が下がってきた段階で、Viera ZTのような1ランク上のプレミアムモデルが用意されるのかもしれない。

■量子ドットへの期待は高まる
厳しめの記述を並べたが、私的にはColorIQを実際の製品に搭載した点を高く評価している。
白色LEDの普及によって失われた色域がようやく蛍光体の壁を越え、技術により戻ろうとしているのだから。ColorIQを始めとした量子ドット技術は多くの可能性を秘めており、今後の映像開発にも深く関わっていくだろう。
一方、4Kパネルは普及は進むが天下を取るとは考えていない。定価ベースで55インチモデルは1インチ1万円を切る価格設定となり現段階では頑張ったと思うが、4Kパネルは2014年以降はフルHDパネルよろしく各社の供給体制が確立されることで、加速的に価格が下落していくことが想定される。
TV用有機ELの開発も進んでおり、今後4K BRAVIAがフラッグシップモデルとして醸成される━━━━かどうかは怪しいところだ。本当に繋ぎで終わってしまう可能性もありうる。
ソニーとしては、中期的に大型有機ELテレビへの移行、長期的には量子ドットLEDの確立による低コストCLEDの実現を見込んでいるのだろう。
まずは新たに搭載された技術への評価が必要だ。ソニーの新技術は人柱に近い場合もある。
ColorIQ採用によるガンマの乱れはどうか?実際にどの程度のカラースペースが実現されるか?
あわよくばXR1からの買い替えを決意させるものであって欲しいと、真摯に思う。
ソニー、65/55型4K BRAVIA X9200A。4Kの臨場感を家庭に - AVWatch
ソニー、フルHD最高画質BRAVIA「W900Aシリーズ」 - AVWatch
普及価格帯となるフラッグシップシリーズとして4K対応モデルが登場したこと、またColorIQと呼ばれる発光半導体技術をバックライト部に採用することでトリルミナスディスプレイと呼ばれる広色域を実現したことが特徴である。
東芝と同じくより一般的で使いやすいサイズで4Kモデルが登場し、いよいよ普及の段階に入ったことが意識される。価格帯的にはHX950より若干高めの水準、HX950に置き換わるラインナップとなるようだ。
■再び開かれた広色域の扉

何と言っても2013年モデルの大きな特徴はバックライトに採用された「Color IQ」による広色域化であろう。
ColorIQ - QDVision
「Color IQ」に関するFAQ - SONY HP
ColorIQによる広色域の再現はBRAVIAの思想と合致しているように思える。
LumiLiaはBRAVIAの強みは、広色域と標準カラースペースの使い分けが可能な点にあると書いてきたが、RGB-LEDバックライトを搭載しなくともColorIQによって同等、もしくはそれ以上のカラースペースが再現出来るなら、それは大いに歓迎すべきことだ。
■4Kフラッグシップ、フルHD最上位共に中途半端な仕様に
製品ラインナップを見ると、パネルサイズからW900Aシリーズは従来からのサムスンVAパネル、X9200A及びW802AシリーズはLG IPSパネルと予想されるが、2013年のパネル調達でソニーがAUOの比率が大幅に引上げられるとの観測もあり、いずれも店頭で確認する必要がありそうだ。サムスン中心だったソニーハイエンドTVでもパネル調達の多様化が伺える。
フルHDモデル最上位機種W900Aシリーズではオプティコントラストパネルが省かれ、かつ以前のフラッグシップHX950で採用されていた直下型LEDバックライトは搭載されていない。
4Kシリーズとの差別化とも伺える一方、その4KモデルであるX9200Aシリーズもまた、全てがエッジ方式で細かなローカルディミングが期待出来ない点や、モーションフローの駆動が120hzに止まるなど、パネル・バックライトの制限を主因にW900Aとも完全な上位互換に至っておらず、その仕様は中途半端だ。
4Kモデルで直下型モデルが用意されないのは、製造パネルやColorIQの仕様面での制限が要因か━━━━いずれにしても残念だ。
フルHDモデルでも直下型LEDローカルディミングやオプティコントラストパネルを備え、改良が重ねられたHX950の正統進化が欲しかったが、それを実現すると4Kが売れなくなるのだろう。
今回のフラッグシップシリーズも、BRAVIA X2500のような…改良の余地を多く残したモデルとなった印象だ。
トリルミナスディスプレイの将来性は大きいが、画質を求めれば漆黒の表現をより高い精度で可能な直下型LED採用によるローカルディミングは私的には必須だと考える。
テレビとしても映像エンジンのみ自社製、4KパネルはLG製、ColorIQによるバックライトと外注による部品構成で低コスト化が詰められている。今後、4Kの普及に伴い値段が下がってきた段階で、Viera ZTのような1ランク上のプレミアムモデルが用意されるのかもしれない。

■量子ドットへの期待は高まる
厳しめの記述を並べたが、私的にはColorIQを実際の製品に搭載した点を高く評価している。
白色LEDの普及によって失われた色域がようやく蛍光体の壁を越え、技術により戻ろうとしているのだから。ColorIQを始めとした量子ドット技術は多くの可能性を秘めており、今後の映像開発にも深く関わっていくだろう。
一方、4Kパネルは普及は進むが天下を取るとは考えていない。定価ベースで55インチモデルは1インチ1万円を切る価格設定となり現段階では頑張ったと思うが、4Kパネルは2014年以降はフルHDパネルよろしく各社の供給体制が確立されることで、加速的に価格が下落していくことが想定される。
TV用有機ELの開発も進んでおり、今後4K BRAVIAがフラッグシップモデルとして醸成される━━━━かどうかは怪しいところだ。本当に繋ぎで終わってしまう可能性もありうる。
ソニーとしては、中期的に大型有機ELテレビへの移行、長期的には量子ドットLEDの確立による低コストCLEDの実現を見込んでいるのだろう。
まずは新たに搭載された技術への評価が必要だ。ソニーの新技術は人柱に近い場合もある。
ColorIQ採用によるガンマの乱れはどうか?実際にどの程度のカラースペースが実現されるか?
あわよくばXR1からの買い替えを決意させるものであって欲しいと、真摯に思う。
2012年05月13日 13:31
過去に取り上げたが、各メーカーのTVに搭載されているフレーム補間機能についてアップデートしておきたい。
今や倍速は標準化し、各社ともフレーム補間の強い、ヌルヌルな映像が楽しめる機能も用意されている。しかし、補間の挙動は異なっているため、各社の傾向を理解することは有用だと考える。
フレーム補間は、24P入力の場合、ストレートに補間アルゴリズムに左右されるが、60i放送ソース等インターレースソースでは、補間アルゴリズムに加え、プルダウン検出精度にも影響されることを頭に留めて欲しい。
・REGZA
REGZAは240hzと120hzのモデルでフレーム補間の挙動が異なっている。ヌルヌルになるのは240hzモデル(機能名:ハイスピード4倍速及びアクティブスキャン480)のみ。
REGZA Zシリーズは従来より、120hzベースで、ヌルヌルのモードが搭載されておらず、それは現行モデルZ3(アクティブスキャン240搭載)でも同様である。フレーム補間を求めてREGZAを選択する場合、ZGシリーズを購入すべきだ。
ZG2はZG1と同等の補間が実現されていることを確認している。(超電磁砲BDソースによる検証。一部サイトの縦や斜めの補間が効かないとの情報は全くの誤り)
また、REGZAのフレーム補間機能は操作設定において他メーカーと似た単語が使用されているが、効果が異なるので注意が必要だ。
アクティブスキャン480はハイスピード4倍速+バックライトブリンキングで、選択項目は「フィルム」「クリアフィルム」「スムーズ」「クリアスムーズ」がある。BRAVIA基準の名称ではクリアが付くとブリンキング処理が優先されてジャダー強調の動画となるが、REGZAでは、クリアスムースが最もヌルヌルになるモードと設定されている。
ZG1やF1等のハイスピード4倍速搭載モデルは選択項目がスムースモードとフィルムモードしかなく、この場合スムーズを選択すればヌルヌル画質が体感できる。間違えやすいので覚えておこう。
ただし、BRAVIA程のヌルヌル具合は240hzモデルは実現できていない。補間エラーとのバランスを考えた東芝のチューニングだと思うが、わかりやすいのは「ストライクウィッチーズ2」のOPで、塔の周りをグルグルと回るカメラワークがREGZAでは多少カクついた補間となり、BRAVIAでは補間エラー許容しながらもヌルヌルにするような表現になっている。
・Viera
パナは元の映像の質感を重視しており、以前はヌルヌルとなるフレーム補間を用意しなかったが、液晶では240hz駆動モデルから、プラズマも最近のモデルになってシネマスムースという名称で搭載されるようになった。Vieraのフレーム補間は液晶とプラズマで挙動が異なる。
プラズマVieraのフレーム補間は発動タイミングが読めず検証でおもわず頭を抱える程の気まぐれフレーム補間だ。
超電磁砲ではOP1の風車背景のシーンとOP2序盤の美琴の手のズームアウトでは効くが、OP2の柱の横スクロール等他のシーンでは効かない仕様だ。ソ・ラ・ノ・ヲ・トOPで効くが、偽物語OPでは効かない。
発動タイミングが読めないため違和感を感じる箇所もあるが、プラズマならではの動画のキレの良さが巧くカバーしており、それなりに使える。また、24Pモードの「24pフィルムダイレクト」を適用すると補間が不自然になるという、判り辛い仕様になっている。
他メーカーの補間は以前に挙げた通りだ。
【TV Review】 Infinia LX9500 店頭レビューより
【TV Review】 AQUOS クアトロン LV3,LX3 店頭レビュー
【TV Review】 REGZA ZG1 店頭レビュー
BRAVIA LX900 店頭レビュー
総括してみると、フレーム補間のヌルヌル具合に関しては、細かく進化を遂げ、補間エラーを減らしているBRAVIAがやはり頭一つ抜けている印象。
今や倍速は標準化し、各社ともフレーム補間の強い、ヌルヌルな映像が楽しめる機能も用意されている。しかし、補間の挙動は異なっているため、各社の傾向を理解することは有用だと考える。
フレーム補間は、24P入力の場合、ストレートに補間アルゴリズムに左右されるが、60i放送ソース等インターレースソースでは、補間アルゴリズムに加え、プルダウン検出精度にも影響されることを頭に留めて欲しい。
・REGZA
REGZAは240hzと120hzのモデルでフレーム補間の挙動が異なっている。ヌルヌルになるのは240hzモデル(機能名:ハイスピード4倍速及びアクティブスキャン480)のみ。
REGZA Zシリーズは従来より、120hzベースで、ヌルヌルのモードが搭載されておらず、それは現行モデルZ3(アクティブスキャン240搭載)でも同様である。フレーム補間を求めてREGZAを選択する場合、ZGシリーズを購入すべきだ。
ZG2はZG1と同等の補間が実現されていることを確認している。(超電磁砲BDソースによる検証。一部サイトの縦や斜めの補間が効かないとの情報は全くの誤り)
また、REGZAのフレーム補間機能は操作設定において他メーカーと似た単語が使用されているが、効果が異なるので注意が必要だ。
アクティブスキャン480はハイスピード4倍速+バックライトブリンキングで、選択項目は「フィルム」「クリアフィルム」「スムーズ」「クリアスムーズ」がある。BRAVIA基準の名称ではクリアが付くとブリンキング処理が優先されてジャダー強調の動画となるが、REGZAでは、クリアスムースが最もヌルヌルになるモードと設定されている。
ZG1やF1等のハイスピード4倍速搭載モデルは選択項目がスムースモードとフィルムモードしかなく、この場合スムーズを選択すればヌルヌル画質が体感できる。間違えやすいので覚えておこう。
ただし、BRAVIA程のヌルヌル具合は240hzモデルは実現できていない。補間エラーとのバランスを考えた東芝のチューニングだと思うが、わかりやすいのは「ストライクウィッチーズ2」のOPで、塔の周りをグルグルと回るカメラワークがREGZAでは多少カクついた補間となり、BRAVIAでは補間エラー許容しながらもヌルヌルにするような表現になっている。
・Viera
パナは元の映像の質感を重視しており、以前はヌルヌルとなるフレーム補間を用意しなかったが、液晶では240hz駆動モデルから、プラズマも最近のモデルになってシネマスムースという名称で搭載されるようになった。Vieraのフレーム補間は液晶とプラズマで挙動が異なる。
プラズマVieraのフレーム補間は発動タイミングが読めず検証でおもわず頭を抱える程の気まぐれフレーム補間だ。
超電磁砲ではOP1の風車背景のシーンとOP2序盤の美琴の手のズームアウトでは効くが、OP2の柱の横スクロール等他のシーンでは効かない仕様だ。ソ・ラ・ノ・ヲ・トOPで効くが、偽物語OPでは効かない。
発動タイミングが読めないため違和感を感じる箇所もあるが、プラズマならではの動画のキレの良さが巧くカバーしており、それなりに使える。また、24Pモードの「24pフィルムダイレクト」を適用すると補間が不自然になるという、判り辛い仕様になっている。
他メーカーの補間は以前に挙げた通りだ。
【TV Review】 Infinia LX9500 店頭レビューより
【TV Review】 AQUOS クアトロン LV3,LX3 店頭レビュー
【TV Review】 REGZA ZG1 店頭レビュー
BRAVIA LX900 店頭レビュー
総括してみると、フレーム補間のヌルヌル具合に関しては、細かく進化を遂げ、補間エラーを減らしているBRAVIAがやはり頭一つ抜けている印象。
2011年09月01日 23:17

ソニー、3D対応の有機ELヘッドマウントディスプレイ - AVWatch
ソニー、3Dヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」を発売 - Phile-web
久々にソニーらしい新鮮さ溢れる製品が発表された。
HMD。有機ELパネル。解像度1280x720。価格6万程度。HDMI入力を装備(HMDにとっては大きいことだ)、3Dに対応。
この仕様でこの値段は、間違いなく既存のHMD市場を破壊するだろう。
目玉の有機ELパネルは純国産である。従って、GalaxyS IIレビューのときに書いたようなチューニングの問題が発生する可能性も低い。HMDの購入を考えていた人にとっては、文句なしで「買い」の製品だと言える。>なお有機EL層はソニーモバイルディスプレイで製造し、これをソニーセミコンダクタ九州でカラーフィルターと貼り合わせ、デバイスとして出荷している。
HMZ-T1はICES2011でも参考展示されていたが、今回の商品化はかなり早い。予想以上に反応が良かったので前倒ししたのかもしれない。
■HMZ-T1に存在する2つの懸念
映像デバイスの中でも特殊なカテゴリに入るHMDを持続的に運用していくためには、快適性が最も大きなポイントとなる。この観点で本機には現時点でいくつかの懸念が生じている。
1点目は重量とそれに起因する装着感だ。
400gと重さがあり、長時間の使用で疲れが出る可能性が高い。また、本機はこの重量を支えるためにパッドが額と接触する形になっており、これも長時間の使用で不快感を生む可能性がある。
重量の感じ方は装着する角度によって変わるため、斜め上を向く形でリクライニングチェアを使用、もしくはベッドで仰向けになって装着することが適切と考える。次期製品が出るならば、軽量化によって装着感の問題と共に問題は解決されるだろう。
2点目の懸念は発熱だ。装着部は密閉されるため、特に夏は熱がこもって暑くなる可能性がある。
また、直接快適性に影響はしないが、ヘッドホンの分離が出来ない点もマイナスポイントだ。普段使っているヘッドホン・イヤホンを使いたいという人も多いだろう。
細かい点では以下がチェックポイントとなろう。
まず、ドットバイドット表示(1280x720)が可能かどうか。出来ない場合、XEL-1の悲劇が再来する。
次に、1080Pフル表示の有無。これはおそらく出来る。
24P入力の対応可否や挙動も気になるところだ。パネルはそれぞれ60hzで駆動しているので、逆プルダウンがどのような挙動になるか、補間はされるのか等、気になるところだ。
映像エンジンで売りとなっているSMVは、基本的に液晶の映像エンジンの技術をベースにチューニングしたものと考えるべきだろう。
■ベッドスタイルの道を切り開く可能性を秘めた期待のデバイス
ドットバイドット表示さえ出来れば本機の解像度は昨今のエロゲ解像度とも相性が良く、3Dにも対応可能な優れたPCディスプレイデバイスとなる。
上記の懸念がクリアされた場合、LumiLiaが本機を用いて提案したいのはベッドスタイルでのゲームプレイ…もとい映像鑑賞である。テレビの位置に左右されないHMDは、寝転がって見る上で適切なデバイスなのである。
仰向け以外に寝転がることが出来ないデメリットもあるが、慣れさえすれば、身体にかかる負荷を極めて少なくし、まさに廃人生活のスタートを切ることが出来るだろう。
■…しかしまだ、大衆に受け入れられる製品ではないと考える
グラストロン世代を知っている人は判ると思うが、HMDは簡単に一般大衆に受け入れられる親しみやすさを持った製品ではない。長時間快適に使用するためには、先ほど挙げた点がハードルになるだろう。
だが本機は今までにない魅力を備え、”わかる人にはわかる”仕様であり、面白い製品である。是非売れてほしい。そして優れた次期モデルがリリースされてほしい。
■総括 HMD市場に切り込んだソニーに賛美を
これまで、HMDはマニアにしか手を出せない異常な程高い価格水準にあった。それはHMDを販売する会社も少なく、企業自身も高い利益率を得るために甘えていた面もあるだろう。ソニーはそんな甘々とも言えるHMD市場に再び切り込み、HMDのメリットをフルに生かした3Dの申し子とも言える強力なデバイスを投入してきた。恩恵を受けるのは我々消費者だ。
プロセッサユニットが分離しているが、今後ソニーとしては持ち歩けるHMDを視野に入れ、目指していくはずだ。
PS Vita に、HMZ-T1、ソニーが持ち込む有機EL陣営は期待できるものばかりである。
上に上げたハードルを理解しつつ、720Pドットバイドットや1080Pのフル表示対応が確認できた時点で、文句なしの買いと判断したい。
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